プクプクくんの星にて

第10期(2013年8月-9月)

プクプクの星タイトル

ワタクシ事ではありますが、しょっちゅう色々な星に出かけている叔父に誘われ、プクプクくん達が暮らす星へ宇宙旅行に行ってまいりました。

プクプクくん達が暮らす星は、地球のあるこの銀河系から10個ほど先にいった銀河にあります。星の名前は、日本語で発音するとしたら「プププ・クププ」と言うのでしょうか。まぁ、そんな具合です。
叔父の古くてボコボコの宇宙船に乗り込み、ワープにワープを重ね、5回の燃料補給をはさみ、まる3日かけて『プププ・クププ』へ向かいました。

みなさんご存知のように、宇宙は大変広く、窓から見える景色は星、星、星、と何の面白味もありません。時々、遠くのほうで星と星がドカンとぶつかって、キラキラ光るだけです。
もう3日間もそんな景色を見ています。ヒマでヒマで仕方ありません。ですからボクはひんぱんに、運転中の叔父の口ヒゲをひっぱったり、叔父のアゴヒゲをひっぱったり、叔父の指の毛をひっぱったりしました。叔父は「あぁ〜」とか「うぅ〜」とか言うだけで、まったく面白くありません。しかたないので宇宙船内のなんだかよくわからないガラクタを叩いたり、投げたりしました。それにもあきてしまうと、手の指を何度も数えたり、腕に生えてる産毛をさわったり、鏡を見ながら変な顔の練習をしたり、耳たぶをどこまでひっぱれるか試したり…。
そのうち何もやることがなくなってしまい、頭の中がどんどん空っぽになっていきました。そうしていつの間にか、無重力の宇宙船内をプカプカと漂うだけの、ただのカタマリになり果ててしまいました。いったいどれくらいの時間が過ぎたのでしょう。もう訳がわからなくなって、口からヨダレを出したり吸ったりするばかりの時間が、ずっとずっと続いていきました。

「むれもまへれは」なんだか声が聞こえます。
「みにみれめくさ」どこからか声が聞こえます。
「もくもくまくまく」やっぱり声が聞こえます。

意識が遠く遠く離れてしまって、うまく聞こえません。銀河をいくつも飛び越えてきたせいでしょうか。それともヒマすぎた時間が、ボクの耳のチューニングをおかしくしてしまったのでしょうか。

「めりもちまちかせ」
誰かがボクの肩をゆらしながら、何かを言っています。
「めがぱがべべが」
誰かがボクの肩を激しくゆらしています。
バチンっ!バチンっ!誰かがボクのホホを…
「痛いっ!!!あべし。痛い、痛い」
ボクはやっと意識を取り戻しました。おかえりなさい、ボク。
「もう着くぞ〜〜」
叔父がボクの胸ぐらをつかんでいました。

宇宙船の窓からプクプクくん達が住む星『プププ・クププ』が見えていました。

無事に『プププ・クププ』へ不時着すると、たくさんのプクプクくんが叔父とボクを迎えてくれました。みんなプクプクとしていました。
プクプクくん達はすぐに叔父を囲んで、どこかへ連れていってしまいました。叔父は宇宙をマタにかける有名な無免許医です。『プププ・クププ』にはプクプクくんの王様の病気を治しにきました。

ボクの10日間ほどの自由時間の始まりです。
叔父はこう言っていました。
「プクプクくんは、とっても恥ずかしがりだけど、優しくて愉快な人たちだよ」
それからボクは、プクプクくん達にかたっぱしから声をかけました。言葉は通じないけど、なんとか身振り手振りで踊るようにしゃべると「プクプク、プクプク」と笑ってくれました。そんなことをしているうちに、たくさんのプクプクくんがやってきて、ご飯を分けてくれたり、家に泊めてくれたり、いろんな場所に連れてってくれたりしました。10日では足りないぐらい充実した楽しい日々でした。
プクプクくんは、叔父の言っていたとおり、大変恥ずかしがり屋で、どんなことがあっても目を合わせてくれません。でもボクが見ていない時は、じっとこっちを見ています。
ボクは10日間ほどで、たくさんのプクプクくんをスケッチブックに描きました。惑星『プププ・クププ』にはカメラの持ち込みは禁止です。カメラを向けられると、プクプクくんは恥ずかしくなって消えてしまうからです。
スケッチブックを広げて、目の前にいるプクプクくんの似顔絵を描いて見せてみると、モジモジしながら横目でチラチラ見ます。そのうち「プクプク、プクプク〜〜」と嬉しそうに笑います。
たぶん「ぜんぜん似てないよ〜」と笑っていたんだと思います。

宇宙の辺境の星『プププ・クププ』のプクプクくん。
あなたもスケッチブック片手に一度行ってみてはいかがでしょうか。

プクプクくん低