tab el 生命を巡る食の旅 番外編②「文化を食べる」

第18期(2014年12月-2015年1月)

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これから料理はどうなっていくのか…ということに、
とても興味があります。

今まで料理の流れを見ていると、ターニングポイントでは必ず政治的、宗教的、環境的大きな変化があり、連動していることに気付きます。
文化は然るべきように、変化していくのですね。
(個人的に、文化は進歩するというより変容すると捉えています。)

最近、無性に気になったのは「平安時代」のこと。
それ以前の奈良時代のものは、どこか大陸文化の香りがして、日本らしいというよりエスニックな雰囲気をまとっているように感じます。
いわゆる一般的な「日本」を想像する時に、平安時代(京都)のものを想像することが多いのは、他の国では見られない固有の特色ある営みが見られるからでしょう。

平安時代に日本が日本らしくなった理由。
その答えは、やはり外交などの政治にありました。

奈良時代までは唐の文化の影響を非常に強く受けていました。
奈良に主都があったのも、河内(大阪)という当時日本最大級の国際港から船で入ってすぐの所だったからです。

しかし屈強な唐も廃れはじめ、874年に遣唐使の廃止など、いったん交流が薄れます。
奈良から京都への遷都もあって、いままでの国内の状況や文脈からも一旦距離をおいたこともあり、新しい土地で、伸びやかに新しい暮らしや社会が作られていったのでしょう。
今までや、他国という対象があることにより、より自分らしさを求めたのもあるかもしれません。

そこから数十年の熟成を経て、「国風文化」という日本独特の文化が立ち上がり始めます。
かな文字が生まれ、着物が生まれ、建築や食文化も”日本らしさ”を形作っていきます。

流れる水は淀まないように、
呼吸が古いものと新しいものが入れ替えて健全であるように、
適度に変化•適応することが、「変わらず良い状態である」ということを生んでいる。

生物が不変のようであるためには、変化が必須だという、
矛盾を合わせ込む自然の摂理。

”動的平衡”

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次に料理が変わる時は、エネルギー源が変わるときかもしれないし、
採れる食材が変わる時かもしれない。
新しい技術が生まれた時かもしれない。
料理を作る人と食べる人の関係が変化した時かもしれない。

それは然るべき時に、使命を抱いた人が、
然るべきように進めていくのでしょう。

「伝統は革新の連続である。」
尊敬するデザイナーの柳原照弘さんが、そうおっしゃっていたのが心に残っています。

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ということで、次回からは食卓の未来を考えるために、
食のまわりにあるものを見つめていきたいと思います。