序 詩人は みな 象に乗っている

第20期(2015年4月-5月)

詩人は みな 時代の光に乗っている

詩人は みな 唾棄した墨に乗っている

詩人は みな 竹を食んだ象に乗る

ある日砂場を通りかかったら、象が暴れていて、
長い鼻によって多くの人が打倒されていた。

私は象の行く末を思って、
「おまえは悪いやつではない、ただ悲しいだけだね」
と言って、鼻に飛びかかっていったなら、
象は鼻を逆転させて、私を鞍の上に乗せてくれた。

それからどんどん象は疾走し始めて、
人も町も見えなくなり 闇の前の方にある光を辿って、
どんどん加速していった。

私は、必死にしがみついていたが、
鞍もとれて皮にしがみ付いているしかなくなった。

ゴムのような固い象に振り落とされないように爪を立てた、
それでも足りなかったので、短刀を軽く突き立てて
落とされないよう死に物狂いでしがみ付いた。

私がなぜ象の鼻をつかんでいるのか、

象はなぜ私を背に乗せたのか、

象がなぜこんなにも早く走っているのか、

わからなかった。

みなこんな象に
乗っているのだろうか、
詩人は。

私は命尽きるまで
いつの世かわからないこの時代で

象に 乗っている。