一瞬と一生

第24期(2015年12月-2016年1月)

みなさま、初めまして。
第24期、1月末までの二ヶ月間「アパートメント」に入居させていただくことになりました、仲道萌恵です。

私はジュエリー作家として、主に貴金属を用いて作品の制作・発表をしています。

Pinna earcuffs

” Pinna earcuffs / 2013 ”

普段は活動報告程度でしか文章を書いていない私ですが、日々の生活や、制作について、興味ある事柄などを中心に綴ってみたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

初回の今日は自己紹介も兼ねて、あるふたつの出会いについて書いてみようと思います。

1.

それは小学校の図書館の一番奥の、大きな本棚に置かれていました。

私にとっては人生で初めて会った漫画本。
手塚治虫さんの「火の鳥」ギリシャ・ローマ編です。

火の鳥 ギリシャ・ローマ編

本を開くと目に飛び込んで来た、ヨーロッパの神殿と、美しい黒髪の少女、かわいらしい兎や亀や不死鳥。
そして「絵本でも、本でもない!なんだこれは?」という驚き。
その時のことは今でも鮮明に覚えています。

実はずっと大好きながらにしばらく手塚作品とは離れていて(何冊かは持っていましたが)、つい最近「作品のラインが漫画みたいだね」と言われて、はっと思い出したこの一冊の本。

作品として初めて制作した、”Pinna”というジュエリーシリーズも鳥の羽がモチーフ(正確にはモチーフの一部)となっており、なんだか火の鳥との出会いを意識せずとも形にしてしまった感じだなあ…と改めてあの時の感動を思い出しています。

2.

浪人生活を送っていた頃のことです。
私は3年浪人をして藝大に入学できたのですが、1年目は地元・福岡で浪人し、2年目からは東京の予備校に通いました。
東京に来てからカルチャーショックはいくつもあったのですが、ひとつ大きな出来事として、予備校の先生がとあるコンテンポラリー・ジュエリーのギャラリーを教えてくれたことがあります。

そしてそのお店を通して知ったのが、その時からずっと世界でいちばん大好きなジュエリー作家、Felieke van der leestさんと、その作品たちです。

動物のおもちゃのフィギュアと、ニットと金工の精巧な技術を用いて作られている彼女の作品たちは、カラフルで楽しくてユーモアもたっぷりで、写真を見ているだけでもとても幸せな気分にさせてもらえます。

Felieke Van Der Leest: The Zoo of Life: Jewellery & Objects, 1996-2014

コンテンポラリー・ジュエリーとは、従来の貴金属を中心とした装飾品としての価値だけでない、新しいジュエリーの在り方を提示したもの。

一見既成概念を壊す自由な表現でありながら、「作品は身に付けることができる(=できなければならない)」という制約があるところが面白く、その再解釈には作家たちの個性が出てとても楽しめます。
私は元々ファッションに興味が強かったこともあり、受験勉強の傍ら様々な本を読んだりウェブサイトを覗くことに夢中になり、将来はジュエリーで自分なりの表現をしてみたいと思うようになりました。

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あの時の私のように、誰かが心から楽しんだり、考えたり。
ひとの心が大きく動く作品を、いつか作れるようになりたいと思っています。

最後に展覧会のお知らせを。

私事ですが、12/4,5,6の三日間、3331 Arts Chiyoda にて開催の「New Jewelry 2015」にTomoe Nakamichiとして出店します。ジュエリーブランド、雑貨ブランド、フード、などどれも面白そうなお店が勢揃いのイベントです。
三日間とも店頭に立ちますので、よろしければお気軽にお声掛けください!

[ New Jewelry 2015 ] website

3331 Arts Chiyoda メインギャラリー
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
Tel. 03-6803-2441

2015年12月4日(金) 16:00-20:00
2015年12月5日(土) 11:00-20:00
2015年12月6日(日) 11:00-19:00

そしてそして。ご存知の方も多いとは思いますが、
12月27日まで、東京都庭園美術館でコンテンポラリー・ジュエリー界の巨匠「オットー・クンツリ」氏の展覧会が開催されています。
東京都庭園美術館 > Otto Künzli
と〜っても素敵な展覧会です。まだという方、「コンテンポラリー・ジュエリーって?」と思われる方・・・
ぜひぜひ行ってみてください!