2/8 ルーヴルのこと、かおりより

管理人室の往復書簡

ルーヴルのこと見てみたよ。
4月終わりから盛岡、仙台、福島をまわるんだね。
地震以来海外からの美術品の貸出がとりやめられたりアーティストが来日できなくなるケースが多くあって、仕方がないなと思いつつ残念な気持ちにもなったからこれはなんだか嬉しいね。
芸術のようなことに触れてうまれる何か、のことも願わずにはおれないけれどなによりこうしてルーヴルほどの大きな機関が被災地に関心を向けて繋がろうとしてくれるこの態度が心強いなあと思う。
このころ自分がどこにいるかが分からないけれど、もし身動きできるならぜひ行きたいな。
ちょっと何か計画しよっか。
 

ルーヴルと出会い、といえば。
6年前くらいにドイツにちょっとだけいたときにね、友だちが自分のお兄さんがフランスの小さなギャラリーで個展をやるから見てくれば、って言ってくれたからフランスに寄ったのね。
ギャラリーではそのお兄さんに会うことはできなくて、まあせっかくフランスに来たしということでルーヴル美術館に行ったの。
ルーヴルって2日がかりでも見きれないくらいたくさんの美術品があって会場もびっくりするくらい広いから、3時間くらいかけたけどほんのさわりしか見ることが出来なかった。
でね、とある曲がり角で、ふと日本人をみかけたの。
もしや、と思って声をかけたらそのお兄さんだった。
なんとなく似ているなあと思ったけれどまさかこの広大な敷地の中でたまたま出逢うと思わなかったし、実際その友だちである弟さんとも2回くらいしか会ったことがないからよくお兄さんかもしれないと声をかける勇気が出たのかわからないけど。

不思議でしょ。
ルーヴルのこと考えるといつも思いだす。
 
 
そういえば『パリ・ルーヴル美術館の秘密』っていうドキュメンタリーみたことある?
ルーヴル美術館の裏側のことを紹介してるビデオなんだけどね、面白いよ。
あんな大きな絵をどうやって搬入するのかなとか、そういうことを全部見せてくれる。
地下への秘密のエレベータがあったり壁がぱかんと開いたりあんなところにスイッチがあるんだ!ってびっくりしたりできるの。
急病人のための救護訓練とか火災訓練とかもやってるんだよ。

裏方で働くひとたちの所作をずっと見ているだけでも飽きなかった。
日常に流れている目的のある所作より面白いものはないのかもしれない、と考えると自分がつくりだそうとする踊りのようなものってとても軽くて嘘みたいな気がしてくる。
つくりだすことやつくりだされたものは好きだけど、現実の前でどうあれるか、ってことを忘れちゃいけないなと…すぐに踊りのことに結びつけちゃうんだけどね。

彫刻がスタッフの手で設置されるシーンがあって、彼らはビニールとか梱包材にからだ半分包まれたりしながら、何故か少し幸せそうに見えた。
まだお客さんが来る前の準備をしている彫刻たちが朝日に照らされて呼吸を静かに整えているような様子は、とてもとてもうつくしかった。

もしかしたら芸術品そのものよりも、そこにかかわるひとのことに気持ちがシフトしているのかもしれない。

ルーヴルのことばっかりになっちゃった。
長くなったから今日はこれで送ります。