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庭師通信4(アパートメントの誕生日に寄せて)

管理人の部屋

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5年前の今日は、アパートメントが出来た日なんですよ。
その前の年の10月に「いとでんわ」として発足した場所が「アパートメント」として生まれ変わったのが2012年の2月1日でした。
これまでたくさんの方に住んでいただいたり、訪れていただいたり、お手伝いしていただいたりして、5年も続けることができました。
本当にありがとうございます。

去年はアパートメントの管理をお手伝いしてくださる方も増え、改めて、アパートメントらしさとは何だろう?と考える時間がありました。
6年目はそのことを大切にしながら、ちょっと変身もしてゆきたいと思っています。

 
最近読んだ多和田葉子さんの本の中で「空間という容器があってそこに物が入るわけではなくて、物の存在そのものが空間なのだ」という音楽家のヴァルター・ヘンドリッヒのことばが引用されていました。
つまり、もともと存在する空間を演奏された音楽が満たすのではなく、音が演奏される/ある考えが浮かぶということは、そのもの自体が空間を生み出す、空間になる、ということなのだそうです。

これを読んだ時に、アパートメントのことを思い出しました。
建築物としてどこかに建っているわけではないアパートメントですが「ある考えが浮かぶということが空間を新たにつくる」ということであるならば、まさに住人のみなさんは、ご自分の根に潜り、過去を旅し、感覚を結実するということでこのアパートメントに空間/お部屋を作っているのではないかというふうに思います。
そしてそれを読みに来て下さるみなさんが、またその空間を色付け、膨らませ、もしかしたら新たな空間をつくっている。
この5年間アパートメントは、そんなふうにして増築されていったのでした。

ひとつひとつの部屋が豊かにそこにあり、ときどき触れ合ったり変化していったりする場所でありたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

アパートメント庭師:朝弘佳央理

朝弘 佳央理

朝弘 佳央理

18歳から舞台活動を始める。
La Danse Contrastee、AAPA、中村恩恵、Henning Brockhaus、Nicola Wendelの作品等さまざまなプロジェクトにダンサーとして参加。
振付家としての主な作品には「輪郭」「Beads」「夜弓」「誰もいない部屋-chambre sans personne-」「隙間灯りのもつれる-L’écume des lueurs」などがある。
現在はパリを拠点とし、役者・彫刻家・建築家などジャンルを問わず、さまざまなアーティストと共に作品づくりを行う。
2010年からは写真家としても活動。
2011年にウェブマガジン・アパートメントを設立。

Reviewed by
朝弘 佳央理

アパートメントの5回目の誕生日、Facebookにちょっとご挨拶を書こうかな、と思ったら思いの外長くなったのでコラムとして掲載しました。

始めた当初の「いとでんわ」という名前もとても好きだったのですが(一対一で直に繋がってお話をするという感触がとてもいい)リニューアルをしたときにこの場所を「アパートメント」と名付けて本当に良かったなと思います。
ひとつお部屋をお貸ししますから何かをしてください、私たちにそのことを見せてください。
「みんなの日記を読みたい」という感覚から始まったから、以前は全員のコラムを読んで全部に感想を書いたりしてあっぷあっぷしたりしたこともありましたが、今はかぶりつきで見ることは止めて、102号の○○さん今日も描いてるねえとか518号の○○くん彼女できたっぽい、とか、ご挨拶がてら遠くからふんふんとしている感じです。
なんだか音無響子さんというよりはこのアパートメントに飼われている猫みたいな感じなので、庭師通信じゃなくって猫メモ、とかがいいのかもしれない。

毎日更新されるアパートメントですが、それだけ記事がトップページからすぐに消えてしまうということで、そのことがずっと気にかかっています。
あの記事もあの記事も面白いのに、いったいどれだけのひとに届けられたんだろう?と。
今年はそのあたりを、どうにかしたい、それからこうして他の住人さんが書いて下さる紹介文も、Facebookの大波にただ埋もれさせないようにするつもりです。

書いて下さること、読んでくださることが何よりの励みになります。
これからもどうぞ、アパートメントを楽しんでください。

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