落ちる砂、前から見るか?横から見るか?後ろからも見えるでよ〜。

長期滞在者

初音ミクではなく、本人バージョンの「砂の惑星」(by米津玄師)が
ずっと頭の中でヘビロテ再生中の今日この頃、すっかり寒くなりました。
ヒートテックのパッチが手放せません。寝るときの毛糸のソックスも必需です。
米津玄師といえば、DAOKOとの「打上花火」も菅田将暉との「灰色と青」も
なかなか良いです。好きです。
そういう意味では「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が
気になっているところですが、未だにベルギーで公開されるという情報はないので、
いつみられることになるのやら、ジレったいものです。
何しろ岩井俊二の原作で、シャフトの新房昭之が総監督という夢のような
コンビネーションですから、この二人が手がけた作品が
大好きなぼくとしてはジレもするというものです。
まぁ、いずれCrunchyrollあたりで配信されるにしても、
ジレてそれが早まるわけでもなく、
ひたすらひたすら楽しみに待つことにします。

さて、先日、ブリュッセルで催された
「アーバン・リチュアルズ・フェスティバル」という
二日間の音楽イベント(主催Recyclart)の会場、
Les Brigittinesという劇場のエントランスホールで
新しいインスタレーション作品を発表してきました。
昨年10月に発表したレゴリス(Regolith)という作品の
新バージョンで、それと同様に今回も砂を使った作品です。
題して「レゴリス2」w
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写真のように、ガラス張りの壁面に沿って、
用意した三角柱の木箱を5つ配置し、
吊り下げた二つの箱に砂を満たして、
そこから真下にある同型の木箱の上に設置した白い壺に向かって
その砂が落ち続けるという構造です。
そして中央の木箱には花をいけた同色の花入れがあります。

こういうのはあまり意味を考えながら作るものではなくて、
多分こんな風にするとかっこいいだろう、という感じで進めていくのですが、
出来上がってから、いろいろな人の意見や質問に応接していると、
いろいろな意味が、なるほどなぁ、という感じで
後になってから浮かび上がってきます。

確かに、「レゴリス」というタイトル自体、
「月の砂」をイメージしたものなので、
全体的に白っぽい色で統一しようとしたり、
三角柱の側面の長方形の縦横の比率を
「2001年宇宙の旅」のモノリスのそれから借用したり、と、
何かしら月的な雰囲気を使って作品をまとめようとする気分が意識されていたり、
この壁面で巨大な床の間のような空間を作ってみたら面白いだろう
というふうに意図されていたり、ということはあっても、
この作品が「〇〇〇〇という意味を表現する」という意志のようなものは
全くないので、やっぱり作品の意味は後になってからわかるのだなあ、
と再確認しました。(こういうのは舞台作品でも同様でした。)

つまり、もともとはそんなこと考えてもいなかったのに、
「落ち続ける砂が未来へと過去へとの二つの時間の流れを象徴し、
垂直に立つ三角柱が直立する人間が独立しようとする
その自由への意思と孤独とを仄めかし、
砂を溢れさせながら埋まっていく壺は人が時間に埋没していく姿を、
そしてその間にある花が生けてある花入は今を生きている人間の姿を、
そしてさらにもう少し細かく見れば、花入は身体を、そこにいけられた花は魂を
それぞれに表していると言える」のかもしれないなぁ、見る人によっては。
とかなんとか、そういう意味を見出したりするわけです。

もちろん、どの意味が正解だというわけではなくて、
このほかにもいろいろな解釈を観客の人たちから聞きましたし、
それぞれの解釈によるそれぞれの意味がそれぞれの人によって、
納得されればそれが正解なのでしょう。

中には、溢れ出る砂を見て、老子の道徳経にある、
「持して之を盈たさんとするは、其の已むに如かず」
を思い出したという人もいて、その意見にはさすがにびっくりしました。
道徳的なことなんて考えてもいませんでしたからw
が、そう言われてみればそういう風に見えもするなあと
思えてしまう自分の優柔不断さがなかなか頼もしくもありました。笑

ということでひと段落しましたが、
安請け合いした案件が来年早々にまたお披露目になる予定なので、
気の休まる暇がありません。
そして、この文章が公開される頃にはもう師走ですね。
師匠が走ってるくらいですから、ぼくも走りましょう。
いや、ほんとやばい。時間足りるのかな。準備できるのか。
とりあえずは走ってみるしかないですね。
あれです、あれ。般若心経のアレ。
ギャーテイギャーテイハーラーギャーテイ
ハラソウギャーテイボージーソワカーですね。
「ゴーゴーレッツゴー突っ走ってるやつに幸あれハレルヤ!」
みたいな意味でしたよね、あれ。
あれモードで今月は生けたらいいなあ。

では。