“里帰り”でのやりとり。

長期滞在者

ハヤト 以下、弟” 今日どっか行ってきたの?
タカヒロ 以下、僕” 映画観てきた。
弟” 映画観てきたんだ?(笑
僕” あのーなんだっけ。莇平?だっけ?
ケンサク 以下、父” ほら、牛の本出したがあったっけろ?
弟” 牛の本?
父” なー知らねっけっかな。
僕” 莇平の小学校って牛飼ってたのってわかる?ハヤトたちの年代じゃねーんだよな。
父” 牛の本出たっきゃーな。「元気」に「もぐたん」に「つよし」に。3匹の新入生だって。
弟” あーなんとなくわかるかも。それが映画になったの?
父” うん、26年間追って、ドキュメンタリーでそ。
僕” それがきっかけで獣医になった子がいて
弟” あ、なんかやってたな。獣医を夢見たなんとかって。
父” 上越いらあって。
弟” あ、それ上越のはなし?
僕” うん、松代と。
父” 全部一発で受かってそ。
弟” 受かって?
父” 受験。高田高校下宿してそ。
僕” 開けるよ?(出前の寿司の蓋を開ける
リョウコ 以下、母” ビール持ってきて。
父” おう。
弟” 獣医になったの?
母” もう子供2人いてそ。
弟” あ、みんなで行ったの?
僕” そうそう3人で観に行った。おれ、寄宿舎に泊まってたじゃん。
弟” 中学校でしょ?
僕” うん、おれのいっこ下なのよ。
弟” あ、その人?
僕” うん。おれもちっちゃい頃の映像みてわかって、「あ、あの子だ」って。
弟” へー、てことはおれらの2こ上か。
僕” 寄宿舎泊まってなかったら知らなかったくらいの子なんだけど。あの時そんなこと考えてたんだなあって思うと感慨深いものがあるよね。
ハク 以下、甥” ファンタ!ファンタ!
クミコ 以下、嫁” 水がいいっていって水買ってきたんでしょー。
甥” あ、みじゅ。みじゅちょーだい。
僕” 水が好きなんだ?
嫁” 今日めだかの水汲みに行ったから。
甥” あかなーい。
僕” ちょー喋るようになったね。
弟” 喋る喋る。誰に似たんだかちょー喋る。
甥” おいしー!
母” よかったね。こっちまぐろもあるよ。
父” ゆっくり食べろ、ゆっくり。
弟” 映画なんてクミと行ったことないよね。
嫁” ないね。それ食べちゃいな。
甥” やだー。
嫁” 醤油ついてるから。じゃここ、ここ、ここ。パパのお口ん中入れて。
甥” やだー。
弟” じゃここに入れな。
甥” はい。入れちゃった。もういっこ!
弟” 食べるんだろうね?
嫁” 食べないでしょ?
甥” 食べるよー。
弟” それ嫌いじゃん。
甥” 嫌いじゃないよー。
嫁” それで終わりだよ。

僕” 暗い?
父” ん、冬子に送ろうかと思ってそ。はい、たか。お母さんこっちむいて。なーもっとこっち出さんきゃ。
僕” 誰に言ってんの?
父” お母さん。

(カシャ

父” よし。
母” 貝の味噌汁食べる?
弟” うん、食べる。
父” なーほしゃ6日に来てくれ。
弟” 4月?なんで?あー、ベト積み?
父” うん、おれその間にあれ作ったり、、
僕” たんぼ?もう雪消えてるんだ?
父” 第2に蒔くんだんがそ。お母さん第3に手術だし、第2に入れちゃう。
僕” あ、もう決まったの?4月の第3?
父” うん。
僕” あれ、納骨は?
父” 納骨はまだ。この前行ったらまだできてなくてさ。どっちにしろ、あっちは雪消えないと骨持ってこれねんがそ。
僕” あ、そっかあの墓から出すんだ?あこ骨入ってたんだね?(笑
弟” 入ってるでしょ(笑
僕” 入ってないって噂あったじゃん?
弟” あった?(笑
父” みんなまとめて袋ん中入れてあらーだ。
甥” スリッパ!
嫁” スリッパ履いてきちゃだめ!
母” ハク、これきっちゃねにゃーぞ。
嫁” ハク、貝。
甥” ハク、貝好きだー。

(メールの着信音

父” あ、冬子からだ。
母” 仲がいやー。
弟” 冬子さんと?
僕” 向こうの家でも噂になってるんもん(笑 ブラコンだとか言われて(笑
弟” 仲良すぎるって?(笑
母” ほんと仲いいんだよ。男と女ってがにそ。
僕” だからじゃん?男同士だとあんまね。
弟” そこまでメールしたりしないしね。
母” いっつもメールしてるよ。あれだってゃあメール送り、あれだってゃあ写真送り(笑
弟” ま、いやーね。
父” なにがあ?いやあな、別に。仲悪りーより、ねぇ?妹だんが。
弟” まあね(笑 これってお母さん漬けたの?
母” うんん、買ってきたやつ。
父” お母さん漬け物下手だんがね。うんまくね。
僕” 失礼だ。
弟” お父さん食わねーじゃん。
父” 漬け物好きじゃね。
僕” そうなんだ?漬け物うまいよねー。よくお茶飲みしてたもんね。
弟” 9時からだっけ?
母” いっつもお茶飲みしてたんがね。
僕” 友達に言うとすごい不思議がられる。
母” そーいが?
僕” 夕飯食べて、しばらくすると始まるんだよね(笑 「お茶飲みするぞー」って。
弟” そうそう、なんだったんだろうね、あれ(笑
父” やっぱり、家族の絆が、、
弟” お父さん寝てたんじゃね?
僕” お父さんいた記憶ないよね?
弟” 酒飲んで、風呂入って、8時くらいには寝てたんじゃなかったっけ?
母” ばあちゃんいたよね。
父” ばあちゃんはみんな寝なくちゃ寝ないばあちゃんだったんが。
僕” ばあちゃん長起きしてたね。
父” 「ねら先寝りゃーれ」ってよく言われてそ。
僕” 内職してね。
父” がんばったばあちゃんだっけなあ。小さい頃からね。でも、けっこう生きたからね。悲しんでもしょうがねーしそ。
弟” 今でも目に浮かぶ、パってやるやつ。
僕” あー。
弟” 目に浮かぶんだよね。
母” パってね、ふざけてらーそ。
僕” 最後、入院した時やってたよね。
父” やってた。
母” 入院してた時?
僕” おれとお母さんとお父さんで見舞い行った時。お父さんがなんか言ったんだよね。「おい、元気か?」みたいな。そしたらパッてやったんだよね?「今やったね」って、、お母さんも話してたじゃん(笑
父” で、みんなが来たねって言ってそ。あん時、最後に繋がったんがね。だから良かったーそ、最後みんなに来てもらって。
僕” ほんと良かったよね。
弟” 「もう駄目んがーろ?」って言ったよね。みんな休憩室みたいなとこにいて、おれと、お父さんと、冬子さんがいて、、お父さんが「大丈夫だってがそ」って言っても「もう駄目んがーろ」って。あー今正常なんだなって。
父” あれから40日生きた。
母” あれから家帰ってきても悲鳴あげなくなったんがね。
僕” その体力もなくなったんだろうね。
父” 24時間言ってたんがね。あーだの馬鹿だの。
僕” お母さんになんて言ったんだっけ?「でっけー顔して怒って」だっけ?(笑
母” あん時は可笑しくて笑っちゃったんがね(笑
父” あの声があん時やだったけど、今は懐かしくてね。
僕” まあね。
母” デイサービスみんなが迎えに来てもらってるの見ると、ばあちゃんもあっけんして迎えに来てもらってたっけなあって思うんがね。
弟” 忘れなきゃいんじゃね。
母” ハヤトお彼岸のとき花買ってきてくれたんだよ。
弟” やっぱ自分が世話になった人だからさ。亡くなった仏壇じゃん、ばあちゃんがさ。
父” 世話になったんがね。
母” みんな世話になった。
弟” 思い浮かぶからさ、顔が。それだと思うよ。だって今まで知らないわけじゃん。おじいちゃんも知らないし。
父” なーじいちゃん知らねんがね。
僕” おれも知らない。
弟” そもそも先祖が曖昧だもんね、うち。
僕” じいちゃんから先って全然知らないもんね。じいちゃんのお父さんの話とかって聞いたことある?
父” 聞いたことない。
弟” そもそもなんで五十嵐なんだろうね。
僕” ばあちゃんの苗字ってなんだったの?
父” 佐藤。
僕” 佐藤なんだ。本家はどこなの?
父” 杉林。
弟” え、そうなの?だって杉林のじいちゃんとばあちゃんは従兄弟なんでしょ?
母” 杉林のじいちゃんの親が分家にでたーそ。
僕” え、じゃその大元はどこ。
父” 大本家は梨木そ。
僕” 燃えた家の?
弟” 神社の下の?
父” そうそ。
僕” だって全然付き合いないじゃん。
父” ねーこてゃあ。こっちは五十嵐だし、あっちはやんぶらだし。
僕” やんぶら(笑 懐かしい(笑
弟” え、五十嵐ってどっからきたの?あ、おじいちゃんか。
父” じいちゃん養子だんがね。両貰い。
僕” え?
父” 両貰い。
母” ばあちゃんもじいちゃんも養子だったの。子供がいなかったーそ。だっけそこの家のそのしょが戦争で死んじゃったーそ。
僕” どこのしょが?
母” 丹保のこのしょの、、血が繋がってねーでも。
僕” どのしょのこと言ってらん?(笑 全然わかんねー。
母” だっけこのしょの、、
僕” このしょって誰?(笑
母” うちのばあちゃんの姑ばさ。の、子供が戦争で死んだが。で跡取りがいなくなった。そしてそのしょの親戚だったみたい、じいちゃんは。
父” 東京にいたが。墨田区に。だから生まれは東京さ。
母” で、そのじいちゃんはおやけの姉をもらったーでも、死んだすけ、丹保の跡取りも死んじゃったし、独りになったすけ、丹保に来たわけそ、それからいっときしてばあちゃんが来たが。だから両方入ったってことそ、丹保に。
弟” じゃやっぱりじいちゃんが五十嵐だったんかな。
僕” 丹保は元々あったの?
父” 丹保の本家はいけんしりそ。
母” いけんしり。となりの大本家がいけんしりそ。
僕” だめだ、ややこしい(笑
父” ばあちゃんも昔は横浜でお手伝いしてたってよく言ってたっけね。
僕” 誰?
母” ばあちゃん。
父” 横浜のだいじん病院の医者の家政婦だった。だからよっぽどいい生活してたらしい。
僕” そうなんだ。
父” ないで戻ってきたーろーね?
母” だって、たらかさんたってゃあだね。親に。都会は米がねーっけ、食べらんねーけら悪りってゃあでそ、こっち来りゃみんな百姓してるろ。だっけ、親が危篤だってそったーっけかな。
僕” あーなんか聞いたことあるなあ、それ。
父” 横浜いりゃあどうなってたーかね。横浜いりゃあおれは生まんねっけんがね。おれが生まんねってことは、ねらも生まんねってことだ。
僕” そりゃそーだ。
父” クミコにも会ってねーしね。
母” ハクにもね。
嫁” この子に会うのは奇跡に近いよね。
僕” だってお父さんが生まれてねーのに(笑
弟” ハクがいるのが奇跡だからね。
嫁” よく言ってる。この人が離婚しなかったら生まれてないからね。
僕” まあね。
父” そらそーそ。ハクはうまくやったーそ。
僕” うまくやったな、ハク(笑
父” ハク。ほら、ハク。こっちきて爺に抱かれってが。
僕” 全然懐かないけどね(笑

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