「あなたと共に笑い合える日々を、私は守っていきたいです。」【ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:」(2016年3月16日リリース)】

長期滞在者

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この部屋の居心地が良くて、帰ってきてしまった。

当番ノート、第24期として、2015年12月から2016年1月にアパートメントに滞在した。
その日々は、私にとって、これまでの自分の生き方を振り返る大切な時間となった。

そして、数多くの新しい出会いが生まれた。
私はそれが本当に嬉しくて。

あなたともっともっと、好きな音楽の話をしていたい。
私は心の底から願ったんだ。

絶え間なく流れ続ける毎日の中で、
せめてこの部屋で共に過ごす時だけは、
私たちの大切な味方である音楽と心ゆくまで愛し合えるように。

そんな時間を、あなたと一緒に過ごしていきたい。

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この曲を聴いていると、どうしたってあの頃が蘇ってくる。

2004年に発売されたアルバム『ソルファ』に収録されていた「Re:Re:」が、
2016年3月16日にシングルとしてセルフカバーリリースされた。

私は、TVアニメ『僕だけがいない街』を楽しみにしていて、
初回放送を見ていた時に、この音源を初めて聴いて、ぽろぽろと涙が零れた。

あぁ自然に私の記憶の傍にあった曲だったんだと、はっとした。

作品の中で主人公が、事件や事故など、
悲しいことを防ぐために、大切な人を救うために、時を戻っていくストーリーと被さるように、
この曲を聴いていると過去の自分の日常が浮かんでくる感覚に、心が震えた。

『ソルファ』を聴いていた頃から、だいぶ時を経た今。
周りを見渡してみると、思ったよりもあの頃を共に駆け抜けた仲間が近くにいることに気づいた。
それぞれに個々の道を走り、お互いの人生は自然に交差し続けている。

もちろん、その日々は簡単ではなかった。
でも、なんとか、生き抜いてきた。

2016年3月11日。
私は、映画『僕だけがいない街』の試写に行った。
頭の中には、まだ発売前だったけど、この曲がずっと鳴り響いていた。

試写に行く前に日比谷公園に立ち寄った。
そこにあったのは“ちきゅうすくい”。

金魚すくいのように、あみを使って“地球”をすくう。
私は一つだけすくえた“地球”を手に、ちきゅうすくい屋さんのお兄さんに、
「この地球を、ヨルダンに連れて行くね」と話した。

その時まで、シリア難民の現実を自分の目で見て知るためにヨルダンに行くことは、
ほとんど誰にも話していなかった。
だけど、ぷかぷかと浮かんでいる“地球”を目にした時に、
ふとその事実を声として、言葉にしたくなった。
そして、自分の声で語ることによって、自分の覚悟をさらに確固たるものにしていた。

ヨルダンに行く前。街を歩いていてよく考えていた。
例えば、今回の渡航費も、このお金を使えば、おしゃれができたり、
自分の生活を満たすために使えるのに、なぜ、私はヨルダン行きに使うのだろう?と。

誰から頼まれたわけでもないし、
難民のことを考えなくても生きてはいけるだろうに、
なぜ、私は行くのだろう?と。そこには、大丈夫だろうか?という怖さも、もちろんあった。

でも、私はそこに行かなくちゃいけない。
ただ、それだけが行く理由だった。

私が手にした“地球”は、ヨルダンで常に背負っていたリュックサックに入れていた。
そして、一人のシリア難民の男の子に渡した。
彼は、地下室のような、窓が無く、陽の光が差し込まない部屋で暮らしていた。

彼が、“地球”を手にした瞬間の瞳の輝きを覚えている。
それまで硬かった表情が少し緩んで、その小さな手のひらから“地球”をポンと投げた時に、
ふっと笑顔になった。

私はその時、“地球”を連れてヨルダンに来てよかったと思った。

日本に帰ってきてからも、彼が生活をしている部屋の景色が、
ずっと頭から離れない。

いつか彼が、あの部屋の扉を開けて、
自由にこの地球上で生きていけますように。

そして、もしも彼が、“地球”を手にした日を振り返ることがあれば、
その時はどうか、あの時以上のほほ笑みが訪れていますように。

【ラジオDJ武村貴世子の曲紹介】(“♪イントロ〜1分15秒〜1分39秒”に乗せて)

2016年4月。再び私はここからあなたに音楽を届けていきます。
あなたの日々の中で大切にしている音楽、私があなたに聴いて欲しいなぁと思う楽曲、
音楽と言葉で、あぁ今日はいい一日だったなぁと思えるような、
そんな時間を一緒に過ごしていけたら嬉しいです。

さぁ、そんな再会の一曲目は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。

2004年リリースの2ndアルバム『ソルファ』に収録されていた「Re:Re:」が、
セルフカバーとしてアレンジも新たに、
2016年3月16日、シングルとして私たちの元に届きました。

私は発売日の朝すぐに買って、もうずっと聴いていました。
聴いていて、歳を重ねるっていいなぁと思ったんですよね。
あの頃から今日まで生きてきたからこその音が、私の心には凛と響いてきました。

先日、私は、シリア難民の現実を自分の目で見て、心で感じてこようとヨルダンに行ってきたのですが、
その時も、この曲は、私の頭の中でよく鳴り響いていました。

世界の現実を目の当たりにして、私は今もずっと考え続けています。
葛藤も、痛みも、戸惑いも、疑問も、
まだどう言葉にしていいかわからないくらいに、いろんな思いがあります。

ただ、今言えることは、
自分の大切な人を守るためにも、世界のことを知ることが大事なんだと思いました。

これからの未来がもっともっと輝いていく。
そんな予感も感じさせてくれるこの曲に、明日への願いを託して。

いつか振り返った時に、そこには必ず笑顔があることを願って。
あなたと共に笑い合える日々を、私は守っていきたいです。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「Re:Re:」