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気付いていないだけで優しい目隠しをされてる?

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soreigai
「自分」と「それ以外」に思えてしまうのはなぜ?
   
   
   
4-3
薄い層の積みかさねで息がしづらいのかな?
   
   
   
2-3
囲まれていたいと思うのは変かな?
   
   
   
1
気付いていないだけで優しい目隠しをされてる?
   
   
   
4-2
4
深い時間に溶けて、陽を浴びると戻る これっていつまで続くの?
   
   
   

   
   
   
3
そのままを伝えるって一生無理なのかな?
   
   
   
1-4
無意識で浴び続けている?
    
   
   
5
思い出すたび貫いていく思い出?
   
   
   
1-3
受け止めきれなかったものも何かになっていると信じていい?
   
   
   
2-2のコピー
一人でバランスを取ってると思い込んでたの?
   
   
   
3-2
3-3
僕はどんな風に記憶に変わるの?

わかばやしまりあ

わかばやしまりあ

描いたり食べたり生きたりしている

Reviewed by
さかいかさ

また例の万有引力に敗れた“?”が彼のところへ飛んでいく。
やれやれと彼は面倒くさそうに足を上下に高速運動させる。
かの有名な相対性理論を使うつもりだ。
彼の足は高速から光速へ。
光のスピードを優に超えてもう僕の目には見えない。
ここからは彼から聞いた話だ。
高速運動によってゴム人間のように間延びした彼の時間は、ほぼ永遠と言っていいような波止場へと到着するそうだ。
そこで小説を読んだり絵を描いたりピアノを弾いたり、できるだけリラックスした時間を過ごす。
そうして時間をつぶしながら、だんだんやることがなくなっていく。
時間だけがブクブクと膨れていき、ヒマでヒマで「あぁ、もう寝るしかない!」と思った時、彼岸の向こうから白い伝書鳩がやってくる、らしい。
伝書鳩は彼の頭上にぽとりと手紙を落とす。
「やっとかよ。遅いなあ」とぼやきながらその手紙をふむふむと読む。
そしてそれを“?”に告げる。
”?”は「良き良き〜」と言って所有者の元へと帰って行く。
それだけの簡単なことだと彼は言う。
手前の相対性理論を使うことにより、それは現実世界ではほぼ一瞬の出来事だ。
僕には見えない。僕に見えるのは彼があっさりと”?”を解決する姿だけだ。
そしてそれが彼の仕事で、僕は彼の上司だ。
彼は長いことこの仕事をしている。
朝8時に出社して、午後3時には退社する。残業は絶対しないし有給はきっちり使う。
残業続きの他の職員からはすこぶる評判が悪いが、僕は彼のことを高く買っている。
だって誰も彼のような仕事はできないし、誰も彼のような答えを導くことはできない。
そして僕が今一番頭を悩ませていることは、彼の定年退職まであと数年しかないということだ。
彼が残ってくれるよう僕は破格の条件を彼に提示している。
もし彼がいなくなったらこの世界は”?”で溢れかえるだろう。
”?”に”?”で返すことになるだろう。
誰もが答えを失い、さまよいながらやがて言葉すらも失うだろう。
「僕はいったいどうしたらいいんだ?」
この”?”が彼まで飛んでいき、希望の答えが返ってくることを切に願う。
これは大げさな話じゃない。マジもマジ。大マジの話だ。
だって世界中の”?”にサイコーな答えをプレゼントしてきたのは、、、すべて彼なんだから。

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