煙のようにまとまらないまとめ

いとでんわ 第2期(2011年12月-2012年1月)

帰宅して腰を下ろすと煙はいそいそと膝に入ってきます。身動きがとれなくなった手前、煙の顔を撫でてやりながら、私の片手ですっぽり覆うことのできるほどの小ささに改めて驚き、こんなのひとひねりで殺せてしまうよと思いが至ると、守らなければならない命が部屋にいることに末恐ろしさを感じる夜の始まりです。一方的かつ勝手に結ばれた信頼のもと安心しきって喉を鳴らす煙に対し、勘弁してくれよと思う気持ちは3ヶ月経った今でも変わりません。白旗を揚げて降参の体で朝晩水を替え飯をやり便所掃除をし乞われるままに撫でる日々。このままだとある日ドアを開けてそこに虎が寝ていても鰐が口を開けていても命があるものしょうがないねえと受け入れて世話をしてしまいそうです。
私と煙の話は今日で一区切りです。煙は昨日も今日もそして明日も飲み込んでしまったに違いなく、そこに私もいたのだから私は明日も明後日もたぶん十年後も煙を撫でているのでしょう。二ヶ月間お付き合いいただきありがとうございました。
=^..^=今週の猫本-主人公にしてほしいニャン-

天才コオロギニューヨークへ天才コオロギニューヨークへ

表紙絵を見る限りどう見ても猫が主人公です。しかしタイトルにもあるようにこの本の主人公はコオロギです。コネチカットの田舎からサンドイッチにはさまれてはるばるニューヨークまで来てしまったコオロギのタッカーは地下鉄の駅に住むねずみのチェスターとねこのハリーと出会います。駅構内で雑誌の売店を手伝うマリオ少年に飼われることになったタッカーに会いにチェスターとハリーは夜な夜な売店に出かけます。真夜中の大都会の片隅で繰り広げられる小さな会合を覗いてみませんか。
さて、物語はもちろん愉しいのですが挿絵がまたいいのです。愛嬌ある猫の顔が現れる度に目を細めてしまう私です。画家はガース・ウイリアムズ、『大草原の小さな家』や『シャーロットの贈り物』などの挿絵を描いています。『しろいうさぎとくろいうさぎ』という絵本は読んだことがある人も多いのではないでしょうか。動物らしいのにどこか人間味もある絵はそのバランスが絶妙でついつい見入ってしまいます。ガースは私が一番好きなイラストレーターです。

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