apart

第1期(2012年2月-3月)

二人の部屋ができて五日間が過ぎた。

新しい部屋に新しい住人が馴染むのにそれほど長い時間は必要ないみたいで、二人ともずっと昔からの住人のようにこの場所に似合っている。
それほど広い部屋ではない。感覚的には8畳間より少し広いくらいか。
白い壁にフローリングの床。
部屋の真ん中に白いテーブルがあって、そのまた真ん中におやつの箱。二人のノートPCが仲良く並び、きれいな花も飾られている。
黒い椅子に二人は腰掛け、それぞれ黙々とPCに向かったり、時おり他愛もない会話を交わしたりしている。

来客があると二人は立ち上がり、最高のホスピタリティをもってゲストをもてなす。
この五日間で、すでに何十人もの人々がこの部屋を訪れた。
二人のどちらか一方、あるいは両方の既知の友人であることもあるし、全くの初対面の人のこともある。
もちろん初対面のゲストでも全く問題にはならない。どのゲストも帰途につく頃には二人の友人になってしまっているのだから。

部屋の壁には二人が撮った写真が飾られている。
4列×50行、計200枚。
5日間の、二人の旅の写真だ。
部屋に入ってすぐ左側の壁から旅は始まり、壁伝いに時計回りに部屋を一周するとその5日間を時系列で辿ることになる。
上2列は佳央理さんが、下2列は良太くんが、それぞれ撮った写真。
何を打ち合わせすることもなく、それぞれが100枚ずつを選んで貼ったもの。
全てのゲストに共通して提供される情報このあたりまでで、感じ方はゲストに委ねられる。
あとは「apart」というタイトルと二人が書いた短いキャプションだけをヒントに。
でも、どのような感じ方をされても、二人はとても嬉しそうだ。たぶん何かしらを感じてもらえたというそのこと自体に。
不思議とほとんどのゲストはとても似た感じ方をするようだし、とても似た笑顔で帰って行かれるけれど。

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という感じで、佳央理さんと良太くんの写真展「apart」を開催中です。
二人の部屋に、二人に会いにきてください。二人の写真を見てやってください。
ついでに僕にも会ってください。隣の部屋にいますから。
写真展「apart」は25日(土)までです。
[apart特設サイト]

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