うまくいえないけどわたし、あなたとはなしがしたかった

第6期(2012年12月-2013年1月)

あこがれているものがある。
きっとこれからもずっと変わらないもの。

信じつづけているものがある。
ときどきわたしを悲しくさせるもの。

水をたっぷりと含んだ空気の手ざわり。
土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。
きのうの雨は晴れた空をいいなとかんじるためのヒント。

「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、
わたしがほしいものになんだかよく似ていました。

( すこしだけ、わたしの話をさせてください。 )

いろんなことをかんがえます。
いつでも触れられるわたしのこと。
画面のむこうにいるあなたのこと。
ライカが行った宇宙のこと。
とまらない世界のこと。
とほうもないこと。
はてしのないこと 。
そう、いろいろなこと。

たよりない呼吸の繰り返しをループさせて
まんなかに引きよせた世界に わたしは
ずずんと沈んだり、どこまでも感動する。

そして、あおい地球のほとんどは海
まっしろな雪を掘り返したら赤いマグマ
わたしにはいけない不可侵の領域
そんな場所がのこることを想像すると
なんだか 人間っていうやつは
悲しいくらいちっぽけになってしまう。
いくら傲慢になっても かわいい人間。

マントルまでいけることはないし
銀河のはしっこまでいけないけど
いまもそれは確実に ある。
ずっと とおい なにかをおもう。

わたしがちっぽけなのは
わたしがおおきな流れの中の一粒の砂だからだ。
あなたがちっぽけなのは
あなたがピース・オブ・宇宙だからだ。

わたしはちっぽけではない。
あなたもちっぽけではない。

わたしだけでは、
あなただけでは、
わたしたちはちっぽけになれない。

知らない誰かがいう安いしあわせ
世間がゆるさないちいさな悲しみ
そんなものがわたしを支えるすべて
それっぽっちがあなたを生かしてくすべて

そんなときに「なにかつたえたい」と思います。
たいせつでだいすきで仕方のない人たちに。

それでもうまくいえないことがある。

かなしいこともかなしいと、 うまくいえない
うれしいこともうれしいと、 うまくいえない
ほんとうのことをほんとうはね、いつもいいたい

それがわたしのよわさなのだろうな
それがわたしのかなしみなのだろうな
それがわたしのたたかいなのだろうな

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はじめまして、こんばんは。
とまべち みお と申します。

わたしのことを話そうと思ったのだけど
やっぱりうまくいえないみたいです。
笑顔でごまかします。えへへ。

わたしがどこから来たのかとか
年はいくつなのかとか
すきな音楽のことや
何のバイトしてるのとか
あなたとわたしの間にはなくてもいいし
「きみがどこのだれでもいいよ」と
会ったことも、話したことも、
手をつないだこともないあなたが
ちょっとだけわたしと、
おしゃべりしてみたいなあと思ってくれたら
それがわたしのハッピーです。

いつかは住みたいと思ってたこのアパートメント。
あこがれの場所に住むことは目的ではなく、
わたしはここに住んでる人たちと話がしたかった。
ここに出入りしたり、入らずとも窓を眺めている誰かと話がしたかった。
2ヶ月の間、どうぞよろしくお願いいたします。