実りの季節。

第15期(2014年6月-7月)

1794 穂と手

ジリジリと照らす、強烈な陽射しの八月。
暑さとともに、お米のうまみも増してきます。

日ごと、稲穂の色も変わってゆく。

暑さに耐えながら、草とりの日々。
台風におののき、強風やゲリラ豪雨にあわてふためき、害虫発生時は困り果て。
気温が上がらぬ冷夏や、日照不足の時は、田んぼの神様にお願いするばかり。

稲刈り 2388 

風にそよぎ、黄金色に実った 稲穂たちが波打つ。

ちゃんと実ってくれたこと、今年も収穫できること。

ひたひたと、感謝の気持ちが満ちてくる。

3417 西日と稲穂

九月初旬、熟した稲穂と、黄金色になった稲葉の色をみて、そろそろだな、と思ったら
いよいよ、稲刈りが始まります。

稲刈り遠景 2105-1

稲穂が熟して、ちょうどいい塩梅なのは、ほんのわずかな時間。
熟しすぎると、割れ米が多くなったり、せっかくの風味が逃げてしまったりするので、
完熟のピークを逃さぬよう、コンバインという稲刈り機が出動。
運転手は旦那。おこめやま号、オンボロの日よけ傘が目印です。

うちでは、さらなる美味しさを求めて『手刈り』『天日干し』もやっています。
鎌(カマ)を手に握って、稲の根元をザクッザクッ。
収穫の手ごたえを感じながら、一株づつ、稲穂を刈り取ってゆく。

櫂6歳 手刈り 2557
こどもにも、刃物を持たせます。
実った命をいただくことを実感してほしいから。
危ない道具の使い方を知ってほしいから。

旬を封じ込めるよう、刈り取って、その日のうちに、はざ掛けに。

太陽の光と熱、自然の風で、しっかり乾かすのが『天日干し』
お米が、一年間保管できる水分量になるまで、じっくりと。
おおよそ二週間、干し続けます。

稲藁の養分が、穂先に凝縮するように、穂を下にして。
こうすることで、風味がぐっと増すのです。

天日干し 遠景 3722

やっと干せたー!と思ったのもつかの間。
九月といえば…台風襲来。
稲穂が濡れても、すぐに乾けば問題ないのですが、強風で吹っ飛ばされて、水浸しになると発芽してしまう。
それでは、お米として食べることは出来なくなってしまうので、慌てて、田んぼ小屋に運ぶ。

この日は、夜通し。
台風の夜に
台風襲来の二時間まえに、ギリギリ運び終わりました。

お米づくりというのは、こういうことなのです。

自然が相手だから、どうしようもないこともある。
だけど、自分たちが できるだけのことをやる。手をつくす。
いいことも、よくないことも、ぜんぶ、うけとめる。

今年が、最後になるかもしれない。
いや、なんとかして、来年も田植えがしたい。お米を育てたい。

いろんな想いを胸に、稲穂が波打つ光景を、毎年、瞼に焼き付けている。

1636 稲穂 ふっくら