登熟する時間。

第15期(2014年6月-7月)

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青々とした稲粒。
花を咲かせたあと、稲穂はどんどん栄養をたくわえて、実入りします。

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八月初旬、田んぼは、一瞬、ぐっと静かになります。不思議なほど、しんとする。

しっかり実をつけるための時間。
農家は、淡々と、草をとって、水をみて、田んぼの世話をする。

写真をみると、波打つ緑は、とても涼やかなのですが、
実際、この時期の田んぼは、かなりハード。

ジリジリと照りつける陽射しと、脳が溶けるような暑さに、人間の細胞が耐えきれなくなるほど。
私も、とんでもないとこに、うっかり嫁いでしまった…と、仕事しながら痛感。
農作業がキツ過ぎて、自分の体力・気力のなさ・経験したことのない陽射しの強さに愕然とした。

見た目に似合わず虚弱体質だったので、体調を崩したり、気持ちがブルーになったりしつつ、
あがくこと、3年。

日々をなんとか乗り越えることで必死だっけけど、
気づいたら、わたしは、すこしづつ、からだが丈夫になっていた。

それは、きっと食べるものが変わったから。
そして、農業という仕事のおかげだと思う。

その後、子を授かり、日々は、さらにせわしなくなった。
彼らの存在によって、私は、ずいぶんと鍛えられた。

「じぶんが表現したいこと・作りたいもの」という仕事への執着はあったけれど、
自分にとって、家族にとって、こっち(農業)のほうが大事だ。こっちのほうが必要だ。
と、直感でわかってしまったから、心の未消化ガスも、泡のように、きれいに消えた。

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お米をたべるのが好きで、お米を育てるのが好き。
うちの旦那には、それしかない。

農作業が好きで仕方ない旦那は、暑かろうが、雨だろうが、田んぼ。

計算もなにもなくて、ただ、本能的に、すきなだけ。
しあわせな人だなぁ。と、私は、あきれてみてるだけ。

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あ、旦那じゃなくて、田の草を紹介しましょうかね。
これは、稗(ヒエ)を、ひっこぬいたとこ。

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田んぼの中、稲の足元には、色んな草たちが。
これが、コナギ。
おひたしにして食べれるそうです。

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これが、赤玉。
正式名称は、クログワイ。

これらの雑草たちが、どれほど手強いか、ここには書ききれない。
これだけ手間がかかると、正直、除草剤を撒いてやりたくなる。

でも、撒かない。

自分の家族や、友人、長くお米を召し上がってくださってるお客様のことを思い浮かべると
どうしても、撒く気になれない。
不自然な薬は嫌だ。

除草剤も、防虫剤も、撒かない。
だから、草も生えるし、虫もくる。

それが、自然なのだから。

手間はかかるけれど、体力的に、できるとこまで貫きたい。

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日に日に、登熟する稲穂。
暑さと、雑草と、せめぎあいながら、しっかり実入りして、おいしさを蓄える。
毎日、環境に揉まれ、ほんのすこしづつだけど成長して、頭をもたげてくるのです。

あ、これって、数年前の自分と同じだ。