米の花。

第15期(2014年6月-7月)

眠る稲粒

苗が、分けつを繰り返しながら育ち、稲葉になる。
そのなかに、葉っぱのような、茎のような部分ができます。 
それが、葉鞘。

「はざや」の中に、ぎっしり詰まって、眠る稲粒たち。

7月の終わり~8月のはじめ頃になると、
稲は葉を増やすのをやめ、茎のなかで穂をつくりはじめ、
お米の入れ物である籾殻(もみがら)を形成します。

やがて穂は、葉鞘から生まれでるように、外へ出て行きます。 それが、出穂。

「しゅっすい」と読みます。

殿さま

光が透けるような、美しい細胞。 
生きるために推敲され続けた、機能的な姿形。

おいしい葉を食べて、その葉の色、そのものになる。
田んぼの中、稲から稲へ、ぴょんぴょん飛び回り、すくすく育つ、殿様バッタ。
からだのなか。細胞のなか。まで、透けて見えるよう。

以前、この写真をみて、自分たちのからだの中はどうなってるんだろうね、とつぶやいた友人がいた。
そんな風に考えたことなかったけど、たしかに。

自然は、不思議だ。

出穂 8950

7月下旬、早朝や 深夜に 田んぼに行ってみる。
すると、ふんわり、お米の香りが。
あたり一面、甘い香りが漂います。 

それは、お米の花が咲く前触れ。
いよいよだよ、と 粒子が動き出す合図。

ある朝、ふっと、穂の先の方から ちいさな花が咲く。
葯(やく)から花粉が飛び出し、柱頭にくっついた花粉は発芽し、
花粉管を伸ばし、花粉の中の核を子房内の卵に届けます。
ここで受精し、お米の実が大きくなっていきます。

米の花は、午前10時頃に最も多く開花し、昼頃には閉じてしまいます。 
たった2時間ほどの、はかなくも うつくしい 花の命。

いのちをつなぐため、自然に組み込まれた連鎖。
けれど、とても神秘的な現象。

あぁ、植物には、神様が宿っているんだなぁ。と想う瞬間。