谷底本箱煙猫―ハロウィンにきえたねこ

長期滞在者

「おーい、スーパーヘックス、大きいヘックス、なみのヘックス、小さいヘックス。どのヘックスでもいいけど、いる?」(『ハロウィンにきえたねこ』より)

猫が1頭から3頭に増えたら、ここにもあそこにも猫猫猫だらけ、視線の先には必ず猫がいるような気がして仕方がない。誰かが常にうろうろし、私の視野の右から現れ左へ消えたかと思うとと突如下から現れ上へと飛び去る。珍しくいないな、と思う時には振り向くと、決まって3頭背筋を伸ばし仏像のようにじっとこちらを見ている。結局いつの間にか私のほうが猫を探して視線を移してしまうのであり、猫様にはかなわない。ここまできたら、もう1頭増やして4頭から一斉に視線を浴びてみるのもいいのでは、などと考えるこの頃です。

今回は、私が憧れる名脇役を紹介します。アメリカの幼年向け児童文学に『ぼくはめいたんてい』というシリーズがあります。9歳の男の子ネートが飼い犬のスラッジとともに身の回りに起こる事件を見事に解決していく物語です。毎回出てくる登場人物の1人にロザモンドという女の子がいるのですが、このロザモンドが魅力的なのです。黒く長い髪と緑色の目、体中猫の毛だらけ、いつも変わったことをしています。極めつけは猫を4頭飼っていて―それはすべて黒猫で名前はどれもヘックス!正確には大きいほうからスーパーヘックス、大きいヘックス、なみのヘックス、小さいヘックス。それぞれの猫にまくらを作り、毎日15分の読み聞かせをしています(もちろん猫にです)。私はロザモンドが大きいヘックスを抱えている挿絵を見た瞬間に、あ、これは私と煙猫そっくり、と思い、それからロザモンドに夢中です。そしていつかロザモンドのように黒猫を4頭飼うのです、もちろん名前はどれも煙猫にして。
『ハロウィンにきえたねこ』ではハロウィンの最中に小さいヘックスがいなくなってしまいます。名探偵のネートはロザモンドに頼まれて小さいヘックスを探しに行きます。小さいヘックスは猫を飼ったことがある人ならピンとくるある場所にいました。ただ、我が家の煙猫じゃあちょっと大きすぎで無理ですけどね。

さて、主人公のネートはパンケーキが大好物です。事件の真相を考える時はいつもパンケーキを食べています。ネートの「パンケーキレシピ」もついていたので作ってみました。では、探偵気分でいただきます!ということで、次回から猫達はしばしお休みをいただき、食べものをテーマに子どもの本を紹介していきます。

☆今月の一冊:『ハロウィンにきえたねこ』(マージョリー・W・シャーマット ぶん・マーク・シーモント え/大二本図書)

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