谷底本箱煙猫―100まんびきのねこ

長期滞在者

そこにも ねこ、あそこにも ねこ、
どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、
ひゃっぴきの ねこ、
せんびきの ねこ、
ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきの ねこ

本日は2月2日、にゃんにゃんにゃんの猫の日には2が1つ足りませんが、猫の日前哨戦といきましょう。
とかく猫好きというものは、そこに猫がいると我を忘れるものらしい。道端で寝ている猫を見つけてはしゃがみ込み、塀の上に手を伸ばし、上級者ともなれば歩きながらもちらり路地裏、あの子もかわいいこの子もかわいい、と日々やっているわけでございます。かく言う私も猫を見れば反射的に指を突き出してしまう程度には猫を愛しているのですが、路地裏の猫は気まぐれです。そこで、ハーメルンの笛吹き男の如く笛をぴょろぴょろ吹き鳴らし、猫がぞろぞろ私の後についてきてくれないかなどと妄想をする小春日和です、こんにちは。

そんな、猫まっしぐらな私達のための絵本が『100まんびきのねこ』です。おじいさんとおばあさんがいたのですが、さびしかった2人は猫が欲しくなり、おじいさんが猫を探しに出かけます。さて、たどり着いたのは猫がたくさんいる丘。その数はなんと百万匹、一億、一兆匹もの猫!おじいさんはその中から猫を1匹だけ選ぼうとするのですが、この猫もいい、あの猫もいいと決めかねて、次々と抱えてしまうのです。結局そこにいるすべての猫を引き連れて帰ることになるのですが、その後、猫達は自分が一番きれいだとけんかを始め、最後に残ったのはたった1匹、自分がみっともないからと、だまっていた猫でした。

これはいけない、大変だ。猫ぞろぞろはよろしくない、と一息ついて絵本を閉じたあと、膝の中で毛づくろいをしている私は煙猫をちらりと見て、私はこう言います。「ご飯をよこせ、私と遊べと主張ばっかりしているおまえは最後の一匹にはなれないねえ。」煙猫は一向に気にせず毛づくろいを続けます。「何を言ってるの、ふきさん。世の中に猫は私一匹しかいないじゃないの。私がその最後の一匹の猫でしょう。」煙猫はまだ広い世界を知りません。

☆『100まんびきのねこ』ワンダ・ガアグぶん・え いしいももこやく/福音館書店