当番ノート 第3期
建てようしているのか 壊そうとしているのか 2011年7月 宮城県 仙台市 迷ったときは撮らない、そう決めて行った仙台。 実際、ほとんど撮ることができなかった。 この土地を知らない者がこの土地で何かを演出するような行為に ひどく違和感を感じた。 いたるところに家や車がころがり、私道と公道の見分けもつかなかった。 どこを見ても知らない人の家を盗み見てるようでカメラをしまいかけた。 津波でどこかの倉庫…
当番ノート 第3期
クロダイは硬派で格調高い魚だ。 チヌというよく知られた呼び名からして、その響きに古語の趣きがある。そして、見た目にけれん味がない。個体による違いはあれど、色味の削ぎ落とされた身体に少し青ざめた頬、というのは概ね共通している。紅い鱗に空色の星が散るマダイや、明るい銀白色に黄色を差したキチヌのような華やかさとはひと味違う、まさにいぶし銀という言葉がぴったりの格好良さ。 幸田露伴の『幻談』という短い小説…
当番ノート 第3期
●東京電力福島第一原子力発電所の様子。撮影地点での空間放射線量率は毎時30〜90μシーベルト。写真では毎時70.05μシーベルト(撮影:畠山理仁) *** 衝撃だった。 「今回の福島第一原子力発電所の現場公開には、フリーランスの記者の方、2名も参加できます」(東京電力) おおっ! 「しかし、今回、代表撮影カメラ以外は発電所構内に持ち込めません。フリーランスの方は、構内での撮影は一切出来ま…
当番ノート 第3期
【前回までのおはなしはこちらです】 リオンを出たねこは、それから鳥の行方を探して歩きました。
当番ノート 第3期
梅雨ですね。 ジメジメしてますが、気持ちはカラリといきたいものですね。 この前、台風のおかげで家が雨漏りしてました…。 コンセントの上に水が滴っていてヒヤリ・・ 6月も最後の週、みなさまいかがお過ごしですか? 火曜日の隙間時間に読んでくださり ありがとうございます。 楽しんでいただけてたら何よりです。 私はと言いますと、 これを書いてる真夜中、 ラジオからひたすらにjazzが流れていて、 ムーディ…
当番ノート 第3期
ミウは小学校3年生です。 小3にもなるともうイッチョマエな乙女です。 だからカンナのようにアホな顔でアホなことをしたアホな写真を なかなか撮らせてくれません。 そのくせカンナの写真を撮っていると 「カンナの写真ばっかり撮ってズルい!」 「パパはミウよりカンナの方が好きねんろ!」 と言って怒ります。 こうなってくるともう思春期の女の子の反抗期以上の反抗具合です。 そこでアホなことをなかなかしてくれな…
長期滞在者
友人からの電話を受けて、改めて考えたことがある。ひとは、どれくらい痛みを共有できるのだろうか。自分が経験していないことの痛みを、どれくらい感じて、察してあげられるのだろうか。 わたしも、悩んでいる人に言ってしまうことがあるけれど、 だいじょうぶだよ、 泣かなくていいよ、 でも、よくよく考えたら、そんなこと、どの口が言えるんだろう。 大学時代、「あなたのこと、わたしは理解しているよ」という…
当番ノート 第3期
「生成りとトゲ」みたいなプロジェクトの中で 「ファッションとカメラの新しいカタチ」というキャッチフレーズがある。 そろそろ、このコトバも役目を終える時が来たかなと思っている。 写真をファッションという身近な日常の中に写真を当たり前のように存在させたい。。。 そんな意味でつけた言葉が自分自身を苦しめることになる。 ファッションという言葉を使う以上、もちろん流行と隣り合わせで自分が悪いのだけど、 自身…
当番ノート 第3期
動物でも植物でも、長く生きて年老いた生き物の身体にはその流れた時間のぶんだけの傷やいびつさが刻まれている。そこにはやっぱり凄みがある。一方で、若くて無駄のない曲線には緊張感が満ちて美しい。図鑑はたいてい、生き物に流れるそうした時間を削ぎ落とした姿を描いている(それが目的だから)けれど、実際に手に触れ、目の当たりにする生き物の姿にはちゃんと時間が流れている。 若いキチヌは、整然と並んで銀白色に照り返…
当番ノート 第3期
私と日隅一雄さんとの出会いは2010年3月。総務省が主催した「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」でのことだった。 日隅さんはその場に参考人として出席していた。そして「表現の自由」の観点から、マスメディアにおけるパブリックアクセス導入の重要性を述べていた。 当時の私は「記者クラブ問題」を取材していた。その過程で日弁連が記者クラブ問題を取り上げていたことを知り、…
当番ノート 第3期
【前回のお話と絵はこちらです】 ねこはわくわくして空港にきました。 マグロよりも、いや、くじらよりももっとおおきな飛行機が、 空港にたくさんとまっています。 でも、待っていてもなかなか鳥が来ません。 飛行機に乗りこみ、シートベルトを締める時間になっても、鳥は来ませんでした。 とうとう、飛行機は動き始めてしまいました。 羽田上空からの東京は、大田区の工業団地のコンテナが積み木みたいに小さく見えました…
当番ノート 第3期
お当番やってまいりました。 一週間て早いですね。 子どもの頃はあんなに1日が長く感じていたのに。 学校とか遊んだりとか ぎゅうぎゅうに詰まっていても 長くてたのしかったのに。 いつのまにやら日々忙殺されているなぁ。 大人の階段登ってきたんでしょうか。 階段といえば、私、中学の時に告白したんです。 はい。 小学校からずっと好きだった人に。 校舎の階段の踊り場で。 夕日が射す踊り場で。 友だちがセッテ…