当番ノート 第12期
突然ですけれど、 ラブレターというものはほんとに存在するのですか? もしかして、「そういうものがあるらしい」 という妖怪の類いではないでしょうか。 というのも、ぼくはラブレターを書いた記憶がないんです。 そして、悲しいかな、もらった記憶もないんです。 すみません、あげたのに!ってひとがいれば、謝ります、 ぼくは鈍感なので、すみません。 敏感に誤解してよく独りで落ち込んだりはしてます。 先日、あるひ…
当番ノート 第12期
クリスマスまであとわずか。 サンタさんに何をもらおうかと夢を膨らませ あれこれと悩む息子に、 「サンタさんが迷わないように早く欲しいものを決めて お手紙を書くといいと思うよ」 とアドバイス。 この時期 ものによっては品切れがあり あちらこちらと探し回ることを想定しての 日にち稼ぎだったりするのが親の本音なのだけど。 「友達はサンタなんていないよっていうのだけど 本当?」 「ママはいると思うなぁ。だ…
長期滞在者
とくに昆虫好きというわけではないのだが、カマドウマ、マイマイカブリにつづいて、今回も昆虫に登場してもらう。 上の写真は、僕の暗室の壁に架かっている巨大なナナフシの標本である。エスニック雑貨店で買ったもので、あまりの神々しさと不気味さに最初は購入の決心にいたらず、しかしその後数ヶ月煩悶して、やっぱりどうしても欲しくなって買った。写真ではわからないだろうが実は体長30cm近くあって、その巨人ぶりもまた…
当番ノート 第12期
ガン、ガン と 勢いのある音がドアの中に滑り込みました。 ひょっこり覗いた顔を見るなり 「わあああああああ」 とみみこちゃんは大きな声をあげ、 髪を爽やかに刈り上げた男の人も同じように嬉しそうに叫びました。 「久しぶり!」 「二人の交際は中学生時代、みみこちゃんが当時呼んでいた貴方のあだ名は”かっちゃん”で間違いないでしょうか。」 二人の熱気を無視するように、いつも通りねこ…
当番ノート 第12期
タバコがやめられないかもしれない話 夜中猛烈に喉が渇いたのだが、 冷蔵庫に醤油しか無かったので、俺を殺す気かと憤りながらミネラルウォーターを買いに近所のコンビニに出かけることになってしまった。 だいたい俺は東京人でもないのにミネラルウォーターを飲む輩が大嫌いで、 静岡には富士山の美味しい湧き水があるんだから水道水飲めやコラと思っているのだが、 彼女と同棲を開始してから向こうサイドの習慣に毒され、水…
当番ノート 第12期
僕は「がんばって」という言葉があまり好きではない。 本当にその人のことを思っているのだろうかと懐疑的な考えになってしまうからだ。 そもそも「がんばって」という必要があるひとは既にがんばっている場合が多い。 それなのにその言葉をかけるのは適切ではないと思ってしまう。 だから、「出来ることを精一杯やれば良い」という言葉をかけるようにしている。 そうすれば、言われたほうも気張らずに最善を尽くすことが出来…
長期滞在者
甘くみてたわ、完全に。 最初にヴァネッサ・パラディを聴いたときの第一声である。 音楽院のはなし、ではありません。 専門外の、私にとってなくてはならない存在である、クラシック以外の音楽のはなし。 女優としてのヴァネッサ・パラディは好きではなかった。 パトリス・ルコントの「橋の上の娘」があまりいい印象を残さなかったせいか、他の作品を観ても「これは」というものには当たらなかった(ルコントの映画は好きなの…
当番ノート 第12期
近ごろ絵が描けない日が続いているのです。 とくにそれが仕事だとかそういう身分ではないので、 絵が描けなくても、とたんにご飯が食べれないとかじゃないのですけれど、 それでも絵が描くのが好きなので、そういうときは辛いです。 ぼくの好きな映画で魔女の宅急便というものがあります。 そこに出てくる絵描きの女の子が、絵が描けないとき、 「描くのをやめる。散歩したり、景色を見たり、昼寝したり、、何もしない」 と…
当番ノート 第12期
自分の中に入っていくのが好きなんだとおもいます。 なので扉がひつようです。 中の世界も、外の世界も、どちらも同じくらい大事。
当番ノート 第12期
夢から覚めて 朝がはじまる 眠りについて また夢を見る 曖昧ではあるけれど 確実にそこにあった時系列を纏めた写真集「紐解く」を2012年に作成しました。 その中から断片的にいくつかの写真を。 点と点 そのあいだを埋めていく 確かでいて不確かな 曖昧な時系列 ここにあるもの その先に見える光 それぞれの一日がある