当番ノート 第25期
[男1は動きをとめる] いまね、ぜんぜん違うこと考えてる がまんしてんの? うん ははっ、 なに考えてんの? え? なんだろ、ウクライナ情勢 なにそれー? なるべく関係ないこと考えないとダメっぽいんだもん 社会派じゃん こういうの社会派って言うんだっけ たぶんね この分だと朝になるころには、どっかのコメンテーターくらいにはなってるぜきっと かもねー &nb…
当番ノート 第25期
はじめて文章を書いて本という形で世に出そうとしたときに相談に行った人は、開口一番「やめておいたほうがいいよ」と言った。「ひとたび書いた文章が世に出ると、あなたの記憶も固定されてしまう。書かなかったことは、自分の記憶からもこぼれ落ちていくよ」と。 その忠告に反して私がはじめての本を書いたのは、私が旅先で再会した友人たちの言葉を届けたかった人がいたからだ。それは「10年後、ともに会いに」という本になっ…
当番ノート 第25期
これからどうしようかなぁと、考えています。 このアパートメントの話です。 1月上旬、アパートメントの管理人である鈴木悠平君からFacebookのメッセンジャーでこの連載の話をもらいました。あのアパートメントの話しが私の元に!なんとも嬉しいお話。しかしまあ毎週書けるだろうかとか、書くのは得意ではないなー、でもやってみようかなとか、いろいろな想いが頭の中を駆け巡ったもののすぐに一周して、悠平君が今私に…
はてなを浮かべる
いっそ自分からこぼれるべき? 分断されてるみたいに思う?自分のことなのに? 発したものの受けとられ方が不安で仕方ない? (一人歩きさせる勇気がない?) ふりかかってくるものを避けるほど意志がないだけ? 湯気は泣かせ上手なのか? 隙間から覗くことをやめないほうがいい? いちいち計り直しているから面倒くさがられる? た…
当番ノート 第25期
*** 青い背表紙を撫でるのは、白く細い指。 *** 私が魔女に初めて会ったのは、私がまだ十二の夏だった。 新しい「父」と、「父」との間に新たに生まれる弟か妹を身ごもった母親の邪魔をしないために、父親の知り合いの伝てで紹介された彼女のもとにひと夏の間世話になることになっていた。 数枚の着替えと本、学校で使う教本や筆記帳だけを携えた私は街の外れで車を降ろされた。 「この地図に行き方は書…
日本のヤバい女の子
【2月のヤバい女の子/第二の人生とヤバい女の子】 ●鬼神のお松 二つの人生を生きた女の子がいる。一つめは人間の女性として。二つめは鬼として。 ---------- 《鬼神のお松》 昔々、深川にひとりの遊女がいた。名をお松といった。ある男が彼女に首ったけになり、身請けをした。男の名は立目丈五郎といった。二人は結婚し、穏やかに暮らし始めた。 満ち足りた日々は長くは続かなかった。ある日丈五郎は仙台藩士 …
長期滞在者
一体全体、おれにどんなカルマがあるというのだろう、 と書き始めてみて、ふと思う。 この「一体全体」という言葉は一体全体どうして疑問文を強調するための副詞として使われているのだろうか。 というか、なんでこの言葉がそういう機能を持たされているのか、 見れば見るほど良く分からない。 検索してみても、その由来なんかは出てないようだし、 仕方ないので久しぶりに三省堂の新明解国語辞典を引いてみたが、 期待して…
当番ノート 第25期
いちご、 好きだったな スーパーの青果コーナーで、 綺麗にパックされたいちごの前に立っている 買ってもひとりじゃ食べきれないし、 それなりに高いし ああでもひと齧りしたいな いちごいちごいちご えっとまあいいや、他のものカゴにいれてからまた来よう 肉とかたまごとか缶チューハイとか リズムよく手にとっているうちに、いちごのことなんかすっかり忘れてしまった。 …