当番ノート 第34期
今日は「家族」もしかしたら2回に分かれる気もいたしますが・・・ まずは祖母から。*百花園を主に書くので母方は今回お休みします。 百花園の七代目。江戸弁(私は違いが良く判らないのですが、どうやら言い回しが江戸弁らしいのです。)をあやつり、戦後焼け野原になり、野球場改修案が出た百花園跡地を署名を集めて再園にこぎ付けてくれた人です。大正最後の生まれ今日8月8日で91歳になる予定でした。しかし今年…
長期滞在者
7月いっぱい、長い休暇を取った。 せっかくなので、南へ向かった。 まずはカナリア諸島に飛んでビーチで日がな一日のんびりと波と戯れ、 そこから地中海に戻って、 以前から行ってみたかったマルタ島で銀細工の職人技を見学し、 そこからやきもので有名なジェンバというアルジェリアの島で リサーチがてら海の青さに身も心もデトックスな数日を過ごし、 そこからマダガスカル島へ飛んで バオバブの大木を見上げながらワオ…
当番ノート 第34期
「蒐集」と書いて読みは「しゅうしゅう」だが、僕は最近まで読み方を知らなかった。 「蒐」の字面から、コレクションの完成のために生活を省みず私財を擲ち、修羅道を往く鬼の如きコレクターの姿を想像して、「収集」とは別個の単語だと認識していた。実際は、殆んど同じ意味で使われている。(似たような勘違いをしたことのある人もいるのでは?)僕の場合、初めて見た「蒐集家」という肩書の人物の写真の形相がそうしたイメージ…
当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには膨大な無為な時間とどうしょうにもない駄作が不可欠だ。少なくとも私には。 1990年後半、私は富山県の片隅にある化学工場に勤めていた。三日働いて一日休みで勤務時間は昼番・夕番・夜番と三交代で作業させ24時間、工場は操業していた。狐色した作業着を着て指示された作業をこなす仕事で、タッチパネルで配管を流れる化学的な液体を調整したり出来上がった製品をフォークリフトで運搬したりしていた。…
当番ノート 第34期
それでも地球は回っているのだな。っと思う事がしばしある。 みなさんは松崎しげるが唄う「愛のメモリー」という曲をご存知だろうか? きっとたいていの人は知ってるだろうと思う。もし、知らない人がいたら一度は聞いてみるべきだ。 その「愛のメモリー」であるが、私の生まれる何年も前に発売された曲であるにもかかわらず、物心ついた頃には耳に馴染んでいたし、思春期に聞いてた小室ファミリーやジャニーズ音楽のように私の…
当番ノート 第34期
私は砂漠の女である。 てりたまバーガーの卵そっくりな半熟の太陽に、パキパキと音を立てて水がとび、乾き、飢える。 砂の道には時々ごろりと頭蓋骨が転がっており、「一歩間違えばこうなるな」とあぶら汗をかく。 過酷な場所では、覚悟する人間が勝つ。 もし不意に死んでも、未練に背を向けてクールに成仏しようと心に決めた。 頑張って道を進んで行くと、オアシスを発見し、溺れるほど水を飲んで木陰で休むことができる。 …
日本のヤバい女の子
【8月のヤバい女の子/幽霊とヤバい女の子】 ●お菊 ――――― 《皿屋敷(落語)》 ある夏の夜、一人の男が肝試しをしようと言い出した。 近くにかの有名な番町皿屋敷跡がある。青山という男が美しい女中お菊に横恋慕するが相手にされず、腹いせに家宝の十枚一組の皿を一枚隠し、菊に濡れ衣を着せて指を切り落とし、井戸に吊るして殺してしまった……というアレだ。青山の屋敷には今もなお古い井戸がぽっかりと残っていて、…
当番ノート 第34期
このたび火曜日を担当させていただく事になった、佐原まどかと申します。 私、佐原まどかは生まれも育ちもスカイツリーのお膝の先、東京都墨田区東向島です。仕事は向島百花園という都立庭園の中で、お土産物・喫茶販売と、園内併設の集会施設でクラス会や法事をされるお客様への仕出し料理・飲み物の提供をする自営業をしております。 一回目の今日は私の源である向島百花園の事を書かせて頂こうと思います。…