けむりねこがなきました
もうあさだよとなきました
めざましどけいよりはやく ふきさんそろそろおきなさい
けむりねこがなきました
あそんでほしいとなきました
そしらぬふりをしていたら かりかりかりとつめたてた
けむりねこがなきました
すとーぶつけろとなきました
あったかいとまんぞくそうに くるりとまるくなりました
なんだかにおうぞおかしいぞ
ふりかえるとけむりねこ なにやらひっしにけづくろい
けむりねこがこげました
ストーブに ちかづきすぎてこげました
ごじまんの くろいこーとがやけたので ぶちねこけむりになりました
そろそろねむいし よもふけた
あかりをけすと にゃおんとあいさつ
ふとんのうえにあがりこみ のどをごろごろ おやすみなさい
煙をなでていたら他の部分よりも毛が短く白い部分があって、ストレスで毛を抜いているのかあるいは皮膚病かと心配したのですが、ほどなくして原因が分かりました。煙が電気ストーブの間近に座るため表面の毛が焦げるのです。前にお話したように煙は毛の先だけが黒いため白い毛が所々現れて今現在はぶち猫です。私などは熱くてそこまで近くに寄れないのですが煙は平気な顔をして座っています。体毛で皮膚が隠れている分鈍感なのでしょうか、ぴたりとくっついたり顔を寄せたりするのです。煙は火には近寄らないのですがこれは本能であるとして、さて電気ストーブとの違いはなんだろう、などとぐるぐる考えながら暗闇で煙を膝に乗せ電気ストーブの発する光を見ていると、静かに赤いその機器は熱を発しているのになんだかとても冷めたもののように感じられるのでした。
=^..^=今週の猫本
この本は8つの短編からなるのですが、その中から『パン屋のネコ』という物語を紹介します。
我が家の煙は電気ストーブの前に座って焦げましたが、パン屋のジョーンズさんが飼っているモグという名のネコは火の前に座って大きく膨らんでしまいます。
モグはたいていのネコと違い、水が大好きで水道の水をはねかして遊んだり川で魚をとったりします。雨の日に川で魚を探して風邪をひいてしまったモグに、ジョーンズさんはイーストの入ったミルクを飲ませ暖かい火のそばに座らせました。そしてモグがうとうとしている間、イーストがモグをどんどん膨らませていきました。そして家くらいの大きさになったモグが昼寝から目を覚ましのびをした瞬間、家はがらがらと壊れてしまいます。
この後モグは水が好きなことと大きくなった体をいかして町を救うことになります。何が起きてものんびり大らか我関せずのモグがあっぱれです。これぞ猫!だと思います。