「ん、」
「久しぶりのお客さんだな。きみはぼくがこわくないのか。」
「いつも笑ってるんだな。ぼくの傘を貸すよ。」
「めずらしいからつつかれるんだ。ぼくとおんなじだ。」
「きみはちっともにげないんだね。行くところがないのかい。」
「ずっとずっとがまんしてきたんだろう。本当はどこかに行きたいのに。でもみんなをこわがらせちゃうもんな。」
「おんなじだ。」
「すごいな、きみは飛べるのか。」
「だいじょうぶ。がんばれがんばれ。」
「ああ、」
「そうだった。」
「ぼくも行かなくちゃ。」
.
.
.