私の苗字には、白の字がはいっている。
白。
余白。
空白。
明明白白。
白は憧れの色です。
余白は憧れの場所です。
余白の美しい絵を見ると溜め息がでてしまう。
自分で描くと隅まで埋めてしまう傾向にありなんとも余白とは向かい合えてないように思えていた数年前。
そもそも溜め息を着いてしまう絵はもう白い部分は余白ではなく空間になっているのだけど。
すごいすごいよ、この白は!と心の中で地団駄踏んでいたりする。
どこまでも空間が広がっている様に見えて震える。
私の家には、壁がない。いや、壁はあるのだけれど
実家も何故か物持ちで、壁一面がレコードだったり、本だったり、物で覆われていた。
子供の頃、親戚の家に遊びに行って「このお家は壁があるー」と感心していたらしい。
とはいえ、歴代の私の暮らして来た家も壁が見えない程のもので埋まっている。
何処かで拾って来たもの、何か分からないもの、小さいものもので埋まっている。
だから無印のカタログのような白い空間に住む事は天の邪鬼的に憧れだったりする。
白い壁のギャラリーで展示をすると、とても不思議な気持ちになる。
一枚の絵が、ひとつのモノが白い壁を伝ってひとつになる。
繋がる。
それが心地よい繋がりにあった時、心底安心する。
なんだろうあの感じは。
白い空間。
全ての色を吸い込める色。
私にとっては非日常でもあり、外の世界の入り口でもある。
▲ 伸びる白い飛行機雲/空に穴を開けて行く