週末に運慶展に出掛けた。
前日にTwitterで40分並んだという投稿を見て覚悟をしていたが、まったく並ばずに入れた。
さすがに展示部屋の中は人が多かったが、この距離で360度から彫刻を見ることが出来て鳥肌が出た。
800年も前の彫刻を目の前で見て、霊感という言葉が正しいかは分からないが、力の塊のようなものを感じた。
照明の絶妙な暗さがこの空間の一翼を担ってるように感じた。
繊細な彫刻や力強さに溢れた彫刻に対して、木に掘っているのか銅に掘ってるか分からなくなり、思わず美術館の監視員に尋ねたところ「これはすべて木でございます」という答えが帰ってきた。

その後、久しぶりに上野の街を歩いてあんみつを食べた。
あんみつを食べるのは人生で初めてだった。
後で知ると、とても有名な店だった。
あんこが丸々塊のまま乗っており潰しながら食べたが、とても濃厚だった。あんみつとセットだと緑茶もこんなに美味く感じられるのかと。
杏、白玉、ソフト、栗など、あんみつのメニュー表を見てるだけで幸せになった。人生で甘党だったことは一度も無いのに、今の自分のテンションの上がりようはなんなんだと思った。まさか甘味処でこんな気分になれるとは。
こんなにリフレッシュ出来る休日もあるんだと感じたが、それは久しぶりに上野を訪れたから。お上りさんのような気分が相俟ったからだと。
そう考えると、いま横浜市内に暮らし、いわゆる文化的な場所からは一定の距離を保って暮らしているのはちょうどいいのかと思った。

この記事が投稿される10月24日(金)、有給を取って三重の尾鷲に向かった。
仕事で付き合いのある人の地元が尾鷲で、この数カ月の間に何度も名前を聞いたから行ってみたくなった。
中学受験のときに日本で一番雨が降る街として習っていたが、今日もどんよりとした曇天だった。
山も海も近く尾鷲には色んな顔があり、何よりあんなに素朴な子どもたちがいるとは驚いた。
車窓から二度見をしてしまったが、電車に乗っていたら踏切の向こう側で子ども達が手を降っていた。そんな光景は令和にもあるんだと。
夜になるともしかしたら違う顔が現れるのかもしれないが、ともかくとても素敵な港街&山間の街だった。
マクドナルドの端の細い道を抜けて辿り着いた竹林は、もはやあっちの世界に吸い込まれるんじゃないかと思うほどだった。

