長期滞在者
去年の8月、思いがけないことが起きた。 パスポートを更新するために、五反田にある在日ブラジル総領事館に行った時のことです。もちろん、そこはまぎれもなく日本なのだけれど、総領事館への階段を一歩一歩踏み出して行くうちに、どうやらここは異国の雰囲気。わたしには、なじみの空気感、だけれども、ピンと張りつめるような緊張感に襲われる。急に喉が渇く。 階段という入国審査をこえると、開け放たれた入り口の扉の…
管理人室の往復書簡
かおりさん もうすっかり3月も終わりのほうになってしまっていた。 光の早さで時は経ってしまうね。 なんかね。 今年の3月11日が来るにあたり、なんというか、少しあの時の感情とか起こっていたことを必要以上に思い出してしまい、歯を食い縛っていた自分がいて、肩がこっちゃったよ。 同じことは二度と起こらないけれど、同じような事象があるのではないか、もしそれが起きた時に自分は、積み重ねたものをフル装備して冷…
管理人室の往復書簡
かおりさん 先日はどうもありがとう。 ギャラリーのタナカさんや、清史さん、そして森山隊長とも逢えたし、嬉しかったし、そしてさ、緊張した。 なんでこうも、ただ逢いたかったひとに逢いに行っているのに、嬉しいのに、話せばいいのに、固まるのだろうか。 おとなになればなるほど、緊張の度合いが>(だいなり)になっている気がしている。 シンプルに「わーい」って思っているのになあ! 展示されていた写真のこと、うま…
管理人室の往復書簡
かおりさん こちらもすっかり遅くなってしまってごめんね。 なんか、紙吹雪みたいな毎日です。ちりじりに広がっては落ちていく。 集めきれないものもあって、走って拾いに行くみたいな。で拾えないの!なにこれ!とか思ってる。 すべてが手に入るわけは、ないのにね。 フィルムで写真を撮ってみたいな。今度ね、ホルガを友だちに貸してもらうことになっていて、それがすごく楽しみだったりする。 カメラのことはよくわからな…
管理人室の往復書簡
かおりさん こないだは「気持ち大盛り上がり」な日記を書いて若干こそばゆい、このごろです。 赤ワインはもとより、しらふでも夜に書くものってどうしてああも気持ちが露呈するような文章になるのだろうね。 もともと気持ちに従って書くことをするのだけれど、それでも久しぶりに「盛り上がったね私!」と言いたくなるような日記だった。 それも、私。ってことでこそばゆいまま、残しておいてあとで笑おうと思う。 ルーヴルの…
管理人室の往復書簡
かおりさん 今日は、車で20分くらいの港で「つるし雛」という催し物をやっていてね、それを見に行った。 各家庭の軒先に、小さな人形や鳥とか、玉とか、いろんな手で縫った小物を糸でつるして飾るの。でそれを愛でるという。 きゅうりとか茄子みたいのもあった。ちりめんの布で縫われた小さな人形たちがちんまりとつるされていて、色がいっぱいで目にまぶしかった。 昨日書いてくれた日記。 あれを読んでね、向き合うという…
管理人室の往復書簡
かおりさんへ 今日のいわきは晴れていた。寒かったけれど、気持ちのいい空です。 懐かしい、ってそのなかにいろんな想いがぎゅっと詰まっているよね。 楽しかったり、切なかったり、悲しかったり、暖かくなったり。 あんまり思い出したくない事とかもふくめて、 「いろいろな場所に、少しの思い出があって、そこにすぐに行くことができなくても、たしかに自分はそこにいた。そのほんの少しのことを思い出して、懐かしいと思う…
管理人室の往復書簡
かおりさんへ 東京駅のすぐ近くのカフェではじめて会ってハグをして、アパートの話をしてから、今日。 月日が流れるのは早いね。 アパートメントが始まるにあたり、カフェで話した原点のようなものを忘れずにいたいと思っている。 ひとが、そこにいること。 息づかいを感じられること。 いろんなひとが、ここを訪ねてくれたら嬉しいね。 東京で好きな風景があって。 新宿の友だちのアパートのベランダからは、すぐとなりの…