当番ノート 第19期
新緑。 春が近づいて、緑の勢いが増す新緑の季節。 道端にしゃがむと小さな芽が出ていた。芽の側には少し育った葉。 その側にもう少し育ったもの、そして枯れた草。 ぐるりと廻る世界の片隅。 私の住んでいる山手にはたくさんの階段がある。 年月の経った石段の割れ目からひょこひょこと草が生えているのがとても好きだ。 誰かの家から飛んで来たのか、アジアンタムやハーブの類いも時々見かける。 石壁の隙間はパラダイス…
長期滞在者
【個展のお知らせ】 3/17(火) – 3/29(日) (在廊予定日3/21(土)) 京都レティシア書房で個展をします。 物理、数学、鉱物、錬金術等をテーマにした絵画展です。 書籍、自作アクセサリー、トートバック、ステッカー等の販売、鉱物標本の展示も行います。 —————— 個展の準備中のため、今月は宣伝にて失礼…
当番ノート 第19期
数年前、まだ学生だったころ「嫉妬」「本能」「憂い」という3つそれぞれを作品テーマにしたことがあった。 この3つは単体ではなく本能に集約されるのだな、と今頃になって気がついたお話。 よく語られるテーマでもある、女の情緒不安に関して。 圧倒的な孤独に蝕まれる日がある。 おんなという生き物は本当に不思議な生き物で、突然そんな曇った日が訪れる。 理由なんて特にないのですが 「あ、私、いまなんだかとっても寂…
当番ノート 第19期
【第5話 力とヤバい女の子】 ◾︎いざなみのみこと 日本書紀に登場するいざなみのみことは、日本で最も愛憎の力を持った女性の一人です。彼女は死後、夫であるいざなぎのみことが自分の腐敗した体を見たことに怒りくるい、夫とふたりで作った国を指して「お前の国のひとを毎日1000人ころす」と言う。彼女は作ることができ、壊すことができる。 日本の神話において、彼女は夫とふたりで島や神をたくさん作ったとされる。ラ…
はてなを浮かべる
知らないうちに自意識が溶け出している? シンプルな理由にこそ気付かないふりをしているの? 抽象的に傷付けようとしている? 本当はのたうち回っている? 境界を保っていたほうが美しいこともあった? お蔵入りにしている人格があるの? そこへ縫い付けておかなければ…
長期滞在者
「さびしいくらいしずかだと、コドクがすきなぼくでも、だれかとお茶を飲みたくなる」 『ともだちは海のにおい』より 私はお茶が好きである。緑茶に紅茶、中国茶。毎日日替わりよりどりみどり、カップは空になることなく、いつも並々お茶の池。仕事を終えて家に帰るとミルクパンで湯を沸かし、その日の気分で茶をいれたら準備完了。煙猫を愛でながら、読書をしたり考え事をしたりと夜は静かに更けていく。ところがまれに、ごくま…
長期滞在者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 知識も言葉もそこへの道筋を示せても、 その道を歩いていくためには邪魔になることばかりだと思うのだが。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ただあるようにあることの重大さを意識し、そうしながらなおかつそれを忘れていく。 そして歩き続け、その先の角を曲がって出会うものに出会い、 驚き、または失望し、または傷つき、または恐れ、または…
当番ノート 第19期
▲森と湖。 寒いので冬の話を書きたかった。 しかしあんまり最近冬の空気の中で面白いことをしていないのだ。 それで、もうしばらく前のことになるが、冬っぽい澄んだ空気を擁した、夏のフィンランドの思い出を載せようと思う。 昔書いたものに大幅に加筆、修正したものです。 ——————————…
当番ノート 第19期
うつろう 風景を装う様に、身に纏う うつろう はファッションデザイナー栗須朋子さんが立ち上げた、ストールのブランドです。 その中で草木染めのラインを展開していて、 その染めを任せて頂いています。 草木染めは化学染料と違って、色も何もかも不安定な方が良い。 作り手があやつれない部分があった方が、それらしいと思うのです。 衣服に今一度たくまざる多様性とばらつき、そして。 木々の葉の様に、全て違うストー…
長期滞在者
先日、琵琶湖が見渡せる道路沿いをひとりで歩くことがあった。ここしばらくは、せっかく仕事が休みでも疲労困憊で家でひたすら寝たり、なにもせずぼんやりするばかり。無印で新しい枕を買う目的で、久々に人の多いところに外出した。 晴れているのに、山沿いではよくしまける。晴れているかと思ったら、数秒後には雨がちらつくような日なのに、不思議と寒さは感じなかった。春の気配。濡れないようストールを頭に巻いて、とぼとぼ…
当番ノート 第19期
赤い色。赤い実。赤い空。 赤色の服を定期的に身に纏いたくなる。 普段、青色の服を選ぶことが多いのだけど、 一定期間を置いてふと赤い色のものを強烈に欲する時が何故かあるのです。 赤で一番に思い浮かぶ映画は、セルゲイ・パラジャーノフの「ざくろの色」だ。 刺激的な赤色がたくさん出てくる。 赤い服を着た少年を挟んで赤く赤く染められていく糸。 置かれた石榴から流れる赤い色。 血のような赤い色。 あれを初めて…
当番ノート 第19期
幼心に 女は一生 おんな なんだ、と。 勘づいていた様に思います。 実は私は10代のころに2人の女性とお付き合いした事があります。 恋愛関係のお付き合いです。 初恋も初めての恋人も男の子なので、後天的なバイセクシュアルです。 女性を恋愛対象にみることは極めて少ないタイプなので、バイセクシュアルとしての気質は薄いのかもしれませんが、恋した女性達は私にとって新鮮な人間でした。 新しい世界を案内してくれ…