長期滞在者
毎朝7時半から近所のプールで泳ぐのを日課にしているのだが、最近、疲れがたまってきたのか、泳ぐ事にすら集中できなくなっていて困っていたのだが、泳ぎながらふと思って「南無妙法蓮華経」をアタマの中でエンドレスループさせてみたら、結構テンポがキマってきて延々泳いでいられた。ちなみにぼくは日蓮宗の檀家でも創価学会員でもなんでもないのだが、般若心経の「ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそーぎゃーてーぼ…
当番ノート 第14期
写真が好きだ。 私が世界と繋がる橋を架けてくれたからだ。 私は写真に私は穴をあけ、光を透すことで作品を制作している。 光の空白は、空白だが無ではない。 空白は観る人それぞれの心に繋がっていってほしい。 思い、過去、託したかったこと、葬りたいこと、願望、悲哀、歓び。。 その空白の中にいくつもの物語を込めてほしい。 私がこのように考えだしたのはきっかけがある。 私が小学校の時に亡くなった祖父の存在。 …
当番ノート 第14期
#01 巻層雲を食む これは奇妙なアパートメントの住人にして、偏屈な哲学者でもある、私の唯一の友人の話である。 彼はフランスに住んでいる。私は南極に住んでいる。 私は南極大陸の沿岸部にある観測基地、昭和基地よりも1300kmも南に位置する、とある観測所の研究員である。私はそこで、ずっと単独で観測と研究を続けている。ご近所さんはアメリカの観測基地、プラトー基地だが私が南極へ移り住んだ時にはもう…
風景のある図鑑
「 宇宙の熱的死 」 : heat-death 世界滅亡のシナリオは、数多くのものが存在しています。 太陽が寿命を迎えれば、もちろん地球上の生態系は滅亡します。 膨張している世界が反転して収縮し、最終的にビックバンと同じ点になってしまうことも考えられています。 その中でもっとも緩慢な世界滅亡は、宇宙の熱的死(ヒートデス)でしょう。 熱力学の第二法則によると、世界は常に秩序から無秩序へ向かいます。 …
当番ノート 第14期
最初だからセルフポートレートを描くことにした。折角なので友人のイラストレーターから教えてもらったドローイングエクササイズをやりながら描くことにした。 「描いている最中は一切紙を見ず、顔(鏡)だけを見て絵を描く」 彼が主催者の1人であるドローイングワークショップではペアになってお互いの顔を描きあうのだけれど、今回は一人鏡相手にやってみた。自分の顔なんて毎日見ているし、メイクする際にも触るから、顔のパ…
当番ノート 第14期
トーストを2枚と温めた牛乳にインスタントコーヒーを溶かしたカフェオレ。 もう少し暖かい陽気になってくると、冷たい牛乳に変わるくらいでこの組み合わせは基本変わらない。 今日の朝ご飯。正確には僕の朝ご飯。 毎日同じような服をきて、同じルートをとおって、同じ車両に乗って仕事にいく。 休みの日にはお気に入りのパンを買いに行くし、たまに飲むビールだっていつも同じ銘柄を選んでいる。 日常を変えることはとても難…
長期滞在者
___もしも ふわふわと 毛のはえた 大きな どうぶつに であったら すぐに ちかづいては いけないよ/よくよく しらべて みるんだよ もしも そのどうぶつに ふとい前足があって そのさきに するどいつめが はえていたら/それから そいつに ぎらぎらひかる ふたつの目玉がついていて おまえをみつけて とびかかって こようとしたら/それが ねこと いうものよ ねこに であったら にげるがかちよ さも…
当番ノート 第14期
はじめまして、平吹正名(ヒラブキマサナ)と申します。本名です。役者をやっています。 寺島大輔くん(2014年2-3月コラム担当)の推薦で朝弘さん、森山さんを紹介してもらい、 今回のコラムを担当させてもらうことになりました。 この場を借りてお礼を言わせてもらいます。 2ヶ月という、短い間ですがどうぞ宜しくお願い致します。 皆様に何かを感じて頂けて、自分自身も何かの気付きを得られれば、最良のことに思い…
当番ノート 第14期
数ある食べ物の中で 昔から特別な存在なのがケーキ。 ウエディング、誕生日、クリスマス、 あの人へのお土産どれにしよう…と迷う時間の楽しさ。 3食のご飯は「日常」ですが ケーキは単なる「食後のデザート」「おやつ」の枠に納まりきらない スペシャルな空間を作り上げる力を持っています。 そこには彫刻のような芸術性と甘美な味覚の層、 誰かと祝いごとを分かち合う幸せが。 これからしばらく その週にお誕生日を迎…
イルボンと小鳩ケンタの空席商会
◇出てくるひと(順不同・敬称略) イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌 小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩 森綾花(画家/イラストレーター):以下、森 福永祐美(イベントオーガナイザー):以下、福 むらなかゆかり(絵描き):以下、む 城下浩伺(画家):以下、城 ◇◆◇◆◇ 【2014年2月の相席】 2014年2月8~11日、yolcha恒例のバレンタイン喫茶「路地裏ショコラ党…
長期滞在者
ブラジルへの旅立ちは、わたしにとって未知の世界への旅立ちだった。知らずに育った故郷へ戻って、その国の文化や価値観、言語を一から学び直さないといけなかった。泣き崩れる父と成田で別れたとき、わたしは多分、Keikoとしてのわたしを日本に置いてきてしまったのだと思う。ブラジルに到着したとき、赤ん坊のように、ぽんと新しい世界に投げ出され、まるで裸の無防備で。わたしは、十五で再び、赤ん坊になった。あの26時…