にゃんともはや!のねこばなし
ロゼッタは、水の中の階段をおりていきました。ガラスがわれないように気をつけて、そろり、そろりとおりていくと、ドアに行きつきました。そこは、ネコの家の入り口でした。 (中略) 入ったところは、ろうかになっていて、そこでは、ほかの子ネコたちが、ほうきで床をはいたり、かべのクモの巣をはらったりしていました。 イタリアの昔話『ネコの家に行った女の子』より イタリアの昔話です。 (あらすじ) むかし、ロゼッ…
にゃんともはや!のねこばなし
ある時、和尚さんが檀家の法事に行って、晩に暗うなってから帰ってきたら、いつも静かなお寺の中から、にぎやかな声がする。どうもふしぎなことじゃと、そっとのぞいてみたら、三毛猫が、えらい大けな猫になって、踊っておったそうな。それが、あきれたことに和尚さんの衣を着て、けさまでかけているがな。そいつを、またぎょうさんの猫が見物しょうるそうな。 ――日本の昔話『猫檀家』より 日本――広島の昔話です。 (あ…
にゃんともはや!のねこばなし
ねこが、しごとからかえってみると、おんどりが見えません。 ねこはたいそうかなしみましたが、すぐにおんどりを助けにでかけました。 まず、上着と赤い長ぐつと帽子と、ふくろとグースリを買いました。 そして、グースリひきにばけると、きつねの家の窓でうたいだしました。 ――ロシアの昔話『ねことおんどり』より 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたしニャす。今回はロシアから、『ねことおんどり…
にゃんともはや!のねこばなし
真夜中をすぎたころ、おじいさんはベッドにはいり、気持ちよく毛布にくるまると、からっぽになった戸だなのことは考えないようにしました。そのかわりに、ねこのお客のことを考えました。ほんとに、わたしがたっぷりたべさせてやらなかったら、あのねこは、飢え死にするところだったろうなあ。 そのとき、なにかが、ベッドの上にのったような感じがしたかと思うと、ふたつの緑色に光る目が見えました。ねこがふとんの下にもぐりこ…
にゃんともはや!のねこばなし
向こう岸に着いたとおもうと、狐がぷらりと出てきて、 「もし、犬どのな、猫どのな、そなたたちのもっている丸け物はなんだや。まりコだらば、ちょっとの間、手玉とってあそばねえか」とさそいをかけた。 そこで、三匹は、うろこ玉を手玉にとって、あっちやり、こっちやり、遊びほうけていた。 その時、狐はひょいと受けそこねて、大事なうろこ玉を川へ落としてしまった。 ――日本の昔話『犬と猫とうろこ玉』より 今回も日本…
にゃんともはや!のねこばなし
するとぼうっとした闇のなかから、だんだんおばけのかたちがうかんできました。いや、いるわいるわ、野原いっぱいに、手ばかりひょろんとながいばけもの、目ん玉がひとつのばけもの、からだじゅうが青光りしているのっぺらぼう、にわとりのようなばけもの、ぺたぺたとかたちのないおかしなばけものが、たあらん、たあらん、おどっているのです。 するとそのとき、ひとりのばけものがさけびました。 「茂吉のねこぁどうした。」 …
にゃんともはや!のねこばなし
ちょうどテーブルには、ネズミがいっぱいたかっているさいちゅうでした。 ネコは、ネズミを見ると、人にいわれるまでもありません。いきなり、船長のうでからとび出して、いくらもたたないうちに、そこらじゅうにいたネズミどもを、ほとんどのこらず、足もとになぎたおしました。あとのネズミは、命からがら、巣ににげ帰りました。 ――イギリスの昔話『ディック・ウイッチントンとネコ』 今回も、イギリスに伝わる物語です。 …
にゃんともはや!のねこばなし
さて、舞踏会の日がやってくると、ねこっ皮は、そっと台所をぬけ出して、森にいきました。そして、水晶のような滝の水でからだを洗うと、隠してあった着物のうちから、銀の着物を出して身につけ、舞踏会へと急ぎました。 ――イギリスの昔話『ねこっ皮』より ある身分のよい家に女の子が生まれました。しかし、跡継ぎに息子が欲しかった男は赤ん坊の顔をいっさいみようとしませんでした。 それから…