ねこが、しごとからかえってみると、おんどりが見えません。
ねこはたいそうかなしみましたが、すぐにおんどりを助けにでかけました。
まず、上着と赤い長ぐつと帽子と、ふくろとグースリを買いました。
そして、グースリひきにばけると、きつねの家の窓でうたいだしました。――ロシアの昔話『ねことおんどり』より
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたしニャす。今回はロシアから、『ねことおんどり』です。
(あらすじ)
あるところに、おばあさんがすんでいました。うちには、めうしとねことおんどりがいました。おばあさんはみなによくしていましたが、ねことおんどりはいたずらをやってしまいました。ねこはクリームをなめるし、おんどりは畑にしのびこんでなんでもほじくりかえしたのです。これをしたおばあさんは、ねこにおしおきをし、おんどりを畑から追い出しました。
ねことおんどりは腹をたて、おばあさんのうちをでて、森に小屋をたてて気らくに暮らすことにしました。ねこが小屋をたてペチカをつくったあと、ねこはおんどりをむかえに行きました。とても素敵な小屋で立派なペチカがありますが、たきぎだけがありません。ねこはたきぎを切ってくることにしました。ねこは出かける前におんどりに、「近くにきつねが住んでいるから、ペチカに座っていて、絶対に外をのぞいてはいけない」とことづけます。ところが、留守番にあきあきしていたおんどりは、きつねのたくみな話術に誘われて、窓から顔を出してしまいました。きつねに捕まったおんどりは泣きながら歌い、それを聞きつけたねこに助けられました。
一度では終わらないのが昔話です。このあとおんどりはあと2度、きつねに捕まってしまいます。ねこばなしで描かれているのは3度目の場面です。ねこは3度目に助けに行く時、きつねを誘い出すためグースリひきに変装しました。調べてみたところ、ロシアの伝統的な楽器のグースリは、金属弦をかきならして音を出すハープの仲間で、中世ロシアの吟遊詩人スコモローフがつま弾いていたそうです。インターネット上に動画がいくつか上がってるので聴いてみたところ、音色は澄んでいて明るく、奏でられる曲は物悲しく美しいものでした。「ねことおんどり」のお話では、おんどりを誘うきつねも、ねこに助けを求めるおんどりも、おんどりを助けるねこも、皆歌うのです。グースリの音色を聴くと、物語の印象ががらりと変わります。皆さんもぜひ聴いてみてください。(ロシア語の Гусли で検索するといろいろと出てきます。)
=^..^=出典:『ロシアの昔話』(内田莉莎子編・訳 A・タチヤーナ・マブリナ画/福音館書店)より「ねことおんどり」
にゃんともはや!のねこばなし展 11月21日(土)~1月11日(月祭日) 珈琲専門猫廼舎にて
☆1月11日最終日に、「にゃんともはや!のおはなし会」を開催します。
ねこばなし展で使用したお話と、猫のでてくる絵本を読みます。小さい人から楽しめます。お子様連れでどうぞ。もちろん大人も幼い頃の気持ちになってごゆるりとお聞きにきてください。
詳細は
ねこばなし展ホームページ https://sites.google.com/site/nekobanasi/
ねこばなし展twitter @necobanasi https://twitter.com/necobanasi
皆様のご来場お待ちしております。