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小鳥のなやみ

Slow times

みみのない象の上で、小鳥は自分の輪郭が薄いことについて悩んでおりましたが、
輪郭があやふやな分、中身がしっかりしている という結論に達した模様です。

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saekimura

saekimura

アーティスト、イラストレーター。

Reviewed by
もうり ひとみ

小鳥を見つけて、次に兎に見えてくる、もしくは少女にも老婆にも見える。
そんなだまし絵があったなと、思い巡らしたのち言葉を読む。
まったくそのとおりだった。
小鳥が小鳥であることと、わたしにどう見えるのかはまったく関係がないのだった。

線がなくても絵が描けることに驚いたことがある。
手も目も顔もどんな形をしているか、教えてくれるのは鉛筆やペンの線だけではない。
輪郭は、せかいとなにかとの間にはっきりとしないけれど確かに存在するはざまに浮かぶ。
けして繋がれないわたしたちのいちばん外側。
それが曖昧だというのなら、小鳥、きっときみはなんにでもなれるし、
ならなくたっていいのだろう。

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