空白の4年間

第3期(2012年6月-7月)

知っている人もいるかと思いますが
僕はブログで写真以外に絵日記もアップしています。
(今はリニューアルにつき閉鎖していますので
 また再開したらこの場でお知らせしますね。)
そこで今日は僕が絵日記を描いている理由をお話したいと思います。

例えば小学校時代、
義理チョコだったにもかかわらず
さらにはクラスの男子全員に渡してたにもかかわらず
後に、自分は学年一のマドンナ的存在の女子から本命チョコを貰ったけど
ホワイトデーには何も返さなかった硬派な男子だったと語ったり、
例えば高校時代、
単なる補欠だったにもかかわらず
後に、まるで自分はここぞという時のスーパーサブで
何度もチームを窮地から救ったと語ったり、
例えば大学時代、
好きな人に全く相手にされなかったにもかかわらず
後に、まるで自分を映画の中の悲劇のヒロインのように語ったり。

こんなふうに
「記憶(思い出)は、その時々で脚色される」
と思うのです。

ではみなさんの一番古い記憶は何歳くらいの時でしょう?

僕は幼稚園の年中(5歳)で、
『電車の絵を描いた時に
 ジブンだけが先生に褒められた。』
というのが一番古い記憶なんですが、
その記憶もまた実のところ、
みんなが同じように褒められてたのにもかかわらず
「ジブンだけ」と脚色しています。

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三才 私に過去はなかった
五才 私の過去は昨日まで
・・・・・(まだ続くのですが省略させて頂きます。)
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と、谷川俊太郎さんの詩の一節にもあるように
僕にもこれより前の記憶は全くありません。(思い出せません。)
恐らくみなさんも0歳~4歳くらいまでの記憶って
頭の中に残ってないんじゃないでしょうか。

これが、空白の4年間。

ミウとカンナ、二人の娘が大人になった時、
「小ちゃい頃のミウってどんなんやった?」
「小ちゃい頃のカンナってどんなんやった?」と
きっとパパやママに聞いてくるはず。

そんな、空白の4年間。

それは、本人自らが脚色できない4年間。
それは、親だけが脚色できる4年間。

この4年間をどう脚色してあげるかは親の腕の見せどころ。
そう、笑わすも、泣かすも、悲しませるも、怒らすも、感動させるも、
ジブンの思いのまま。
もし世の中に「親としての大仕事ランキング」
というものがあったなら、
これは間違いなく上位にランクインされる大仕事。

どうせなら親として、
お父さんとして、
米アカデミー賞脚色賞が狙えるくらいの
二人が喜び、そして涙なしではいられないほど感動する
脚色をしてあげたい!

ということで、
この一大プロジェクトをパーフェクトに完遂するべく
今日、この一瞬のミウとカンナとの楽しすぎてバカすぎる毎日の
ちょっとした行動、ちょっとしたひと言を、
ちょっとでも逃さないよう
絵日記に描きとめているのでした。

そして今日、このアパートメントでコラムを書くにあたり
これまで描いてきた絵日記を
数年ぶりにあらためて見返してみると…

あれ?

あれれれ?

変に自分が面白おかしく脚色するまでもなく
絵日記に描かれている実際の出来事そのままの方が
はるかに愛と勇気と冒険にあふれた空前絶後の一大スペクタクル巨編やん!
すごい意味深いやん!
あやうく虚飾に満ち満ちた物語にしてしまうとこやったやん!

「ふぅ~。」(※タバコの煙を吐く音)

親としての大仕事がひとつ減り
ふっと肩の荷を下ろして、
いつものように換気扇の下でタバコをくゆらす、
そんな週のはじまり、月曜日。

さてさて今週は一体どんな
ドラマ以上にドラマチックなミウとカンナの人生劇場が
待ち受けているんだろう。