いつかと今といつか

第5期(2012年10月-11月)

くい、と、顎を引いてやって
耳の下あたりに額を寄せて
鼻の冷たさを君へ

吸って這わせて

形を辿る

顎の骨を僅かに舐める

向かい合わせもなんだし、
すっと、
後ろから抱く

指で唇をなぞる

緩んだ口の端から指をいれて遊んでみる

向こうの鏡で顔をみてやる

不服な目と目が合う

堪らなくなって、
一気にそのまま組み敷いてしまう

許された中で
できる限り甘く乱暴にして

二度三度

何よりも護りたいものを

自分だけ
欲のままにする

何処かでいけないと思いながら

目の前のかわいい人

何処からも零れないように

全てを熱で塞いで追い詰める

知らないところへ

今日の空

千度呼んでも手に入らない君の名を

あの日の空

重ねても引いても異なる青の事

吸えない煙草を咥えて

昇る煙の向こうの夕陽

空は彩度を失う代わりに、ぱらぱらと星を撒いてゆく。

絶え間ない車の行き交う音の中から
ひとつ、角を曲がるために速度を落とす気配を、少し遠くに探す。

待ちきれないんじゃなくて、
こうして、待つことをする

陽の高いうちから、夕暮れの予定をこう決めてしまう。

次、もし、君を見つけたら。