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2F/当番ノート

今日もどこかで。

当番ノート 第5期

鍋の中の湯が沸騰を始めるのには、それほど時間はかからなかった。

午前に買い物に寄ったスーパーで、
おにぎりや、サラダの巻き寿司などを買いたいのをぐっとこらえて帰宅した。
お昼ご飯は、ありもので。
料理すれば洗い物なども増えるし自動的に家事に費やす時間は増える。
それでも、給料日前だし、家族の分を作るわけでもないし、何でもいいのだ。
そう思えるから、ひとり休日というのは、気が楽なんだな。
それで結局お昼のひとりごはんメニューは、納豆そうめんと決めた。
明日、給料が入ったら、お米を買おう。
そんな約束を自分としていた。だから今、我が家のお米はほんの僅かだ。
きっと1合か、2合あるかくらいなもので。

それにしても、納豆そうめんだけではなんとなく寂しい。
いただきものの、崎陽軒の焼売を温める。
実家で採れたサニーレタスを水洗いしてちぎる。
これでよいではないか。

冷蔵庫の中身がスッキリしていく様が好きだ。
食材をきちんと使い切ること。
先日読んだ記事に、買い過ぎや買ったことを忘れてしまう食材の無駄、
それが食費の約30%を占めている。ということが書かれていた。
上手にやりくりする人は常備菜など作ったり、干したり、
様々な工夫をこらしていることだろう。
残念ながら、我が家はそういったことをしていない。
理想なのだが、現実はそうはいかず。
きっと私自身に、計画性というものが微塵もないことが原因なんだと思う。
それでも、こうして食材はうまい具合に減っていく。
冷蔵庫の扉を開けた夫が、「おぉ、見事に冷蔵庫の中身が。。。」と、
つぶやいたのは今朝のこと。

アパートメントの当番ノート。
担当している金曜日のコラム最後となる前日。
今日という日がたんたんと過ぎていく。

午前は、開店と同時に書店へ出向いた。
久しぶりの書店だ。
かれこれ2、3ヶ月は行ってなかっただろう。
月に一度は行く場所が、なぜだかここのところ遠のいていた。
夫がクレジットカードのポイント交換として選んだ図書カード。
それをふたりで半分ずつしていたので、私の手元には2枚。
つまり2千円分の図書カードがあった。
が、何か買おうかなと思って行くと、実際買いたいと思える本に出逢えないもので。
今日は定期的に出る雑誌や、料理本などチェックしただけで、何も買わずに店を出た。

郵便局には、24年度の年賀状を持参して行った。
このところの連休で、片付けをした際に出てきた古い年賀状。
今更年末ギリギリだったが、7枚のハガキは、50円切手7枚となり、戻ってきた。
誰かにハガキを出そうかな、と。ふと考えたり。
郵便局の担当の方がどこかで見覚えのある男性なのだが、
それがわからなかった。きっと、この郵便局で過去に何度か担当してもらったのだろう。
そんな答えなんだろうと思う。

図書館。
先週の金曜日から、私は仕事をお休みしている。
痛みが酷くて座れないお尻の病気になってしまった。
おかげさまで今日ようやく運転もして出かけられるようにはなった。
この一週間は、家族、両親に頼りきりの生活だった。
今も痛みはあり、長時間座るのは無理。
それで、思ったことは、読む本があったら読書に費やせた。
読書なら横になってでもできる。
けれど、休みは今日で終わり。
最後の半日くらいは、その欲求を満たしてあげよう、と。図書館へ。
さっき散々本を見てきたばかりだが、買うのと借りるのとは別。
何か小説やエッセイなど、読みたかった。
家には料理本ばかりだから。。。

黄色の滑り止めテープの貼ってある階段を上って、駐車場へ。自分の車に乗り込んだ。
「今夜はナポリタンがいい!」という夫のリクエストに応えるために、必要な食材を買いに向かう。
実家にいけばいくらでも採れたてのものをもらえるピーマン。
買うのは心苦しい気がしたが、実家へ寄る時間があったら早く帰って本を読みたい。
それがその時の正直な気持ちだった。(どちらにせよ、勝手な想いだな)

食後にお茶を飲もうと湯を沸かしている間に、みかんを食べた。
昔から、みかんの皮を剥くのが下手だ。
上手な人のそれのように、大きくまとまって剥けることは絶対なく、
私が剥くと、バラバラとその皮は10片くらいになる。
この時期の神座みかんは、ちょうどいい甘さでおいしい。
父は本来、三ヶ日みかんが好きなのだが、
神座に行くと無人販売で10個入りが100円で並んでいる。
どうもこのみかんの虜になったようなのだ。
一昨日一緒に温泉に行った帰りに、5袋買ってそのうち3袋を我が家に譲ってくれた。
娘たちもお気に入りで、ホイホイ食べるので、これが最後の1袋となってしまった。

さて、この文章を書き終えたら、
エッセイから読もうか、それとも長編の小説に挑もうか。

今日もどこかで

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今日もどこかで

その歌詞にあるように。

****

気づかないうちに 助けられてきた
何度も 何度も そして これからも

数えきれない やさしさに 出会ってきた
なつかしい 笑顔が 浮かんでは 消えてゆく

。。。

いちどきりの 短いこの人生
どれだけの人たちと 出会えるんだろう

ほんとうに 大切な人たちと
かけがえのない その人と この広い 空の下で

。。。

(今日も どこかで/小田和正)

****

人と出会えることで。
許し合って、つながってゆくことで。
私はこれまでどんなに助けられてきたか。
この「アパートメント」に関わることで。

最後は完全に日記となりました。
今日という日の。

読みにきてくださった方、
偶然にもたどり着いた方、
そして、「アパートメント」の方々、
あたたかく、とても居心地のよい場所を、
ありがとうございました。

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