こんにちは 知らないお嬢さん

第28期(2016年8月-9月)

旅の途中、風変わりな女の子に出会った。

旅と言っても、いつも遊んでいるりんごの木から、1、2、3本ともっと先の、まだ登ったことのないりんごの木まで。
お昼ごはんから晩ごはんまでの、短い旅ではあったのだけど。

このあたりでは見たことのない女の子だった。

風変わり、というのは彼女のあたまのことで。
好き放題に伸びた長い長い髪の毛が、別の生き物のように
うねうねと風になびいて、なにかから守るように、彼女の顔を包んでいる。

覆いかぶさるそれは、例えるならそう、さなぎの”ころも”みたい。

”ころも”の中でまどろむ時間を繰り返す、古城の主。

かたく結ばれた唇に、ちょうちょになんてなるものかと、宿る意志。

何かを遠ざけているみたい。