あいまいな正義に、どう向き合いましょう

第30期(2016年12月-2017年1月)

こんにちは、珈琲子です。視力が良くないのでずっとコンタクトレンズを着けているのですが、コンタクトだけでは乾燥等しんどいので先日眼鏡も作りました。私は鼻が大きいので、メガネをかけると鼻メガネをかけているような容貌になるのですが、今回作ったメガネはかけても鼻メガネにならないのでお気に入りです。フレームの形を変えたのが良かったんですね。ではでは本題です。

「これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学」 マイケル・サンデル

正義にかなう社会を達成するためには、善き生の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはならない。 ー本文より抜粋

ハーバード大学で政治哲学を教えている方の本です。この本はとても有名かと思います。「正義」というテーマに、はじめ私はぴんとこなかったです。なぜなら自分の日常の中で「正義」というものを意識することがないからです。けれど意識することがなくても、いつでも自分が無意識のうちに選択し判別している物事への見つめ方、処理の基準のなかには必ず私が「正義」だと信じているものが含まれています。そしてこの本を読み、いかに自分があいまいな感覚で「正義」という言葉の意味を捉えていたのかよく分かりました。
グローバル化の加速によって、あらゆるものを、求めている人がいるならばお金で買える環境が整ってきています。競争相手は増え、技術は今も絶え間なくどんどん発展し、より消費者、私たちが欲しがっているものを与えてくれる会社が、ビジネスが増えています。自国よりも安く生産できる国に工場を持ち、私たちもインターネットを使って、最も安く売られている商品がないか比較し探すことができます。そして競争が熾烈になった結果、大きな経済格差が生まれました。
けれどインターネットによるグローバル化は、より自由の幅を拡げてくれました。匿名で自分の意見を主張することができるようになり、テレビが報道してくれないニュースを、一人のSNSの投稿からも知ることができます。在宅で仕事ができる人が増え、学歴がなくても実力があれば沢山のお金を稼げる場所、機会が増えました。
今、このような状況のなかにいる私たちの「正義」は、どこにあるのでしょう?

人それぞれ、持っている「正義」は違うと思います。そして生まれた環境や受けた教育、読んだ本などから、どんどん正義の感覚は変わっていくと思います。誰も同じ正義の感覚は持っていないけれど、何かの折に他者が自分と同じ正義の一部分を持っていることに気付き、同じだと思っていたマジョリティの正義が、自分とずれてしまっていることに気付くこともあるかと思います。
さらに、自分が一体どんなものを「正義」だと認識しているのか、ちゃんと把握している人なんてほんの少しだと思います。そもそも自分の正義を完璧に把握することなんて、できるのでしょうか。
自分の「正義」をどうやって認識するのか、そして他者の持つ正義をどのように知り理解するのか。自分の言葉を素直に相手に話すこと、相手の言葉を聞くこと。対話が有効なのだと思います。違う正義を持ったまま、同じ社会の中を、お互いを尊重しながら生きていくには、やっぱりコミュニケーションが大切なのだと、私は思います。

本書は、著者が正義というものと真っ直ぐ向き合った記録です。正義を判別する題材として哲学、実際にあった訴訟問題、殺人事件等を深く掘り下げています。読んでいくうちに自分のなかにある正義の存在を確認し、また他者にとっての悪を自分の中から見つけることができます。そして時が流れ時代が変わっていくにつれ、変わらない一部を持ちながらも、正義は更新され変化していくのだと、分かりました。

ぜひぜひ、こちらの本も読んでみてくださいね。