ストーリーテリングって・・・

第33期(2017年6月-7月)

ストーリーテリング Storytelling って日本語では「語り」。どちらも知る人ぞ知る・・・。
私にはストーリーテリングがしっくりくる。

ストーリーテリングは、語り手が物語を覚えて、聞き手に語るので、同じ物語でも語り手によって違った味わいを持たせることができ、聞き手の年齢や反応を見ながら語る言葉を変えることも可能なところが自由なところだ。物語を覚えて語ることは、物語に佇む時間が必然的に長くなる。だから、心の底から湧きだすような言葉が発せられる気がするのだ。語り手と聞き手一人ひとりの心が合わさるみたいに。そう語ることができたら素晴らしい。そうありたい。

ストーリーテリング中、聞き手は、語り手のナビゲートによって物語の登場人物や背景を想像する。面白いのは、聞き手の手持ちカード(言葉の意味、経験等)によって頭の中で描かれることは人によって変わってくる。物語の中の誰、または何に焦点を置くかによって、それぞれの描く景色は独特のものとなる。みんな違うそれがいい。聞き手が二人いれば、二つ物語。十人十色。全く同じにはけっしてならないなのだから、面白い。ストーリーテリングの後、聞き手たちと話してみると興味深いことが次々出てくる。

幼稚園で「おばけのはなし」(もちろん、かわいいおばけなので怖い話ではない)をした時のことだ。終わった後に、保育士さんの意向で絵を描いてもらうこととなった。
なんと、描いたおばけがみんな違う!丸いおばけもいれば、クマのような形のおばけもいるし、リボンをつけているものまでいて、小さいながら数年の人生の中で培った想像力をフル活動させてくれた絵はどの絵も素晴らしかった。さらに素晴らしかったのは、その自分の絵を見ながら物語の続きを話し始めた子がいたことだ。子どもたちはそうやって頭の中に描いた絵を、動かし始めるんだ!このことは驚いたと同時にストーリーテリングの可能性にじかに触れた瞬間だった。

2年前から「おとなのためのおはなし会」を四季ごとに物語を届けている。
昔むかし読んだり聞いたりした物語は、大人になった今、手持ちカードはたくさんあるのだから、頭の中の想像はより陰影を増し深さを持つと、そう信じて、コツコツとストーリーテリングの素晴らしさを紹介してゆきたい。

ーーーーーエジンバラのストーリーテリングセンターのストーリーテリングとはの1節
‘The story is told eye to eye, mind to mind, heart to heart.’ – Scottish Proverb
物語は、眼と眼、思考と思考、心と心を合わせて語られる。(スコットランドのことわざより)

欧州では、軽度の認知症の方たちにストーリーテリング療法を用いている。まずは5分からの短いストーリーから始めるとのことだが、心の脳に届くと言われているこの療法が良い作用をもたらしている。研究者によると心の脳と言える、辺縁系に(楽しい、嬉しい、こわい、悲しいことの意味が感じるだけでなくしっかりわかる。)届くことがわかったそうだ。

ストーリーテリング 今ここにいることを語り手と聞き手が共有し、想像力にまかせ物語を旅することーーーーー
そして、語っているとき、今その瞬間を聞き手と一緒に歩めることが何より楽しい。今ここを大切に。

次週は・・・・・こどもたちへ おはなしの国 キラキラ村。

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左上 春の庭のお花たち /右上 自由という文字が欠けている ステキな発見
/3枚目 森からの贈り物たち