ネコの家に行った女の子

にゃんともはや!のねこばなし

ロゼッタは、水の中の階段をおりていきました。ガラスがわれないように気をつけて、そろり、そろりとおりていくと、ドアに行きつきました。そこは、ネコの家の入り口でした。
(中略)
入ったところは、ろうかになっていて、そこでは、ほかの子ネコたちが、ほうきで床をはいたり、かべのクモの巣をはらったりしていました。

イタリアの昔話『ネコの家に行った女の子』より

nekonoieni

イタリアの昔話です。
(あらすじ)
むかし、ロゼッタという女の子がいました。ロゼッタは継母と暮らしており、継母にはジェルトルーデという女の子がありました。ロゼッタはとてもやさしくはたらきものでしたが、ジェルトルーデはいじわるなうえになまけ者でした。
ある日、ロゼッタが森の泉で選洗濯をしていたとき、石けんを泉に落としてしまいました。ロゼッタが水の中で石けんを探しているとガラスでできた階段を見つけました。ロゼッタが、水の中の階段をガラスが割れないように気をつけておりていくと、ネコの家の入り口につきました。

ここからが、今回の絵の場面です。
家の前には1ぴきの子ネコがいて、呼び鈴の綱をつけ直そうと、苦労していました。ロゼッタはそれを見ると、切れていた綱を結んでやりました。家の中に入ってからもたくさんの子ネコたちがいろいろな仕事をしています。ほうきで床をはいたり、かべのクモの巣をはらったりしているもの、枕や毛布を整えているもの、台所でオムレツをひっくり返そうと大騒ぎしているものまでおりました。ロゼッタは道々子ネコたちを手伝いながら進んでいきました。つき当たりは大きな広間で、そこにはりっぱな冠をかぶったネコの王様がすわっていました。
ロゼッタが広間に入ると、王さまは、子ネコに親切にしたお礼に石けんを渡し、ぼろぼろのロゼッタの服を魔法ですっかり新しくりっぱなものにしました。そしてロゼッタに言います。「帰り道で、オンドリが鳴くのを聞いても、ふり返ってはいけないよ」ロゼッタは、オンドリが鳴いてもふり返らずに歩いていきました。そのとき、光る星がおりてきて、ロゼッタの額にとまりました。するとロゼッタはとても美しくなりました。

さて、この後、見ちがえるようにきれいになったロゼッタをみたジェルトルーデは自分も美しくなるためにネコの国に行くことにしました。ジェルトルーデはわざと石けんを水の中におとり、ガラスが割れるのもかまわず階段をおりていきました。ネコの家についてからも子ネコの仕事を助けるどころか、ゴミをけちらしたり、お皿を割ったりして通り過ぎていったのです。ネコの王様はジェルトルーデにも石けんを返し服を美しくしたあとで、「帰り道で、ロバが鳴くのを聞いても、ふり返ってはいけないよ」と言いました。ジェルトルーデは帰り道、おこった子ネコたちにひっかかれ、割れたガラスの階段を苦労してのぼった頃には、新しい服はずたずたになっていました。そしてロバの鳴き声がしたとき、王さまに言われたことを忘れ、うしろを振り向いてしまいました。そのとたん、ジェルトルーデの額にロバのしっぽが生え、切っても切ってもとることができませんでした。

絵の中のたくさんの猫たちを見てください。みなそれぞれに仕事をしています。とても小さく描かれている猫ですが、なんといきいきしているのでしょう。常に動きまわっている子猫の一瞬の動きを見事にとらえているなあと、猫飼いの私は思います。お話では、子猫はみな一生懸命なのですが、実はうまくいっていなかったり、大騒ぎしていたり、とまるで仕事になっていないのです。きっと落ちているごみにじゃれて遊んでいる猫もいたんだろうなあと、ほくそえんでしまうのです。猫の手を借りたい、と言いますが、どうしたって猫は役に立ちません。

=^..^=出典:『子どもに語るイタリアの昔話』(剣持弘子 訳・再話 ・平田美恵子 再話協力 剣持晶子 扉絵/こぐま社)より「ネコの家に行った女の子」


 

☆1月11日(月)を持ちまして「にゃんともはや!のねこばなし展」は終了いたしました。
たくさんのかたにご来場いただき、またお話することができました。本当にありがとうございました。

ねこばなし展の絵も今回で10枚すべての紹介を終えました。お気に入りの1枚はあったでしょうか。猫の愛らしさ、昔話の奥深さ、そしてかなもけんの絵の魅力を少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

かなもけん・森ふき

 

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