当番ノート 第3期
はっきりいって、石油王は鳥が大好きでしたから、 鳥が家来をツンツンとついばむ「ついばみの刑」で、 鳥が動き回ったり飛び回ったり鳴いたりする様子をみるのも大好きでした。 だから毎日でも家来のことを「ついばみの刑」にしたいぐらいだったのです。 なにかしっぱいをしてくれないかと、いつもさがしていたのです。 でもなんだか今日は、「懲らしめてやる!」のことばが家来に届かないようです。 石油王がおこればおこる…
当番ノート 第3期
東京電力福島第一原子力発電所から20キロ圏内にある「警戒区域」。 ここにあげた写真は、私がそのなかで遭遇したさまざまな「落し物」の記録です。 これらはけっして「無主物」ではありませんでした。
当番ノート 第3期
先日、通りかかったお寺に 盆踊りのやぐらが設営されていました。 あのすこし頼りない紅白のやぐらの上で 子どもも大人もまるくなって踊る姿は なんとも嬉しくて楽しい夜がやってきます。 真っ赤でツヤツヤのリンゴ飴が それはそれはおいしそうで おねだりして買ってもらったのはいいけれど、 当時、甘いものが苦手だった私は 一口で十分。 食べきれずに怒られる。 だけど特別な日はそんなことも気にならないのですね。…
当番ノート 第3期
僕はFlickrというサイトでセルフポートレイト写真を通して、 いつの日か少女時代のオフィシャル写真を撮るという夢に向けての 『〜The road to my dream〜少女時代オフィシャル写真への道プロジェクト』 という活動をしているのですが (未だに少女時代関係者の方々からオファーはありません。) その他に『Kiss Me Please プロジェクト』という活動もしています。 今日はそのプロ…
当番ノート 第3期
今は小さな会社を経営していて、 デザインから製作から企画・営業まで幅広い仕事をしてたりするけど、 学生時代の知人が知るときっとびっくりすると思う。 とにかく人見知りがはげしく協調性のかけらもない子供だったからだ。 小学校の時、 リレーのバトンを次の走者になかなか渡さず数十メートル走らせたあと、 先生に呼び出された。 ひとしきり怒鳴られたあと、往復ビンタが飛んできた。 中学校の時、 体育祭をさぼって…
当番ノート 第3期
恐らくいちばんたくさん飼った海の魚がカサゴだ。 家の小さな水槽で飼うのにこんなに様になる魚はいない。 ゴツゴツとげとげした頭に大きな口、キラキラした目に少し洋梨型の瞳、バランスのいい背びれ胸びれ。ただの赤茶色かと思いきや、よく見ると目の覚めるような鮮やかなミントグリーンから微妙に水色や黄色に揺らぐ小さな斑点が頬から肩にかけて敷き詰められている。 餌のゴカイやエビを水槽に放す。ゴカイはクネクネと、エ…
当番ノート 第3期
「今、サナトリウムにいます。みんなに会いたいです」 大学2年の夏。夏休みを終えて部屋に帰ると、そんなメッセージが留守番電話に残っていた。電話の声の主は友人のMくん。 私はそのメッセージを何度も聞き返した。Mくんの声は涙まじりでとても悲しそうだった。私は「サナトリウム」という言葉を「書き言葉」では知っていたが、声として発せられたのを聞いたのは初めてだった。 私とMくんが初めて出会ったのは大学1…
当番ノート 第3期
アラブの石油王は家来をつれて庭に出てきました。 庭のすみっこでつながれている、きもちわるい鳥の悪口を、わめきちらしています。 「あの、暖炉の上のタンチョウヅルの置物も、この、ハシビロコウの ぬいぐるみも、わしのカツラにくっつけるクジャクの髪飾りも ぜんぶ、きもちわるい鳥が口に入れて、つばまみれにして、ぺっぺっと吐き出して汚してしまった! ゆるせない」 鳥は悲しそうな顔をして黙っています。 「だいた…
長期滞在者
どうしても今の自分を肯定できないときは、知人の結婚式に出席するのがいい。 それは何もかも肯定しようとする空気が満ち満ちている場所。 もしくは、知人のお葬式に参列するのがいい。 それはこの世に残されたものをすべからく肯定しようとする場所。 事実がどうであれ、喜びと悲しみという違いはあれ、どちらもしあわせの在るべきカタチをイメージする場所。 あまのじゃくだろうがひねくれていようが、結局なんとなく心動か…
当番ノート 第3期
みなさん、こんばんは。 今回も真夜中に書いているんですが、 ここ最近、気づくと3時です。 3時ですが、 ド真夜中なので、おやつは食べません。 そのかわり、ラジオからは またなんともいえないムーディーな曲たちが流れてきてます。 おかげでじめじめとした夜が なんだかとても良い夜に思えてくる。 音楽ってすごいなぁ。 そうでした。 うっかり始めようとしましたが、 まずはご挨拶から。 7月7日七夕の日に 珍…
当番ノート 第3期
今年は4年に一度のオリンピックイヤー。 また寝不足の毎日がやってきます。 そこで今日はオリンピックにまつわる話をしようと思います。 これまでのミウは、 「ちゃんとコレしとかんなんよ!」 「アレもうしたん?」 と自分がやらなければいけない事をいちいちパパやママに言われながら やってきました。 言ってみれば定められたことを行なう 「規定演技」です。 しかしオリンピックの競技の中には この「規定演技」の…
当番ノート 第3期
自分が産み出したデザインは人の手にわたってはじめて完成する。 それぞれの人の物語が自分の予期せぬデザインを産み出したりする。 そんなモノたちのお話。 <ハッセル画伯のカメラバッグ> 日常使いしていただいているお客様のカメラバッグ。 はじめて見せてもらった時、その傷だらけの体に驚いた。 無数についた傷はいつもさげているハッセルブラッドとバッグがこすれた跡。 革は生きている。 傷はやがてなじみ、うっす…