当番ノート 第5期
結局のところ 写真を通して 「君たちはつながっているよ」 と誰かに認めてほしいのかもしれない。 「君たちは楽しそうだよ」 「君たちは似ているよ」 「君たちは一緒にいていいんだよ」 「君たちはつながっているよ」 (写真:2011年12月 城崎温泉)
当番ノート 第5期
加齢臭と哀愁と 人生に対するある種のきっぱりとした諦めと 昨日飲んだ酒が抜けないあの口臭 長年着込んだ革の上着 箪笥から引っ張りだした一張羅 見比べて着るはやはりいつもの革の上着 くたくただが気に入っているのだ この人生を 風呂敷に包んだ女房を 質屋に入れて預かり賃は宵の酒 スルメにありついたと一息つけば とっくの昔に酒がない 預けるものがもうないが 気に入っているのだ この人生を
当番ノート 第5期
「青森」より 2005 「青森」より 2005 2004年から2005年にかけて青森県八戸市にアパートを借りて住んでいた事がありました。直前までメンバーとして活動していた東京、四谷にあるGallery Niepceでの活動を終え、新たなテーマの模索と作品制作のため拠点を移す事にしました。他にもやはり様々な理由はありましたが、北の地へ向かう事に何かしらの希望を持っていた事は確かな気がします。実際に八…
当番ノート 第5期
・・・・。 ・・・・・。 ・・・。 ・・・。 2012/11/16 ・・・・。 。 2009/8/18 + A woman in the picture is my own. + 誰かが、わかってくれるとか、そうは思わないけれど。 賭けのような気持ちで鳥かごを開け放つ。 ほんとうのことでは伝えられない事を伝えるための嘘のことを、人は許してくれるかどうかわからないけれど。 + 来週の最後の回に、改め…
当番ノート 第5期
あじさいを好きだと気づいたこの夏。 詳しいわけでもなく、ただ好きで。 この秋に撮ったあじさいが、 枯れてるというより、咲いてる途中、 まだこれから咲き誇るのではないかと。 そう思えた実家の脇に咲く、あじさい。 彼岸花。 娘と一緒に自宅のそばのお寺に行った時に。 彼岸花。 学校の帰り道に川の土手にたくさん咲いていた。 娘もこの秋、一本道の通学路で川の向こうにこの赤い花を感じながら、 学校に通っていた…
当番ノート 第5期
さっき、蚤の市での買い物の帰り道、トラムに乗るべくプラットフォームでまっていると、 電光掲示板に、2分後に一本、そのさらに2分後にもう一本、ぼくが乗ろうとしている路線のトラムが到着する、と表示されていた。 水曜日、ベルギーでは主な学校が昼に終わるので、昼過ぎになるとバスやトラムはかなり混雑するのだが、 案の定、最初に到着したトラムはぎっしり満員。そこにさらに多くの乗客が乗り込んでいくのを見て、次を…
当番ノート 第5期
今週は水曜日、バタバタしてるんで、今のうちに更新しとこ。 今日は月曜日の深夜。 野暮用ついでに、ここ何日か高田渡を聴き返しているけど、やっぱこの人は「FISHIN’ ON SUNDAY」以降のバンド時代が一番おもしろいや。 「FISHIN’ ON SUNDAY」「バーボンストリート・ブルース」、「渡」にしてもそうだけど、 僕にとって高田渡ってフォークシンガーというよりバンド…
当番ノート 第5期
秋の淡い空の日に 水色のワンピースを着ていたのは 偶然かもしれないし 何か意味があることだったのかもしれない。 僕は無意識のうちに この場所で写真を撮りたいと思ったのだろうけど もしかしたら 空の色と秋乃の色を重ね合わせていたのかもしれない。 写真を見たとき 秋乃がこの空から現れたように感じた。 同時に また空の中へ消えていってしまうような感じがして 少し切なかった。 (写真:2012年9月 江ノ…
当番ノート 第5期
この 家の風呂場の壁に ぴったりと張りついている この 小さな虫は 今から私が お湯をかけて殺そうとしていることに 気づいているかしら この 小さな虫は 気づいていない ただ 本能で感じとり 逃げるだろう この 小さな虫の 生き延びようとする その心は 化粧をし 良い服を着 過剰気味の食事をして情報過多の毎日に翻弄され 人の視線を気にする私には 失ってしまった 能力だ 今 お湯をかけて流されようと…
当番ノート 第5期
シリーズ「星霜連関」より 2006 シリーズ「星霜連関」より 2006 一回目に同じタイトルの「星霜連関」について書きましたが、今回はこのシリーズ初期の関東地方で撮影したものです。 関東地方にも民俗芸能や祭りは多くあり、春や秋だけではなく夏も冬も行われています。けれどそれは撮影するようになってから知った事で、実際に探すまでは東京や神奈川、埼玉、千葉で現在も本当に祭りが行われているものなのか知りませ…
当番ノート 第5期
くい、と、顎を引いてやって 耳の下あたりに額を寄せて 鼻の冷たさを君へ 吸って這わせて 形を辿る 顎の骨を僅かに舐める 向かい合わせもなんだし、 すっと、 後ろから抱く 指で唇をなぞる 緩んだ口の端から指をいれて遊んでみる 向こうの鏡で顔をみてやる 不服な目と目が合う 堪らなくなって、 一気にそのまま組み敷いてしまう 許された中で できる限り甘く乱暴にして 二度三度 何よりも護りたいものを 自分だ…
当番ノート 第5期
東京に出て半年が過ぎた頃だった。 二人展も終わり、 日本中のワールドカップ熱も下がってきた頃のこと。 秋になり、私は暗室にも通わなくなっていた。 仕事を探し始め、決めたアルバイトは配膳の仕事。 あの、結婚披露宴の場でサービスをする。 結婚式というものが好きだった。人の結婚式に、よく呼ばれていた。 重なる時にはひと月に3本など。まぁ、それはまだ東京に出る前の話だが。 その結婚披露宴での仕事。 上京す…