長期滞在者
東北 I 県の T 知事にツイッターで無邪気な質問が飛んだ。 「知事は若い頃、聖子ちゃん派でした? それとも明菜ちゃん派?」 T 知事は答えた。 「戸川純派です」 読んだ瞬間、もう I 県に引っ越そうかと思ったね。 僕の住む H 県の知事は、大河ドラマ『平清盛』の濃度の乗った重厚な映像表現を見て「海が汚い」と文句を言った男だし、隣の O 府の(元)知事は文楽劇場なんか要らないと吐き捨てた輩である。…
当番ノート 第13期
モノクロの写真は現実の色から少し離れられるところが面白い。 シャッター1つで、黒い粒粒の集まり に変身。 色の情報量が減った分、見る人はそれを補おうと新しい色をつけようとする。 もちろん無意識の間に。 撮った自分だけが知る元々の色を目にすることができない人たちは、 それぞれの胸の中で思い思いの色を塗ることができる。 現実の風景と近い色で塗ってくれる時もあれば、 撮影者からは想像もできないような色に…
当番ノート 第13期
雪のつもり具合に愕然とする日々ですが、白い紙に描き始める時も、同じくその白さに愕然とする日々が続いています。 白い紙は何かしら描かなくても、それ自体ですでに存在が成り立っている。 線を引いた瞬間、やっちまったな〜と思うとともに白にはまり込み身動きが取れなくなる。 ほぼなにも意図を持たずに描いていると、特にそう思う事が多い。 それでも黙々と描き進めて行くと、ある時点から目的とするべき表面が白を覆って…
ショートな絵本
ストロベリーちゃんはイヌとネコがだいすき 3人は、いつもなかよし わたしたち、いつも一緒 どこへいくのも一緒なの ストロベリーちゃんが学校へいっているあいだ イヌとネコは外でずーっとまっている そろそろ日がくれる ストロベリーちゃん、もうすぐ学校からでてくるかしら? ストロベリーちゃん、やっとかえってきた 日がしずむ前にたのしみましょう みんなでパーティー ああ、今日がおわってしまうわ あと少しだ…
当番ノート 第13期
ボンテージルックで失礼します。牧野俊太です。 ご近所のライブハウス「騒弦」の店長であり、このアパートメントでも連載を務めていたノダフルタ(身長4m)。 彼がボーカル&ダンスを担当しているロックバンド、アドバルーンが先日ミニアルバム「エイティーン」をリリースしました。(拍手!) そこで今回はその「エイティーン」の全曲レビューをしてみたいと思います。 まずは1曲目、タイトルトラックでもある「エイティー…
長期滞在者
この題名を打ち込むときに「曇のち雨」が「曇のち飴」に変換されたのを見て、たとえ本当に飴が降ってきても曇り空からではあんまりわくわくしないだろうな、とぼんやりと思った。 パリの冬はグレーだ。 色というものがない。 今年は暖冬で雪も降らなければダウンジャケットさえ着る必要がないので、それだけが救いだ。 一年だけ住んだドイツの冬は暗くて寒くて、思い出しただけでも鬱々としてしまうくらいだったのだから。 寒…
当番ノート 第13期
愛する人について書こうと思ったが、段階が必要みたい。愛することから書かないと。 しかし、自分の中には「写真」というものが大きすぎて、 どこから書いたらいいのか分からん。 色々悩んだあげく、一番素直な話をしようと思った。 きっとそれが一番面白い話だろうから。 例えば、俺がずっとあなたの手や目の動きをみているとしよう。「気まずい」は普通のリアクションよ。 例えば、俺がずっとあなたの裸を眺めている。いろ…
当番ノート 第13期
ぱたぱたと音を立て、走りよって腕をとる。 大人と遊ぶことをよく知っている。 ペンギン!と声をあげてわたしの靴に足を置き、 ブランコに乗る身軽さで身体を預ける。 思わずぺたんと、彼女を抱えてペンギン歩き。 * 大人と呼ばれるひとびとと話し続けていると、 こどもと呼ばれるひとびとの、間合いの近さに驚かされる。 あるいはそこにある、突然に自分に向けられる一種の信頼に驚かされる。 このこは、わたしが大事に…
当番ノート 第13期
2月なので、チョコレートの話を少し。色気づいて(中学か高校辺りに)、気になる相手にバレンタインにチョコレートを贈るのは、ママゴトみたいなものかもしれません。しかし、女の子らしい女の子はその辺りの演出が上手いと言えますし、なにより度胸があります。わたし自身は、度胸がない上にケチだったと思い返されるけれど、その女の子は、買った商品を手作りだと偽って(チョコブランドも少なく手作りが流行っていた)気になる…
the power sink
こんばんは。自分は好きで意味の無い物をたくさん描いているので、それをここに載せる。 意味のない物をたくさん描いていると、どんどん力が抜けていきアイディアも無くなり活力が無くなる。 見て頂けると嬉しいです。では、よろしくお願いします! 12 1.おしゃれな帽子だね 2.変な建物があるし寂しい 34 3.二股の手袋をはめた木がある 4.木のアーチの向こう側には、質素な大地と草しか無いんだよ 5…
当番ノート 第13期
こだわりというものが少ない私でも、 時にどうしようもなく興味の湧くものを発見してしまったりする。 手の届く範囲に置いてしまったら最後、 きらきらと輝くお面をそっとはずして、衣を脱がせる。わりと強引に。 その下にある、薄く何層にも重なった皮を一枚ずつ剥いでいく。 本当はどんな姿をしているのか、 どんな形をしている?何種類くらいの形を持っている? 匂いはどうか、味はどうだろうか、手触りはどんなものか、…
長期滞在者
2月に入ると、ぼくの仕事場は卒業制作のための額装の仕事でフル稼働になる。この仕事は、応対の件数が多く、点数は少なく、大抵の人がプリントの完成がギリギリ、という感じで、ぼくもこの仕事を始めてもうすぐ20年になるけれど、昔も今も学生のやることはあまり変わらないなぁって思います。 額装をする時にまず一番最初にやることは、お預かりしたプリントの画面サイズを全て計測することです。画面は必ず縦横4四辺全部測り…