当番ノート 第14期
この間「とうとうブログに文章書くのやめたんだね」といわれたんだけれど、 そういう訳じゃなくて、絵を説明するのって本当に難しい。私は特にかなりパーソナルな日記のようなものを毎日描いているし、「よし、この絵を描こう!」と決めて描いている訳ではないし。 ただ、「あるフレーズが頭の中に浮かんで、その文を繰り返しながら描くこと」が殆ど。 今回の絵はうまく説明できないけれど、「You can’t …
長期滞在者
まだお日様が上ったばかりの朝早く、いつものように煙猫が私を起こしにやってくる。枕元でひとしきり鳴き、床を唸りながら反復し、また枕元で鳴く。時計を見るとあと2時間は床の中にいられるではないか。もう少し寝かせてください、お願いします、と布団をかぶる。ちょうどいい頃合いにまた起こしに来てくれるはず。そういつものように。それからどれくらいたっただろう、時計を見て一瞬で目が覚めた。針が指しているのは家を出…
当番ノート 第14期
「 フクロウ 」 丸い輝く目を持つフクロウの名前はアルト。 動物園から逃げ出して、自由に生きている。 二度と檻の中では暮らさないと心に決めて。
当番ノート 第14期
「起きてる?」 「起きてる。天気は?」 「朝から雨だって。多分もう降ってる。」 「わー。さむそうね。」 くるりと毛先がはねた寝癖。少し腫れぼったい瞼。ソロソロと寝室から出ていく後ろ姿は頼りなさげで、リビングからうっすらと射し込む光が透過しそうだった。時計を見て安心する。恋人は早番、僕は遅番。 抜け殻のような形をした掛け布団にはまだ暖かさが残っていて、広くなったベッドで何度か寝返りをうつと、僕…
長期滞在者
夢はただ一つ、暗闇の腐肉を食い開き、お互いの魂の光を見つけ続けることだけだ。 あなたがはじめて孤独を感じた瞬間はいつ?自分が本当は誰とも繋がっていないと、はじめて意識したのはいつ? 僕は7歳の頃でした。汚ない校舎裏の庭が、咲き出したリンゴの花で埋め尽くされていた。エデンのよう。木の下に座った僕が日が暮れるまで永遠と小さな白い花を見つめ、ぼーっとしていた。雪のような白い曼荼羅、真ん中に赤い花粉、乳房…
イルボンと小鳩ケンタの空席商会
◇出てくるひと(順不同・敬称略) イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌 小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩 Apsu(アーティスト、文様作家):以下、Apsu aiai tuji (家具作家、三角アクセサリー作家):以下、aiai ◇◆◇◆◇ 【2014年3月の相席】 2014年3月2~16日、Apsu×aiai tuji(△▼△) 展示最終日、陽の落ちたyolcha内にて。…