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2014年3月の相席(記/小鳩ケンタ)

イルボンと小鳩ケンタの空席商会

◇出てくるひと(順不同・敬称略)
イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌
小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩
Apsu(アーティスト、文様作家):以下、Apsu
aiai tuji (家具作家、三角アクセサリー作家):以下、aiai

◇◆◇◆◇
【2014年3月の相席】

2014年3月2~16日、Apsu×aiai tuji(△▼△)
展示最終日、陽の落ちたyolcha内にて。


(「Apsu×aiai tuji(△▼△)」フライヤー)

車掌:小鳩さんは初対面だから何か聞きたいでしょう?

Apsu:はじめまして!!アプスーです(と「まことちゃん」のグアシのようなポーズ)

鳩:はい、分かってます(笑)ふふふ(名刺を見ながら)これ、本名も明かしてるんですね、名刺の中では…

Apsu:はい、そうなんです、名刺を作った時に本名とか作家名とかあまり気にせず作っちゃったんでそのままになってるんですけど、全然本名明かしてオッケー。

鳩:年なんでよく言っちゃうんですけど、コーネリアスで小山田圭吾みたいなもんですか? Apsuで寺本秀成(てらもとしゅうせい)と。

車掌:(またその例えかと)失笑

Apsu:Apsuという作家名のほうが便利かなと、本名は下の名前が読みにくいんで。でもその付けたApsu(アプスー)というのがまた更に読みにくいみたいで、よく間違えられます。アプースさんて呼ばれたりアプスさんて呼ばれたり…

車掌:この前アプリ君って呼ばれてた(笑)

鳩:「リ」がもう全然「ス」とちゃう(笑)

Apsu:で、あとApsuでアプスーなんですけどApus、アプースで覚えてる人も結構多いです。

車掌:ほんとは伸ばすんやね、スーと。

鳩:んで(前情報によると)アプスーは古い神様の名前だと…

Apsu:そうですね。でも、Apsuで検索したらオーストラリアの大学が出てくる事もあるんですよ…

車掌:そういう偶然面白いよね…

Apsu:オーストラリアの大学かーって…

車掌:僕の場合は、、ニコニコ動画のラッパーというのが世の中にはいっぱい居るらしくて、そこに何か有名なイルボンさんがいるらしく…

Apsu:へー、じゃあ負けじとイルボンさんも頑張らなきゃ(笑)

車掌:結構出て来る名前をセルフリサーチしたら同じぐらいの検索結果になって、拮抗してて(笑)

鳩:僕は検索するとアニメの小鳩っていう女の子がいるらしくて、完全に負けてますよ。

Apsu:はがないですね…

鳩:全然知らないんですけど…

Apsu:はがないですね、、はがないっていうね、僕は友達が少ないっていうアニメに出て来る小鷹(こだか)っていう主人公の妹が小鳩ちゃんて言うんですよ…

車掌:ほらー(笑)アニメの話するからー

鳩:しまったー(アニメの話すると詳しすぎてややこしいって)前情報で聞いてたのにやっちゃったねー(笑)あでも大丈夫、書かなきゃいいんだから…

Apsu:全然、好きな所を使って下さい、出来るだけ僕を素敵に、書いて下さい!「やべ、アプスさんマジかっケー」ぐらいの感じで!是非お願いします、期待してますよ!!先生!

車掌:いつからそんな押し強いキャラに(笑)

鳩:(空席商会の企画の中では)新手の、、、あれですね、新手の作家さんですね。

Apsu:展示もね二週間やってるとね、もういっぱいいっぱいでね。

鳩:はいはいはい…

車掌:展示中ずっとみんな喋ってるから、それが疲れるんですよね…

Apsu:普段、睡眠時間がちょっと特殊で、1時間半の睡眠を日に二回ぐらいなんですよ、、で、最近は犬とか猫と一緒に生活してて、結婚去年したんですけど、それが結婚してからちょと睡眠時間変わって、犬と猫の寝姿見てるとやっぱ眠たくなって来るんで、3時間睡眠を日に二回になったんですよ。ちょっと倍になったんですよ、睡眠時間が、で、展示期間中は、夜帰ってお風呂入ってご飯食べて、1時、2時じゃないですか、そっから翌朝10時ぐらいまで目覚めないんですよ! はー、やっぱ疲れてんねんなーっと。

鳩:今普通ですねー(笑)展示をすると普通ぐらいになるっていう、なるほど。

車掌:通常二回に分けてるっていうのは、何時と何時なんですか?

Apsu:夜中と昼寝。

鳩:逆に言うと、一人になればなるほど睡眠時間が短くて、、どんどんクールになっていく訳ですね。

Apsu:食事もほとんどしなくなりますね…

鳩:ほー。

Apsu:今は結婚してから、ちょうど生活して1年半ぐらいになってるんですけど、7キロ太りました。3食か2食作ってくれるから、一人で生活してた時は、1日か2日に1食…

車掌:2日に1食!(笑)

Apsu:全然、作品書描いてるだけの生活やったから、あんまりね、体とかにそういう栄養とか必要とされなかったみたいで…

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(「靴」Apsu)

鳩:普段は主にペインティングを?

Apsu:普段は、、基本的には靴に描くのが一番注文多いですね、生活の軸はそれですね、でまー、時々こういう感じで、誰かと展示させてもらったり、人から呼ばれて靴とか作品だけ送って、展示しといてもらうとかですね。

鳩:あのー、アボリジニーのああいうのとか、エミリーウングワレーっていう作家さん、まあまあ、アボリジニーアートから出て来た。そういう意識と近いとかそういう事はあるんですか?

Apsu:作風的にはー。

鳩:ぱっと見似てるけど違うとか?色々あるじゃないですか…

Apsu:正直言うと世界中の模様を勉強したんですよ、描いたりもしたし、文章でも勉強したんですけど、その先で行き着いたのがあの、アイヌ模様やったんですよ、で、アイヌって言うのは模様一つ一つに意味があって、それを組み合わせる事によって新しいのを成り立たせるみたいな事があるんですけど、それの延長線上で僕が今一応使ってるのが38から42種類ぐらいの模様があるんですけど、その模様を構成していくっていうのに行き着いたんですよ…

鳩:あ、なるほど。

Apsu:シンプルなものをどんどん複雑に構成していくと…

鳩:という事は、割とそのモチーフというか、図像は、無限の事を描いてる訳じゃなく…

Apsu:かなりシンプル。

鳩:決まったパターンのやつを展開させてると…

Apsu:この模様とこの模様は隣り合わせじゃないとダメとか、この模様とこの模様は相性が悪いから外すとかありますね。

車掌:それは自分のオリジナルを描いてるときもそれは、踏襲するの?

Apsu:全部それはやってて…

鳩:そこの縛りというか、はキープなんですね。

Apsu:むしろ縛りが無いと、無限大になりすぎてまうと…

鳩:それは由来はアイヌなんですか?

Apsu:それはおそらくアイヌが近い。

鳩:近いと。

Apsu:それから色んな他の模様を見て行くにつれて、あ、なるほどこういう模様としての解釈や使いかたもあるのかと、で僕が描いてる模様てそこまで複雑なものって無いんですよね…

鳩:その、模様が生まれて来た最初ってね、やっぱり祈りというか神様の形であったりするんですか?

Apsu:最初は子供の頃、迷路を描いてたんですよ…

鳩:あー、はいはいはい…

Apsu:で、迷路から始まって、そのあと14、5才の時に入れ墨を入れたくなったんですよ。

鳩:ふんふん…

Apsu:で、世界中の模様を勉強し始めたんですけど、模様の事ばっかりを見過ぎて入れ墨の事はどうでも良くなっちゃったんですけど、でそれから四国八十八ヶ所とか、屋久島とか野宿の旅をよくしてたんです。その中で、夜中とか夜とかにライトの灯りをたよって、模様とかを描いてたんですよ。そん中でだんだん自分の模様の形というのが形成されていったなと思ってて。

鳩:あーなるほど、そのー、文章に文体があるように、自分の模様の文体のようなものがその時見つかってきたと。

Apsu:そうですね、、で、ちゃんとそれなりに意味が通るように、模様は模様の中でもどういう事が起こってるか、とか。現象として模様を捉えるみたいな感じが好きで、ちゃんと機能してる、、「ここにこの模様は意味が無いな」というのも考えて描いたりしてますけど。

鳩:模様って割とそのー、人を高揚させるとか、落ち着かせるとか、色んな方向性があると思うんですけども、鎮静作用であったりとか、ご自分のはどういう方向だと思いますか?

Apsu:僕の使う模様を、だいたい3つぐらいに分けてて、装飾文様と、意味文様と、文字文様というのに分けてるんですけど、装飾っていうのはあくまでも、模様が主役じゃなくて、模様以外のものを引き立たせるための装飾としての文様で、意味文様って言うのは、もっと模様がダン!ってあるような、であと文字文様ってのは梵字とかに近いような感じの、、でそれをうまく組み合わせて使って行くんですけど、、んで発展系としては装飾って過剰装飾って言葉があるじゃないですか、そうして(過剰に)どんどん全面に押し出すというのが最近は、好きですね。

Apsu:であと間取り図的に装飾を捉えるっていう感じで、動物とかの筋肉とか骨格を装飾として、模様として形取ったらどうなるかとか、マンションとかの家の間取り図を模様にしたらどうなるかとかをやってますね。

鳩:なるほど。

Apsu:うまーく奥行きがドーンで出るようにしたりとか…

鳩:あ、そういう空間感も?

Apsu:かなり意識してますねー、僕は紙全体とか描く物全部に(模様が)施されてないと落ち着かない性格なんですけど…

鳩:ふんふん…

Apsu:そこをあえてちょっと隙間をつくるとか、黒で塗りつぶしたりとかする事によって、新しい見え方を模索してる所ですねー。

鳩:なんか、子供の時に、思春期に迷路を描くっていうのは発達していく段階で多いらしくて、ま、自分の問題を解決したいという意志の現れらしいんですけど、それのより複雑な、大人としての、落ち着く為のアレっていうのもあるんですか?

Apsu:描いてたらやっぱ落ち着きますからね。

鳩:描いてるプロセスが落ち着かせると…

Apsu:描いてへんと落ち着かなくてー。

鳩:それは一日どれぐらい描くんですか?

Apsu:家に居る時はもう、ずっと描いてますねー、、飲みながら、怪談聞きながらずっと描いてますね。

鳩:なるほどー。

鳩:この名刺に載ってる、カニとアリというのは?

Apsu:これはね、カニのほうはシオマネキで、アリは働きアリなんですよ、、で、シオマネキは意味的には潮を招くという意味なんですけど、個人的には富を招く、海の幸を招くという風に取ってます。アリは働きアリという事で、、いっぱい働いて…

鳩:自分が?

Apsu:そう、自分がいっぱい働いて、富を得ましょうねという意味合いです。

鳩:割と、がっつりインタビューみたいになってる。

車掌:なってるね、、だいじょぶですかそれで(笑)

鳩:つっこみが居ないと…

Apsu:若干、まじめ過ぎましたね…

鳩:いやいや、いいんじゃないですか、、んじゃあ、イルボンさんも聞いて…

車掌:ふふふ…

Apsu:なんやかんや難しい事言っても、僕は基本靴に模様描いてる人間なんで、お客さんが喜んでくれる、っていうのが一番(うれしい)

鳩:(笑)「僕は基本靴に模様描いてる人間なんで」っていうファイナルアンサー面白いですね、でも靴は立体というか人の体の形に沿ってるから良いアンサーというか…

Apsu:歩いてたら、靴に目、行っちゃうんでねー、機嫌悪い時とか、調子悪い時とか、靴見たら「こんな細かい模様描くアホがおんねんな」って思ってもらえたらうれしいなって思う。

鳩:あれはアクリル絵の具で描いてるんですか?

Apsu:あれはね、ポスカで描いてます、ポスターカラー…

鳩:え!はがれないんですか?

Apsu:六種類ぐらい、薬、薬品とかを塗ってはがれないようにしてます。

鳩:薬塗らんと、アクリルにしたら薬塗らんでええやん(笑)

Apsu:アクリルっていうのは顔料が入ってるんですよ、水性顔料インクなんですよ、で定着率があれはすごい高いんですよ…

鳩:うんうん…

Apsu:ガラスとかにも、凹凸が少なくてもちゃんと定着するというものなんですけど、ポスカとか、布に描いたらしみ込むんですけど、そこにアイロンかけたりとか、ニスとか、スプレータイプのニスとか、防水スプレーとか、家具用のニスを塗る事によって色落ちしないようにしてるんです。

鳩:発色の問題ですか?

Apsu:発色の問題もありますけど、こうね、層になればなるほど色んな良さが…

鳩:ああ、ああ…

Apsu:それでもやっぱり履いてたら、層がだんだん削れてくる、部分部分によってはそうなるんですよ、そこらへんもまた後で描きなおす事も出来るし、靴底とかもすり減って来たら補修するってお客さんにはアナウンスしてるんですけど、、今までね、補修をお願いされたお客さんて一人もおらんくて、全員がね、新しい靴買ってくれるんですよ。うれしいような、悲しいような、補修技術がどんどん衰えていってる。

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(「靴」Apsu)

車掌:なんか、今まで一番何足もオーダーしてくれる人って?

Apsu:○○さんが四足ぐらい(○○:お客様である事と、有名な方なので伏せ字)

車掌:あ、そう。

Apsu:あと、●●さんが三足かな…

車掌:へー

Apsu:このお二人はよく注文してくれて、色違いとか、新しいシリーズ出すたびに注文してくれて…

Apsu:特に(最初の)○○さんは、お子さんの靴とかも注文してくれて…

Apsu:あとバンドの▲▲さんとかもツアー中に全員注文してくれて、ま、これもアニメ好きで繋がったんですけど…

車掌:ふーん、ふん。

Apsu:でも、あんまり誰が買ったとか履いてるとか、そこまで言いたくなくて、なんか変な気持ちになるじゃないですか、お客さんも全員同じやと思ってるので…

鳩:ふんふんふん…

Apsu:ただ、声優さんが履いてくれるというのは僕はすごい自慢しますけどね!

車掌:ふふふ、あかん!(またアニメ談暴走の方向に)

鳩:アニメがねー、分かんないんだ(笑)怒らないでくださいね、案外バッサリ切りますけど…

車掌:そうそうバッサリ、、この前僕、載せられへん事ばっかり言って(笑)

鳩:そうそう、載せていいんか?って聞きながら「いいよ」って了解とりながら録音したのに、後でやっぱり「やめたい」ってメール来て。(話の肝が抜かれてるから)書き起した僕が面白くないみたいになって(笑)

Apsu:あ、思い出した、うれしかったのは、おじいちゃんが買ってくれたんです、米寿って何歳でしたっけ?

車掌:77? 88?

Apus:その、米寿のお祝いに、自分用に赤い靴を買ってくれたっていうのが、すごいうれしかったですね。

車掌:そのおじいちゃん(靴を)どこで見たん?

Apsu:そのおじいちゃんは、僕が東京で展示してる時に、赤い子供の靴を置いてたんですけど、それが店員さんから「売れました」って後で言われて、お子さんが来たんですか?って聞いたら、米寿のお祝いで自分で、家に飾る用に買っていきはりました、って…

鳩:ほー、家に。

Apsu:そうそう、家に飾って、それと一緒に写真撮るみたいで…

鳩:壷(つぼ)感覚やったんかな?

Apsu:米寿やったら赤いチャンチャンコ着たりするみたいな、それの感じやったみたいです…

鳩:なるほどー

Apsu:あと、この前は、京都のほうで出店した時に…

(京都の神秘の大御所の話題につきカット)

全員:(載せるの)止めとこ(笑)

Apsu:その方も70代かな…

鳩:年齢問わないお客さんがいると。

車掌:(靴の)タイプはバンズ系なんでしょ?

Apsu:そうなんですよ、なのに面白くて、、上は8、70代の方から下は自分のお子さん用に買ってってくれたり…

鳩:案外そのー、模様がいっぱい入ってるって、シックっていうか、落ち着くし、ねえ…

Apsu:僕の模様ってそこまで主張してないから…

車掌:面白いのは、子供の靴のほうが目につくね、、何か凝縮された感があって、、逆に履く用とかじゃなくて、普通にファインアートとして、子供の靴にわーっと一杯描いたりして並べても面白い。

Apsu:ほら、あそこ(と展示の子供靴を指す)ほら、一杯買ってよ!

車掌:(笑)

鳩:と、なるわな

Apsu:僕ね、靴の絵描いとって思うのは、ぼろぼろになった時が完成かなと、お客さんが履き古した感じとかを見て、「これが完成やー」ってね。

鳩:ムンクも自分の絵がボロボロになんのが好きらしくて、海辺にいっぱい絵を立てかけて置いてあったらしくて、一回展示見たけど下がボロッボロで、それが完成やーって…

Apsu:それはドMっすよー

車掌:ちょっと話を、こっちに振るけど(と静かに同席しているaiaiさんを見る)二人は、どういう繋がり方をしたんですか?

aiai:嫁がもともとApsu君と友達やって、それの紹介でライブハウスで会って、その時はさらっと喋ったぐらいで…

Apsu:軽く紹介されたぐらいで…

車掌:何がお互いに気に入ったんですか?

Apsu:何やろ、それからまあ、何年後かにお互いやってる事知って…

車掌:それまではそんなに知らなかった?

Apsu:そうそう、実は木工作家なんです、あ、僕は模様作家なんですよ、となって、お互い何かやりたいですねとなって、僕の作品に木が要る時は彼にお願いしたりして、、その流れですね。

車掌:あとちょっと聞きたかったのは、aiaiさんは立ち位置的に、家具の職人さんなのか、作家さんなのか、自己認識はどう思ってるのかな、と…

aiai:全く意識はした事無いんですね、僕は何だろう、ものを作るのが好きでやってる…

車掌:作家と言われて抵抗は無いの?

aiai:抵抗、、、その基準も分かんないんです、でも職人見てても、作家さん見てても、何か自分どっちにもなりきらへんのかな、というのがあるし、人が下す評価やろうし、あの、もの作る上で、木工に限って言うと、「アーティストで木を使って、表現の為だけに作るもの」のチャチさは凄く気に食わない。そういう意味では、職人の思考回路があると思うし、ただ、普段から色々想像するんが好きなんですね、こういうの作りたい、とかすぐ思いをはせるから、でも職人の人、与えられたものを精巧に作る人を見てると、その思いをはせる思考回路が無いんやなーと思ったり、今までに会った人では…

車掌:うんうん、その立ち位置というか、どっちでもないその場所を不安に思ってないんかなー、と僕は思っていたんです。

aiai:まあ、どっちでもないというか、あまり表現自体は俺はしてるつもり無くてお客さんが望んでるものを想像して叶えたりとか、そういうのが好きで、、んで今回これ(yolchaでの二人展)やるにあたって、前にもちょっと話したんですけど、表現というキーワードを成り立たす為の種みたいなもんが、はじめて生まれたんですよ、それが幾何学、正二十面体とか、そういうのが「自然美」であるという、新たな再発見があって、流木とかほんまの自然美っていうのを、次元の違う同じ自然美を投影さした時でもこんだけ美しいんだっていうのを、表現したいなと、伝えれたらいいなと思って、そんな中でちょうど誘ってくれたから、この思考はやってもいいかなと思って一緒にやろうと…

車掌:その、具体的に自然美っていうのはどういう事を言ってるの?

aiai:人の価値観によるかもしれない…

鳩:流木の自然美っていうのは、普通のアレなんですけど、、幾何学っていうのはミクロの世界?

aiai:正二十面体とか今回のあの照明とかもそうで、あれも、、ウィルス、、細胞を持たない生命、一番ぎりぎりの、もう生物と呼んでいいのか、学者でも(意見が)分かれるぐらいの、ウィルスの世界なんですけど、二種類ぐらいかな、、正二十面体の形をしたやつがおって…

鳩:え、マジですか?

aiai:そんなんを知った時に…

Apsu:ウィルス系、結講三角とか、そんなんで構成されてるの、多いんですよ、ちっさいミクロの生き物とかでも…

鳩:ふふーん…

aiai:そこがリンクして、全く普段生きてると目につかない同じ自然美、自然美のカテゴリーでいうともう、パラレルワールドですよね、完全に違う世界やと思ってるけど共通項があるようなもの…

鳩:あの、、フンデルトヴァッサーが「自然には曲線しか無いんだー」って言ってた気がするけど、ウィルスは…

車掌:でも自然に案外直線てあるよね…

Apsu:鉱物とか…

鳩:ああ、鉱物か。

車掌:いやあ、生き物でもいっぱいね、あるみたいで…

aiai:自然の中にすべてがあるし、自分も自然の一部やし…

鳩:では今回流木の横に正二十面体があるという事が、今回提示したかった事でもあるんですね。

aiai:入り口にある、実験的で、作品としての完成度はもひとつやなと思うんですけど、アルミの中に照明つくってるやつ、最終的には建築の模型みたいなんをイメージして作ってる、、「共存」ですかね。

鳩:なるほどなるほど。

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(「Apsu×aiai tuji(△▼△)」展より)

Apsu:aiai君にはうちの家の家具とかも頼んでたりするんですけど、今回の展示見て思ったのは、何でも屋の要素が強いなって、器用なんで一緒にやる分にはすごく有り難くて、でも、その何でも叶えてくれるレスポンスが細か過ぎて、ちょっと自分の身を削ってないかなと心配になる事はありますね。

aiai:ディティールが低いものは許せないんですよね…

鳩:ディティールのクオリティが低いってことですね…

aiai:そうそう。

Apsu:でもー、ディティールが低いって言うのが全然分からなくって…

aiai:いやいや、でも一般的にあの普通の額にピッて枯れ葉が一枚ついてたら取るやないですか、その感覚に近い…

Apsu:いや、その感覚が分からない。

鳩:ん?今なんか急に分からなくなりました(笑)

aiai:(皿を指して)ここにホコリがあったら取るでしょ?それと一緒ですよ。

Apsu:そのホコリが僕には見えないんですよ、、コレで完璧やんって言っても、まだ足りないんですよって磨きに入ったりとか、バーってやり始めるから、、怖ーって思って…

aiai:あ、その目線は職人の目線として培ったと思ってるんですよ、それは。

Apsu:まあ、そういうとこが面白いなって思ってて。

鳩:二人で活動してる訳じゃなくて、たまに組んで活動されてるんですか?

Apsu:そうそう、木の作品とかお願いしたい時に、aiai君に頼んで。

車掌:もともと彼(Apsu)に声をかけていて僕は、何か展示して欲しいなと思ってて、まあyolchaは去年末ぐらいから二人展軸にしてて、っていう話をしてて…

鳩:え?yolchaが?

車掌:そそそそ。

鳩:うそ…

車掌:そうですよ!

鳩:偶然ここ、不思議な事に二人展が多いなーと思ってた(笑)軸ってたんやー

Apsu:僕ここでひとり展でやるには自信が無かったんですよ、だいたい作品を展示するっていうのを去年ぐらいからしかしてないんですよ、それもソロで展示するってほとんど無くて…

車掌:それが意外なんですよ…

車掌:んで二人でここでやる話になった時に、二人とも、もともと独特で濃いから、何かけっこう一緒にやってもらうにしても難しいなあと思ってて、でも二人でがっつりドーンとやりたい感じがすごい伝わって来て、じゃあ集大成としてやってもらおうと。

Apsu:ここ(特殊なyolchaの空間)で一人でやるっていう度胸は無いっすわ、まだ。

車掌:みんな度胸も無くてやってるんやけどね(笑)

鳩:ちょっとトイレ行っていい?逃げじゃないからね(笑)aiaiって何故aiaiなんですか?

車掌:ツジアイ君

aiai:あだ名がaiaiって、基本ツジアイって呼ばれてるんですけど、唯一ついたあだ名がaiaiで。

鳩:ほー(と言いながらトイレへ)

(車掌、Apsu、aiaiの3人で喋ってる。今この文を書いてる小鳩がここに書き起すのは何かさみしいので割愛)

鳩:(戻って来て)あの、ミニモニ。って居たじゃないですか?

車掌:え?

鳩:辻希美さんと加護亜依ちゃん、ツジアイだよね、言われた事ありますか?

aiai:無いです。

鳩:無いよね、世界観が違うもんね。

車掌:失笑

鳩:アイっていうのは愛?LOVE?

aiai:えーっと、合格の合です。

鳩:あっ…

車掌:愛な訳無いじゃん(笑)

(お酒とチーズで皆酔ってきてる)

Apsu:僕アレですわ、作家活動始めようと思ったきっかけが、今ふと酔っぱらってるから思い出したんですけど、ずっと僕見張られてるっていう気がしてて、四国八十八ヶ所まわってた時に、一番最後のお寺の付近で崖から落ちたんですよ…

鳩:うーん…

Apsu:その時、根っこに偶然引っかかって生き残れたんですけど、、はっ、これもしかしたら見張られてるんじゃないかなと思って。

鳩:見張られてるっちゅうか、それ…

鳩、車掌:見守られてる!(笑)

鳩:意味全然違うよねー!

Apsu:その後、屋久島でちょっと漁師してたんですけど…

aiai:漁師してたん?似合わねー、無理やろう…

Apsu:網投げるだけやったから、引っ張るだけやから、出来た(笑)んで、そん時によく聴いてたアーティストの曲を聴きながら山登りしてて、で、自分の泊まってた山小屋あるんですけど、その近所のおっちゃんがご飯食べさせてくれるって言うんで行ったら、そのアーティストがおったんですよ!やっぱ俺、見張られてるわーって。

車掌:だからー(見張られてるじゃなくて)

Apsu:この先俺は何かしなきゃいけないなって思った、見張られてるから。

鳩:あのー、クロマニヨンズの歌詞に「夢が俺たちを見張ってる」っていう表現があるけど、そういう意味合いですよね。

車掌:(笑)

鳩:言うたった、見張られてるってしつこいから言うたった(笑)

Apsu:いやでもね、見張られてるんですよ、んで何人かの姓名判断の人によると早死にやけど何かを残すって言われて、それとリンクして、あ、僕は何か世に残すんやな、と。

鳩:今おいくつですか?

Apsu:今29です、この前29になりました、誕生日プレゼントいつでも受付中なんで。

車掌:そういうキャラやったっけ(笑)

(ここからこの記事の録音の話になって)

車掌:毎回ねー、全く雰囲気が違うからねー(笑)

鳩:振り幅が大きい…

車掌:作家さんて感性の人と、話の引き出しのある人と、二極端に分かれるから、、あなた(Apsu)引き出しの人だと思うんだけど(笑)全然違うよね、会の流れ方がね…

鳩:もう、質問しまくっても出てこない回とかあるんですよ(笑)

車掌:でも時にそういうのが爆発すると面白い…

Apsu:僕はその感性の人がうらやましいんですよ、僕は根本的に才能の無い人間だと思ってるので、、やからもう、絵がうまい人とかむちゃくちゃ凄い絵見た時に、勝てへんなーっと思って、やからこそどんどん模様に…

車掌:何か、、こんな事言うとアレやけど、すごいコンプレックスは感じるよね。

Apsu:コンプレックスの固まりで、、初対面の人には全員嫌われてると思って生活してますから…

車掌:ある意味自信家やけど、その裏にあるコンプレックスはすごい感じる(笑)

Apsu:基本的には嫌われてると思わんと、あの、落ち着かなくて、、イルボンさんも最初会った時、絶対この人は僕嫌いやろうと(笑)

aiai:あ、俺も俺も

鳩:俺も俺も

全員:(笑)

Apsu:展示一週間目ぐらいまで思ってて、、

車掌:めちゃ最近の話やん(笑)

鳩:それは僕の言ってるのとまた違うなー(笑)

Apsu:で、一週間目ぐらいから、、あれ?この人もしかしたら俺の事好きなんちゃうかなと、考え方改めました。

鳩:(笑)先週の話…

車掌:ちょっと待ってよ、何その告白(笑)

文責/小鳩ケンタ

小鳩 ケンタ

小鳩 ケンタ

詩人/コバトレーベル主宰

イルボン

イルボン

詩人/詩演家。またはgallery yolchaの車掌。
ジンジャーエールと短編映画と文化的探検が好物。

2006年、第一詩集「迷子放送」を上梓。
2007年、自らの詩の語りとパフォーマンスに半即興的に音を乗せる、活劇詩楽団「セボンゐレボン」を結成。
2010年、大阪で多目的ギャラリー「gallery yolcha」を運行開始。

※gallery yolchaは、大阪・梅田近くの豊崎長屋(登録有形文化財)に位置する特殊な木造建築です。この屋根裏部屋とバーカウンターがあるギャラリースペースを使って、共に真剣に遊んでくれる作家を常時募集しております。詳細は上記リンク先をご覧下さい。

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