当番ノート 第22期
荒川さんの天命反転漫画を描いてからも、 僕は商業誌でプロの漫画家になる道を、模索していました。 僕はいつも、人間と妖怪が出てくる漫画をかいていました。 妖怪の絵は得意だったのですが、人間の絵があまりに下手すぎて、うまく描けず、それが悩みでした。 そのことを、同じように漫画家をめざしている、一週間だけ付き合った女の子に相談すると、 セツモードセミナーにいくといいよと、教えてくれました。 セツは絵の学…
はてなを浮かべる
「自分」と「それ以外」に思えてしまうのはなぜ? 薄い層の積みかさねで息がしづらいのかな? 囲まれていたいと思うのは変かな? 気付いていないだけで優しい目隠しをされてる? 深い時間に溶けて、陽を浴びると戻る これっていつまで続くの? そのままを伝えるって一生…
当番ノート 第22期
昨日から熊本へ出張しており、 今日は今から高千穂の神社へ籠もり、作品制作をしてくる。 今までも神社に居候して制作してきたけれど、それは社務所の中で。 今回は、ご神体のある、とても貴重なスペースで制作をさせていただく。 空海や、良寛。 彼らは仏教や密教だけれども、 私の尊敬する文字を書く表現者たちは、 何年もこうした行をおこなっていると聞く。 ただ、私は修行者でもない。 修験者でもない。 私が書を始…
長期滞在者
「せかいいちおおきなイモをねがったらどうです?ふゆじゅうたっぷりたべられるし、このたねをうめて、みずをやって、まっているだけで、ほかにはなにもしなくていいんですから」 『ジェイミー・オルークとおばけいも』より 「お昼ごはんなあに?」「今日のお昼はじゃがいもよ。」じゃがいも?それが献立の名前ではないというごく当たり前のことに気付いたのはだいぶ大きくなってからのことだった。粉吹き芋でもポテトサラダでも…
当番ノート 第22期
Gâteau:ガトー。お菓子。男性名詞。 《La princesse Néfertiabet devant son repas》,2590−2565 BC. 焼き菓子に手を伸ばすNéfertiabet王女。 古代エジプトでは、埋葬用の壁画に、死者の食事風景が描かれた。 こんなにも昔から、甘いものは人々の心を掴んでやまない。 この世で最も儚げなお菓子は、六花亭の「六花のつゆ」だと思う。 蓋を開けた瞬…
日本のヤバい女の子
【9月のヤバい女の子】 ⚫︎なよ竹のかぐや姫(竹取物語) ----- 《竹取物語》 「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」彼は野山にまじりて竹を取り、妻とふたりで暮らしていた。人生は穏やかだった。 男はある日竹やぶで光を放つ竹を見つけ、そして小さな女の子を見つけた。夫婦はよろこび、感謝して、自分たちで女の子を育てようと決めた。その日以来翁は竹やぶでたくさんの砂金を見つけ、どんどん富んだ。女の子も…
当番ノート 第22期
– – – – – – – – – – – ◆前回までのあらすじ 嘘のタカダノババ、嘘の映画、嘘の夏を書き、そして雪を軸に嘘の思い出を交えながら一足飛びに大学時代を振り返るわたしに、幻の姉が問いかける。「他には?」「他にって?」「他に、ここにはどんな嘘を書いたん?」わたしはおもう。嘘をつくことと、黙っていることは同じだろうか。 – – – – – – – – – – – ほんとうは、目をつむって…