長期滞在者
思い込みが強いタイプの人間は、少なからずいる。相手の言葉に耳を傾けることなく、自分が絶対的に正しい、と信じてやまないような人が。その様は、言い方によっては、ヒステリックとも形容できるのかもしれない。 ここでひとつ、河童の話をしてみたい。 日本の妖怪のビッグスリーといえば、鬼・天狗・河童あたりだろうか。そのため、それぞれ多様化しており、天狗であれば、「木葉天狗」「烏天狗」などのように種類も分かれ、そ…
当番ノート 第27期
21時30分。 旧校舎の前に立つアタシは、無印の袋を手に提げて腕時計ばかりが気になる。七夕の翌日。 アタシの願い事といったらなんでしょう、それは、思いつかない。強いていうなら、名前を付けて欲しいと思う。自分が何者かもわからないままで生きていくのは、とてもしんどいことだから、誰かに名前を付けられて、ちんけだなんだとそやされても良いし、名前があれば安心する。名前というのはどうやら自分でつけるものではな…
当番ノート 第27期
本を買ったタイミングって、突き詰めてみるとけっこう面白い気がする。自分の興味がよくわかる。わたしは、普段あまり本を買わない(書店員なのに)から、尚更。 ほんの数日前、働いているところよりもずっと大きな書店へ行って、勢いづいてレジまで持って行ってしまった一冊が、李龍徳『報われない人間は永遠に報われない』。 「恋愛そのものが根源的に抱える出口のなさを映し出す」「現代を見事に映した秀作だ」と帯に寄せられ…
当番ノート 第27期
いつの頃か、ファシグラが終わると参加者の方に「どうしたらファシグラできるようになるの?」と聞かれるようになりました。 正直な所、この質問をされるとかなり困りました。 僕自身は、試行錯誤しながらかき続けてきた経験があったから、1歩づつ前に進んでいけた。ファシグラが自分の生活の中で日常化しつつあったからこそ、ファシグラしてる時に自分の中に起こっているプロセスを言語化はしていませんでした。 それは食べる…
当番ノート 第27期
毎回、私の駄文という欠陥だらけの素材を、ヤカさんという素敵な女性が絶妙な味付けと盛り付けで本来のポテンシャル以上の仕上がりへとdish upしてくれています。 Link(ヤカさんのページ) その包み込むような文章からも伺える、優しく、そして人を幸せにする能力に溢れていること間違いないご本人とは、まだ直接お会いしたことがないのですが・・・ うっかりお会いして口説き始めてしまってもご迷惑でしょうから、…
長期滞在者
昨日6月25日に、テロ事件直後にはCNNにテロリストの巣窟とまで言われたブリュッセルのモーレンベーク地区にあるパークファームという公園で、とあるイベントがあった。パークファームはもともとその敷地で2年まえに行われた催し物のために作られ、その後取り壊される予定だったグラスハウスを再利用し、それを運営する形でその地域のコミュニティーのためのイベントの中心施設になりつつある。 このグラスハウスを守ったの…
当番ノート 第27期
只今6月27日(月)の2:30。草木も眠る丑三つ時、と言いたいところゲコゲコ蛙が啼いてます。 今晩からフタビの東京出張 one more 行脚、先週は一週間奈良に居ましたが隔週での東京と 来SS向けのご提案も佳境、7月にもう一度伺って一旦落ち着く感じです。 その間に関西や中部のお客様にも伺わねば。 先週は月曜から品質トラブルにて泉州出張、直前の先週土日も同じく泉州の友人夫妻宅で 素敵なディナーにお…
はてなを浮かべる
① たっぷりの水ではてなを茹でる 沸騰する前、生ぬるい水のうちから とぽん、と手のひらほどの大きさのはてなを沈みこませる。 慌てず騒がず、じっと見守る。 しばらくするとはてなは様子を見るように そうっと水面に顔を出し始める。 弱火でじっくり じんわり温めると はてなはやがて目を閉じる。 そうしたらもう大丈夫なので 私も一緒に目を閉じる。 ② なにかしらの粉末を加える はてなが十分に温まったら、棚か…
長期滞在者
おかあさんは、ぎゅっと くまきちをだきしめました。すると、「くるしい!」「ばかあ!」「とんちき!」「わるものお!」というこえが きこえてきたので、おかあさんはびっくりしました。 (『ありこのおつかい』より) 今日の読書の授業は昔話の紹介だ。読み聞かせも終わり、各々読む本を選んでいる。K君が書架の間を歩きながら、「パンツパンツパンツ……」と連呼している。別に「パンツ」と言いたいなら言えばいいのだ。い…
日本のヤバい女の子
【7月のヤバい女の子/口紅とヤバい女の子】 ●倩兮女 ――――― 《倩兮女(けらけら女)》 良い夜だった。男は一杯引っかけてほくほくと夜道を歩いていた。飲み歩いているうちに随分遅くなっていたらしく、辺りに人影はない。 最初は酔いのせいだと思った。誰もいないはずなのに、視線というか、気配というか、とにかく何かが「いる」ような感じがするのだ。 始めのうちは「昔はいくら飲んでもそんなことなかったのに俺も…