長期滞在者
「いーるかいらんか、じゃんけんほい」 という言葉が唐突に思い出されて、何だったっけかと古い記憶を掘り起こしてみる。 小学生の頃、空き地で野球をするのにチーム分けをする。いつもリーダー2人は決まっていて(2人は群を抜いて野球がうまい)、その2人が交互に集まった子供を自分のチームに引き抜いていく。2チームによるドラフトだ。 1人余ったら、リーダー2人が「いーるかいらんか(要るか要らんか)」じゃんけんを…
当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには、失敗しても何度でも立ち向かう精神が絶対不可欠だ、少なくとも私には。 2002年8月、長野県上田市旧西塩田小学校で開催された「海の向こうより山の向こう」という展覧会は、20代前半の美術大学を卒業したり・してなかったりの人たちで構成された実行委員会(私が実行委員長をやらしてもらった)が主催であったにも関わらず、21日間の会期で5603名の来場者があり成功裏のうちに終わった。どんな…
長期滞在者
表現とは世の中の常識からちょっとはみ出たりして、多くの人の無関心なことにさざ波を送るようなもので、ある種の違和感を生じさせるようなもの。それなのに、展示構成や、セレクションの助言の現場では、会場全体のバランスを重視する傾向が強い印象を持ちます。はみだすことを是としていたはずが、なぜ土壇場の発表直前に急にバランス感覚を持ち出してくるのか不思議で仕方がないのです。もちろん、練り上げられた構成、配列も含…
当番ノート 第34期
ハロー エブリワン。 イェーイ! 元気ですか? 私は今どんなことを言葉にまとめようかなって、考えて選べずにいる。 いろんなことを書きたいと思うのに、気分が乗らなくて、上手にテキストにまとめられなくて、何か嘘をついて、どうにか締め切りを伸ばしてもらえないかなーと怠惰なことばかり考えている。テキストを書きたいと言い出したのは私の方なのに、本当に私はいい加減なやつ。 でもこうやって書き始めてみると、なん…
当番ノート 第34期
このアパートメントで、私は期間限定の住人です。 ここに来たわけは、「ながれ」です。いつものことですけど。 そのうち、すぐに出て行かなくてはならないので、表札はありません。 せっかく来たんだから部屋の中も、どうぞ見て行って。 壁や床はところどころ傷んでいるけれど、良く言うと味があります。 近々ぜんぶDIYして、素敵な木目の壁に変えてやるんです。 キッチンは群青と水色のタイル張りで、清潔でシンプル。 …
Mais ou Menos
ぴちゃん 今日はすごく涼しいね。ここ数日、雨の日が続いているけれど、すごしやすくてたすかる。 この一ヶ月間は、いろんなことが起きて、いろんな変化があった。体調不良の理由がわかって、検査のために一週間入院をしたり、毎日のルーティンがすこし変わったりしたね。なにより、自分が指定難病になるなんて、まったく予想してなかった。メンタルの問題でもなく脳の問題だったなんてね…。 個人的には、この数ヶ…
当番ノート 第34期
前回に引き続き[家族]について書かせて頂きます。 とれえず兄弟 四人兄弟なので私以外にあと三人います。兄は特養老人ホームの施設所長、弟は一般企業、妹は作業療法士、皆それぞれ面白そうな仕事に就き、めちゃくちゃ素敵な伴侶を得てます。兄弟仲もとてもよく、お正月に「隅田川七福神めぐり」の一箇所として忙しい百花園を、兄弟と各々の伴侶は子育てしつつ、仕事の休みを捻出して手伝ってくれるのです。そして正…
当番ノート 第34期
日曜日、土砂降りのフジロックが明けて晴天だった。 越後湯沢駅から最終日の苗場へ向かう、軽装の人々を横目に帰路につく。上野で友達と別れ、まだ耳の奥でグルグル回っている昨夜の残響が消えないうちに、昨日一昨日観てきた人達の作品を探しにレコード屋に向かう。 レコード屋に入ると、誰かの対談イベントをやっていた。声の主が誰かはわからない。ヒップホップの話をしていることはわかるけれど、なにぶん疎いもので、陳列棚…
当番ノート 第34期
1点の傑作を作るには他者との摩擦が必要だ、たとえ交流の仕方すらわからなくてもまた、その他者が交流を望んでなくとも。すなくとも私には。 新しい千年紀が幕を明け2001年、私は横浜にいた。1990年代後半、私は富山県の片隅で工場勤務のかたわら美術を志していたが東京からやってきた美術大学の学生たちと出会ったショックにより5年も勤務した工場を辞めBゼミという横浜にある現代美術の私塾に通い始めていた。 この…
当番ノート 第34期
最近ガンジス川のことをよく考える。というか、思い出したり思いを膨れ上がらせたりしている。 カレーがテーマのグループ展に参加すると決ってから、ずっと繰り返しインドのことを考えている。 今までずっと思い出すことなどなかったのに。 例えば、毎日通っていたラッシー屋さんから見えた8〜11人くらいの男達が花や衣装で彩られた死体を担いで、かけ声を掛け合いながら運動会さながらガンガーの火葬場に向かって爆走してい…
当番ノート 第34期
築29年のたかだまなみです。そろそろ水回りをリフォームしたいお年頃。 アパートメントで過ごすひと夏は、人生の「岐路」を思い出して過ごしています。 あなたも一緒にどうですか? 私という部屋は仕切りがなくって全部見えるし、声だって筒抜けです。 すみっこには、やりかけて夢に終わった趣味の道具や、何が楽しいか全く不明であろうガラクタが積んであります。 でも、あなたが来て、一緒のじかんを過ごせるのを楽し…
the power sink
表題:げぇ〜!!またまた、再びあのケージの中だ!くっそう! 今回も絵を載せます。見て頂けると嬉しいです。 ではよろしくお願いします! 雲はひび割れていたっけ 僕は輝く星の下で、全身全霊で、力いっぱい嘘をついた 僕達は根っからのワルではないけど、何となく、とても盗みがしたくて軍手をはめてみた。顔にマスクもはめたかもしれない。でも、…