長期滞在者
デスモプレシン試験ー 入院4日からは、実際に薬を使って症状を抑えることができるのかを検査することになりました。デスモプレシン点鼻薬を投与し、バソプレシンが下垂体から分泌されるのかを確認しつつ、この薬で症状を緩和できるかを調べるための試験となります。デスモプレシンは、とても原始的な点鼻薬で、細い透明のチューブに薬の分量を測る目盛りがついていて、チューブの端から必要な分量の薬を注入します。片方の端を鼻…
当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには。この書き出しで始まる自伝も、今回で最終回である。 本当はもっと書きたかったのだが、生来の時間づくりがヘタクソ・ぐうたら・段取り嫌いが祟り、道半ばでこの自伝が終わってしまう。それは惜しいので駆け足で書こうか、、、と思ったが、「遅い、のろま」と自他ともに思われても、わずかづつ積み重ねていくしかないとひらきなおって、前向きに道半ばでこの自伝を終わろうと思う。 一点の傑作を作るには、…
当番ノート 第34期
突然、暮らし方がわからなくなる。 突然、歩き方がわからなくなる。 突然、あり方がわからなくなる。 そんなことがよくあるよね。 ただここに存在するだけのことがどうしてこんなに難しいのか。 ホワイ?と天を仰いで神様に祈って、空に接吻。あら、まるでパープルへイズみたい。えへへへ。つって髭が特徴的なスキンヘットの男の人に抱きしめてもらうと余計な事を考えると気が紛れてとてもいい。 最近は金の事ばかり考え…
長期滞在者
上原隆『友がみな我よりえらく見える日は』(幻冬舎アウトロー文庫) 仕事でなんとなく不調が続き、恋人を怒らせ、打ち合わせで雑に扱われる。みじめな気持ちになることが続いたその日の夜は、進まない原稿を放り出し、気になっていた本を読むことに決めた。 読んだのは、上原隆の『友がみな我よりえらく見える日は』。タイトルは石川啄木の句からの引用だけれど、誰しも一度や二度はそういう気分になったことがあるだろう。常に…
当番ノート 第34期
ようこそ、ようこそ。 私のアパートメントへ。 ひと夏と少しの秋の思い出をダンボールに詰めて、明日私はこの部屋を出て行きます。 (そして例のごとく、ダンボールに仕舞い込まれたモノは今後、開封されないでしょう。) この部屋では私語りとして「岐路」を振り返りました。 岐路を考えることは、自分の構成物を考えることです。 構成物を見るということは、これからのことを想像することでもあります。 最後のお話も、あ…
当番ノート 第34期
あっという間の千秋楽 私がこのアパートメントの話しをいただき、下書きを始めた頃はまだ夏も来ていない時期でした。拙い連載期間が終わる今、百花園の庭はもう萩も終盤となり、秋本番へと移りました。そろそろ落葉もはじまります。 時の流れは速いですね、今年は特に上半期に私の結婚式・祖母の葬儀と言った冠婚葬祭が続いたので、私にとってはこの連載の話しを貰った時が今年の始まり・・・的な感覚がありました。オ…
当番ノート 第34期
ジ・アパートメンツの”A Life Full of Farewells”。 駄洒落というつもりでも無いけれど、この連載を毎回1つの作品を取り上げる形で書き始めてから、最終回はこの作品にしようと決めていた。 ジ・アパートメンツはピーター・ミルトン・ウォルシュというシンガーソングライターを中心に、オーストラリアのブリスベンで1978年に活動を始めた。ザ・スミスなんかのジャングル…
当番ノート 第34期
先週は失礼しました。 本来なら秋田での個展のエピソードから、6年棲んだ横浜のことを書く予定でしたが、絵画のコンクールの〆切があって途中でやめてしまいました。本当にごめんなさい。 一点の傑作を作るには他人との摩擦が必要だ。自分には想像もつかぬほどのスピードで走り続ける人に、伴走もしくは後塵を拝しながらでも走りもしくは歩き続けるべきだ。少なくとも私はそうだ。 2009年7月に秋田市で開催した個展はまさ…
当番ノート 第34期
眠い。 私はいま、とてつもなく眠い。そんな片足夢につっこんだ状態で8回目のアパートメントを書こうと思う。 時代は変わり。現代人はスマートフォンという手のひらサイズの光る板のようなモノを持ち、その板はもちろんただの板ではなく、電話、手紙、CDプレイヤー、新聞紙、写真機、家計簿、掲示板…等の役割をすべて担ってくれるのでとても便利で、しかもそれはどこでも持ち運べるので電車、会社、カフェ、自宅はもちろんト…
当番ノート 第34期
考えというのは、どこかに偏りがちなものだ。 口論になったり、排除したりされたりする。 程度の差こそあれ人の考えは偏る。それが良いとか悪いということではない。 社会の中では自分でえらんだ正解が、正解じゃないコトは多々あるし、 正解と確信するからこそ喧嘩になるし、生きにくくなったりする。 でも、他人がどう言おうと”これが私の正解だ”と何か芯になるものはあったほうが良い気がする。 それがなければいつまで…
長期滞在者
僕が写真を始めたきっかけは以前にも書いたことがあるけれど、ペンギンだった。 24年前、南米チリでフンボルトペンギンの生態調査をする研究団体の調査旅行に参加して、ペンギンの営巣地の様子を記録撮影するためにカメラ機材を揃えた。 詳しい話はこちら → 「ゾディアック!」 南米の調査旅行から帰ったあと、僕は当時飲食店バイトかけもちのフリーターだったので、旅行中に使ったフィルム代プラス現像代(自腹)、無理し…
当番ノート 第34期
私が日本人に知って欲しい「ネウボラ」 えっ!??ネウボラってなに?って思いますよね、私もこの単語がサラッと言えるようになるまで時間がかかりました(笑)ネウボラはフィンランドにある出産妊娠子育て支援センターです。簡単に説明すると、妊婦と幼児への知識豊富な保健師さん(ネウボラおばさん)が妊娠が解った段階から就学前児とその家族の相談や定期検査をする施設です。 フィンランドの女性は妊娠した…