長期滞在者
「人生は運ゲー、とにかく行動したほうが勝つ」。そんな言葉が妙に真理に感じてしまうのは、自分が勝っていないほうの人間だからだ。 サイコロを振ろうとすると、いつも不安に頭を支配されてしまう。1が出るのは恥ずかしいし、6が出てもなんだか後ろめたい。安心するのは3や4だけど、それが本当にほしいわけじゃない。あれこれと考えているうちに、タイミングを逃したり、棄権することを正当化してしまったりする。 出目がな…
当番ノート 第42期
イスラエル(15℃)→ニューヨーク(-10℃)→オーストラリア(30℃) NYはとにかく寒い。来週にはオーストラリアへ向かうことになっているので、二週間で冬と夏とを体験することになる。イスラエルは気持ちのいい気候で、自然と地元の人との話もはかどった。しかしここNYではそうはいかない。誰かが声をかけてくる雰囲気をかもしだそうものなら、お願い、立ち止まるの無理!声かけないで!だって寒いんだもん!と、…
当番ノート 第42期
・・・ こんばんは。当番ノート42期のヨシモトモモエです。 毎週火曜は私のお部屋で、のんびりしていきませんか。 27歳・実家暮らし。 会社勤めを楽しくしながら、家業を手伝い、踊りなどもしています。「踊れる・食卓」では日々のくだらなくて、けどすこしくだるなぁ、と感じたことをゆるっと書いていきます。 ・・・ 第九回:ソルティおにぎり 母が風邪を引いた。 いつもそうなのだけれど、誰かが風邪をすると、母は…
長期滞在者
今年はいくつあなたと一緒に歓び合えるだろう? 2018年の年末から息をつく暇もなく、2019年に突入。毎日駆け回るように動き続けている。 そんな日々の中、「いつか一緒に」という念願の仕事が、1月から実現した。 2019年1月13日。 Bリーグ、横浜B-CORSAIRSの細谷将司選手、橋本尚明選手のトークショーの司会を務めた。 この仕事は、かつて私がUSENの音楽番組を担当していた時に知り合ったバス…
当番ノート 第42期
先週の土曜日、朝の8時頃にヘルシンキの中央バスターミナルに着いた。眠かった。ターミナルにあるキオスクの前から、朝ごはんを食べている友達のマリ*を見つけた。もう一人の友達、ロッタは、バスの出発時間より5分前に急いでやって来た。私たち三人は高校の同級生で、クオピオと言う東フィンランドの都市へ向かおうとした。二年前にもう一人のクラスメートハンナが、その都市へ引っ越したのだ。 私にとってクオピオへ行くのは…
長期滞在者
〈ミラノ・マルペンサ空港〉 垂直に跳ねる。なるべく直角に、真上に向かって。目の前の景色はどう変わるだろうか。 垂直行動によって鼓動が早まり、身体に高揚を生み出す。私は日頃、なにか困難と向き合った時、どこでも良いから、上に向かって10回ジャンプすることを心がけている。人は日常生活において垂直に向かって行動する機会が少ない。ケーブルカーの日本一急勾配を記録として持つ高尾山のケーブルカーは31度18分。…
メニハ ミエヌトモ
パルコで「におい展」が開催されていたので行ってきた。 良いにおい、臭いにおいが展示してあって実際に嗅げるというこの催し物、何と大目玉は「シュールストレミング」が嗅げるという、私にとっては願ったり叶ったりの催し物であった。 シュールストレミングとは主にスウェーデンで消費・生産されるニシンの缶詰で、「世界一臭い食べ物」とされている発酵食品だ。 日本で臭い食べ物といったら「くさや」が挙げられるが、シュー…
長期滞在者
以前お世話になって早2年。 今月から、毎月24日に記事が公開されることになりました。 月に1回ということで、あれなんで。 前回よりほんの少し多めに書こうと思ってます。 24日というと、私が住んでいる西調布駅では、いくつかの飲食店で割引となる。 多分、西日暮里でも西永福でも西九条でもどこでも、西と付く駅の周辺ではありきたりなはず。 といっても、大抵の場合は気付いたら24日は過ぎているし…
当番ノート 第42期
からだがミシミシと悲鳴をあげている。。。 私の膝は前十字靭帯と半月板を損傷している。新体操選手時代に背骨も二つ左にずれてしまった。なので、ちょっと一生懸命踊り出すと膝と腰を支える筋肉群が唸り声をあげはじめる。。。そう、いまだってほら。。。 ダンサーはアーティストだが、それと同じくらいアスリートだと思う。もちろん、身体を鍛えていなくても、高齢でも、踊れる踊りはある。ダンサーは何歳まで続けられるの?と…
当番ノート 第42期
・・・ こんばんは。当番ノート42期のヨシモトモモエです。 毎週火曜は私のお部屋で、のんびりしていきませんか。 27歳・実家暮らし。 会社勤めを楽しくしながら、家業を手伝い、踊りなどもしています。「踊れる・食卓」では日々のくだらなくて、けどすこしくだるなぁ、と感じたことをゆるっと書いていきます。 ・・・ 第八回:漬物というルーティーン こうやって毎週アパートメントに、私が自由気ままに書いた文章を載…
ギャラリー・カラバコ
もう雨が降り続いて3週間になる。 窓の外の、トタンが鳴る音に耳が慣れて、すっかり聞こえなくなってしまった。 いつも以上に、鍵が手に冷たく、骨に響く。 〈前回までの展示〉 『縫い目』 『つむじ』 『鏡』 『耳鳴り』 『植物園』 『刺繍』 『ノコギリ』 — 「発酵」 絵: 古林希望 文: カマウチヒデキ ーーーー 共通のタイトルだけを手がかりに2人の作家が絵と小説を別々に制作し、掛け合わせていく企画「…
当番ノート 第42期
この連載を始めた時、新しい部屋と8月に戻って来た母国を何とかして心地よい場所にしなければならないと書いたが、気づいたら早いものでもう一月の中旬になり、何もしてない。カーテンもカーペットも購入していない。ちょっと変わったのは、ぱっさりと切った髪の毛だけだが、それだけで気分が変わる訳ではない。 冬のフィンランドの日常について、誰か他の人が書いたら、私より百倍面白い話になると思う。アウトドアが好きな人で…