当番ノート 第44期
――お金持ちになることに憧れますか? そうですね。都心のタワマンの最上階に住んでみたいです。 ――今の仕事には満足していますか? まあ、はい。有名な大手ですし、給料も待遇も良い。そりゃ社会に出れば色々あるので、100点満点ってわけにはいかないですが、デカい失敗してもフォローしてもらってきましたし、そうやって自分も下の尻拭いしてみんなでやってきたんで、しんどいとかそういうのはあまり。でもときどき、考…
それをエンジェルと呼んだ、彼女たち。
ジェニーは褐色の肌が美しいアメリカ人。私の一番最初のホームステイ先の女の子だった。中学2年生の夏、2週間弱のプログラムでアメリカ・テキサス州のガルヴェストン島を訪れた。地図で見ても大陸に比べてあまりに小さい、田舎に思えたその島が、私にとっての最初の外国だった。 外国への熱意だけで参加した当時、私は「言葉が通じなくても大丈夫」という自信に満ちていた。なんとなく、「心で通じあう」ことはこちらの熱意次第…
当番ノート 第44期
僕の地元は愛知の長久手というまちです。 生まれてから大学までの19年間をここで過ごしました。 郊外のベッドタウンですが、結構強い愛着があります。 愛着を育んだ場所の一つが、道場です。 小学校入学直前から高校3年生まで通った、空手の道場。 多いときには、大人から子どもまでだいたい100人くらいが通っていました。 幼なじみが通っていたことがきっかけで始めたものの、小学校高学年くらいまでは、いつもやめた…
当番ノート 第44期
今年はなぜか桜の時期の中目黒に三回も行った。たまたま用事が立て続いたのだ。ふだんはなるべく人混みを避けて暮らしているので、これは不覚だった。 中目黒には行きつけのワークショップの教室があるのでしばしば足を運ぶ。生活と商業のけはいが、またにぎやかさと静けさとがシームレスに交じり合う町で、歩きごこちがいい。 ところが、桜が咲くだけで、町はまったく別の顔をみせる。 目黒川に人が殺到するせいで、改札を出た…
長期滞在者
私はどうして家を開こうとしているのだろう。家を開くことで何を期待しているのだろう。予期せぬものとの出会い、この家がもっと愛されてほしいということ、新しい空気が入ることで健全さが保たれる場になること?どれも当たっているようで外れている。 そもそも。 愉快に過ごそうとすることに、理由を見出そうとするなんてナンセンスだということに気がついた。 時代が変わっても、楽しく過ごせますように。 3月1日(金) …
当番ノート 第44期
――今、大切なものはありますか? 大切なもの? ――はい。 うーん。まあ家族と友だちと彼氏は大事だよね。そのくらい。ほかはいまは思いつかない。 ――あなたにとって大切とは、どういうことですか? なくなったらぜったいに嫌だし、なくなったら超困ること、かな。 ――じゃあ、「大切」と「好き」は何が違いますか? 難しいなー。でも、好きなものは好きだけど、大切なものとか人っていつも好きとは限らないかもね。喧…
当番ノート 第44期
浅草に最近よく行く銭湯があります。 「よいな〜」と思うポイントは色々あるのですが、 こないだもう一つ見つけました。 柵がとてもよかったです。 * この銭湯には半露天風呂があります。 5、6人は入れる大きめの熱いお風呂と、 その半分くらいの大きさの水風呂、 それにたくさんの鯉が所狭しと泳ぐ池。 図のような位置関係です。 黄色の部分が柵です。 半露天風呂内の通路と、 池を含む庭園のような空間とを隔てる…
当番ノート 第44期
「『アパートメント』で書いてみませんか」と声をかけてもらって、いくつか記事を読んだり、なにを書こうか考えたりするあいだじゅう、どういうわけか雑貨屋のことばかり思い浮かべていた。 すれちがうこともむずかしいくらい狭い店内に、ちいさな雑貨がひしめく。知らない絵が飾ってあって知らないお香のにおいがする。そういう店ばかりが何階にも重なってつづく、ひとつの建物。 サイトのどこにもそんなことは書いていないのに…
長期滞在者
季節の変わり目だからだろうか、ここ数日気分が冴えない。 自律神経に問題でもあるのか、体調も変な感じで、 風邪の症状はないのだけど、昼間でも足先が冷えていて、 今日あたりなんかは肩の辺りから体の芯に向けて 冷気のようなものが滑り込んでくるような感じが続いた。 なのでせっかく久しぶりに天気が良くなったものの、 その冷気に勝てず、今日は布団に潜り込んで午後までをすごした。 で、開いてみた本からの引用。 …